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宇宙開拓記 ~人類は逞しい  作者: 杠煬
第四章 娯楽だって大事

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お風呂はお好き?

お読み頂きありがとうございます。

楽しんで頂けたら嬉しいです。

お風呂はいい。


他の人はどうだか知らないけれど、私の人生はお風呂に入るためにある。

そう、何度でも言おう。

お風呂はいいものだ。


仕事が終わってから毎日入るお風呂。

休日に贅沢して朝から入るお風呂。

旅行先で堪能する温泉。

街中の大浴場。

少しぬるくして長時間入るのも。

熱い湯に涼しい顔をして入るのも。

小鉢と熱燗を乗せたお盆を浮かべ、月を見ながら一杯やるのも。

火照った体にバスタオルを巻き付け、腰に手をあててコーヒー牛乳(フルーツ牛乳でも可)を飲み干すのも。


どれもが尊いのだ。

私はお風呂が大好きだ。


.....................................


私は今、月基地の水道局で働いている。


元々は、地球で働いていた。

月基地では、シャワーがメインの簡易的なお風呂しか無いと聞いていたためだ。

私の人生、お風呂を堪能できないのなら、生きている意味が無いから。


けれど、例の「石」の発見が世界を変えた。


そのつど、地球から運んでいた大量の水は、その量がぐっと少なくなった。

空気と共に、水も完全なリサイクルが確立されたから。

そして水を贅沢に使えるようになり、月でもお風呂に入れるようになった。


.....ふっ、ふはははははっ!!

良かろう。

ならば私の出番だ。


偉大なるお風呂道の伝道師として、私は月へ行くことにした。


いやその.....

月見酒ならぬ、地球見酒がしたかっただけなんですけどね。


.........................................


現在、月の上水のほとんどは、月の砂やアステロイドベルトから運ばれた岩石で、元素変換装置を用いて作られている。

月の砂はいいとして、何でわざわざアステロイドベルトの岩石を使うかというと、それがたくさんあるというシンプルな理由故に。

まあ要するに、そこいらにあるもので作っているだけなんですね。


一応、下水から上水を作ることも可能だし、安全性だって問題無い。

本当にきれいな水は作れる。

ちゃんと飲めるのよ。


けれども、心情的には.....ねえ?


だから、下水を処理した水は、農業プラントや、もう一度水洗トイレ用の水として使っている。

そのあたりは一応、ちゃんと考えているんですよ。


蛇足だが、こういった作られた水とは別に、地球から運んでくる水もある。

当然、高級品だ。

高級な料理や、お酒のチェイサーとして使われている。


............................................


まあ、そんなわけで。

月の水道局には巨大なタンクがあり、そこへアステロイドベルトから届く岩石を砕いて入れる。

元素変換装置で極微量のミネラルを含む水へと変換し、月基地の上水道へ流す。

シャワーやお風呂に使う水も、この上水を使っている。


下水に関しては、まず固形物を取り除く。

ヘドロ状のそれを、元素変換装置で肥料に変える。

固形物を取り除いた下水は、先に言ったように、元素変換装置できれいな水にしたあと、農業プラントや水洗トイレの流し水に使う。


今日も無人の宇宙船が、巨大な岩石を積んで帰ってきた。

その宇宙船は、私の友人が設計したものであり、「クジラ」と呼ばれている。


............................................


「個人用のクジラ?出来るわよ。」


仕事上がりに食堂へ行くと、案の定、円香がいた。

今日は彼氏が一緒じゃないみたい。


冷たい大ジョッキを何杯かと、最近お気に入りのトマトピザをご馳走すれば、彼女は、だいたいのお願いは聞いてくれる。

以前も、私の部屋のお風呂に、大きな窓を付けてもらった。

おかげで今は、解放感のあるお風呂ライフを満喫することができている。


いやあ、持つべきものは、心が広くて優しい友人ですな。


「でも試作はともかく、宇宙(そら)を飛ばすのには許可が要るわよ。」

「そこは大丈夫。申請の準備はしてあるわ。」


むふふ、と笑い、私は友人のために新たな大ジョッキのお代わりを注文した。


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