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宇宙開拓記 ~人類は逞しい  作者: 杠煬
第四章 娯楽だって大事

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33/60

♪♪♪は続くよどこまでも

いつもお読み頂き有難うございます。

楽しんで頂けたら幸いです。

宇宙船から振りかけられた水が、物質変換波に当たり、レールが形作られていく。


なんて美しい眺めだろう。

イリュージョンの様に、宇宙空間(おおぞら)にレールが出現するんだぜ。

俺達、同志一同は拍手喝采だ。


デカイ宇宙船だが、あれは月で開発されたものだ。

スイーパーホエールって言ってな、元々は、スペースデブリを一掃するためのものだったらしいぜ。


軌道エレベーターを建てるにあたって、ああいう宇宙船が何隻も稼動して、地球付近のスペースデブリをきれいサッパリ取り除いてくれたってわけだ。

で、今は貨物運搬用として使われている。


聞いたところによると、アステロイドベルトから結構大きめの岩石を持ってくるのにも使われているそうだ。

コンピューター制御の無人機にして、尋常じゃないスピードで運んで来るらしい。

今後の宇宙開拓に当たって、材料はいくらあっても足りないからな。


........................................


数週間後、最初の路線が完成した。


まだ建設中のところもあるが、仕方がない。

使える宇宙船が一隻しかないからな。


強度試験もクリアし、今日はいよいよ!

そう、今日はいよいよ、列車試運転の日だ!!


選ばれた240人が、3両の客車に乗り込む。

この人選は揉めることが分かっていたから、くじ引きになった。

俺は、発起人特権でねじ込んだがな!

ハズレたやつらは、可哀想に血の涙を流していたよ。

そりゃそうだよな。

気持ちは痛いほどに理解できる。


だからといって、俺の席は絶対に譲らないけどな!


皆、カメラやらビデオやらをわんさか持っている。

俺もバッテリーやら充電器やらと合わせてしこたま持ち込んだ。

さっきまでは、ホームで撮影会だった。

撮ったり、撮ってもらったり、撮ってあげたり。

結構急いだが、半日はかかった。


ちなみに、今回の旅行に漏れた人達には、昨日までの一週間で優先的に撮影会が行われていた。

そのぐらいはしないと、死人が出るからな。

いやマジで。


え?

試運転?


俺達は、お客の立場から問題点を洗い出しに来た。

だから、旅を楽しむのが仕事なのさ。

そうだろみんな!


.......................................


軽い振動がして、列車がゆっくりと動き出す。


今回のくじ引きは、二次抽選もあって、こっちに当選した連中がホームで出発の様子を撮影している。

撮り鉄の中には、乗るよりもこっちに祈りを捧げてるヤツもいた。

同じ美を愛する者として、その気持ちに敬意を表するぜ。

さあ出発だ。



窓からの景色は最高だ。

足元には青い地球、そして、上は満天の星空。

静かに速く、列車は進む。


騒がしいのは、俺達の方だ。

写真を撮り、ビデオを撮る。

外の景色を、車内の設備を、気の合う仲間を。

ひとしきり撮影が済むと、あちこちでささやかな乾杯が始まる。

俺も始めるとしよう。


缶ビールと柿の種。

やはり最初はこれでなくては。

プシュっと開けて、まずはごくごくごくごくっと流し込む。

くぅ~.......んまい!!

そして、柿の種5粒とピーナッツを3粒、噛み砕いてビールをごくごくっと2口。

これが俺の様式美(いつものやりかた)だ。


隣の席では、さきいかにワンカップときた。

それもありだな。


いい気分だ。

実にいい気分だ。


これから続々とレールが敷かれる。

あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。

そうそう、時刻表だって作らなきゃいけない。

やることは、いくらでもあるぜ。


3缶のビールを空けたら、眠くなってきた。

何しろ昨夜は楽しみで眠れなかったからな.....

まあ、旅は長い。

初めての列車で初昼寝といこう。


目が覚めたら、次は弁当だな。

俺は、地上(した)で買ってきた、梅干しと目刺だけのシンプルな弁当を楽しみにしながら、酔いの回った両目を閉じた。


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