芝を刈るなら根元まで
「声劇台本」兼「会話小説」です。
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私個人の規約は以上です。では、ごゆっくりお楽しみください。
追記:SEの有無は任せます。また、口調が男っぽいですが、性別によって変更されても問題ないです。
上演目安時間
~15分
設定
芝刈:不問
芝刈り機。なぜか喋る。口が悪い。AIは搭載されてない。高校の備品。自走式
鮎川:不問
人間。高校生。ボランティア部部長。芝刈り代行を勝手に承諾した。突拍子もないことをするわりに常識人。ツッコミ役。部員は言うことを聞いてくれない。
佐原:不問
人間。高校生。ボランティア部。寝坊助でどこでも寝る。立ったまま寝ることもある。
黒田:不問
人間。高校生。ボランティア部。別名が腹黒田。佐原大好きで、佐原のことになると途端に思考能力が大幅に落ちる。ツッコミ役、たぶん。
配役表
芝刈:
鮎川:
佐原:
黒田:
鮎川「さて、今日みんなに集まってもらったのは他でもない」
黒田「みんなって……三人しかいないのに?」
鮎川「仕方ないじゃん。みんな幽霊部員だし…」
佐原「ぐぅ…」
鮎川「こらー!佐原ー!寝るなー!」
黒田「ほら佐原、ポンコ……鮎川部長がなんか話すから起きて」
鮎川「今ポンコツって言わなかった!?」
黒田「全部言ってないからセーフ」
鮎川「四文字中三文字言ってたらアウトだよ!!」
佐原「眠いのに……。部長ぜっころ…」
鮎川「怖いよ!!」
黒田「で、何しに集めたのさ?」
鮎川「よくぞ聞いてくれた!!」
佐原「あ、面倒なやつだこれ……」
鮎川「みんなで芝刈るぞ!」
黒田「はい?」
鮎川「おー、よくぞ了承してくれた!」
黒田「了承じゃない。聞き返してんの」
鮎川「え、なんで?」
黒田「なんで?は、こっちのセリフだっての!よくそんな面倒ごと引き受けたなこのあんぽんたん!」
鮎川「あんぽ……ええい!つべこべ言わずに手伝えって!焼肉があるんだから!!」
佐原「焼き…肉!!」
黒田「え、佐原?まさかとは思うが…この話乗る気じゃないよな?」
佐原「くろ、焼肉が食べたい!」
黒田「はうあっ!!」
鮎川「はっはーん、なるほどね。ほれ佐原、もうひと押しもうひと押し♪」
佐原「何言ってんの?」
鮎川「まぁいいから、ほら」
黒田「佐原、ほら、そのー…えっと…そう、あれだ!眠いだろ?帰ってふっかふかの布団で昼寝しよう。な?」
鮎川「はっはーん。なるほどなるほど。お前らそういう仲だったのかー」
黒田「いい加減にしろよポンコツ!」
鮎川「あ!今ポンコツって言った!!」
黒田「本当のことを言ってなにが悪い!」
鮎川「うぉいゴルァ!!腹黒田ァアア!!おかしいダルォガァ!!」
黒田「言ったなこの野郎!!絶対許さねえかんな!!」
佐原「まぁまぁ、落ち着きなって」
鮎川「佐原……」
黒田「ぐぬぬ……」
佐原「ねえ、部長。焼肉食べたい」
鮎川「っしゃ!!勝ちぃ!!」
黒田「うそん……佐原の裏切り者ぉ……」
佐原「黒田も焼肉行こっ!!」
黒田「さはらぁ…」
芝刈「ぶーんぶんぶーん!!」
鮎川「黒田、お前なんか言った?」
黒田「なんも言ってない」
鮎川「じゃあ、佐原?」
黒田「佐原な訳ないだろ!!馬鹿か!!」
芝刈「ぶるるん!!ぶるるん!!ぶーんぶーん!!どっどっどっどっぶーーん!!」
鮎川「あーっ!!うるさい!!なにこれめっちゃうるさい!!」
佐原「廊下じゃない?このうるさいの」
黒田「ちょっと見てみるわ」
SE:扉を開ける音
芝刈「いぇーーい!!ひゅーひゅー!!どっどっどっどどーーーん!!!」
SE:扉を閉める音
鮎川「どーだ?くろろん」
黒田「なにも……見なかった……。なにも」
鮎川「変な奴だな?代わりに見るからそこどいて」
黒田「あ、ちょっ……見ないほうが……」
鮎川「はぁ?何言ってんだか」
SE:扉を開ける音
芝刈「いえええええいいいい!!ご機嫌うるわしゅ―――る!!!」
SE:扉を閉める音
鮎川「なに、あれ」
黒田「たぶん、芝刈り機?」
鮎川「あれが?」
黒田「たぶん」
佐原「ふたりだけなんかずるい!」
鮎川「あーバカ!!開けるんじゃない!!」
黒田「ポンコツのくせに誰のことをバカって言ってんだ?」
鮎川「今そういうのいいから!」
黒田「言えやこのすっとこどっこいが!!!」
鮎川「あーもう、腹黒田めんどいな!!」
芝刈「へいへいへえええええええい!!!扉の隙間から華麗にとびこみきめちゃいましたあああん!!!」
鮎川「なんで……まさか佐原!」
佐原「あ、あけちゃた」
鮎川「このお馬鹿!!」
佐原「ゆ、許してほしいなー」
鮎川「許すわけn(割り込み)黒田「許す!もうめっちゃ許す!!」
鮎川「ちょ、黒田邪魔すんな」
佐原「わーい!黒田やっさし~」
芝刈「ぶるるんるーーん」
鮎川「だめだこりゃ」
芝刈「大変そっすなあ」
鮎川「もう疲れt……今誰がしゃべった?」
芝刈「ぶるーん」
鮎川「これ…じゃないな。うん」
佐原「なんか眠くなってきた…」
黒田「じゃあ帰る?一緒に帰っちゃう?」
鮎川「おいそこ、帰ろうとしてんじゃないよ」
黒田(舌打ち)
鮎川「まったくもう……。で、この薄汚い機械はなんだろ?」
芝刈「薄汚いとは失礼な!」
鮎川「うぉ、しゃべった!」
芝刈「そりゃしゃべるよ。芝刈り機だもん」
鮎川「え、これが?」
芝刈「これとは心外だな!」
鮎川「やっぱ疲れてんのかな…。こんな薄汚い機械がしゃべるわけないもんな。あと古そうだし」
芝刈「古そう…だと…!?」
佐原「部長なに独り芝居してるの~?って、なにこの変なオブジェ」
芝刈「オブジェ!!!?」
黒田「あれ、さっき廊下で騒いでた芝刈り機じゃん」
芝刈「芝刈り機ぃ!!?」
鮎川「いや、それはあってるでしょ」
芝刈「あっ、そうだ。正解だった!」
鮎川「おいおい…いいのかそれで」
佐原「ねーねーくろろー、なんで部長は独り芝居してるの~?」
黒田「佐原、それはとても簡単な話だよ」
佐原「そうなの?」
黒田「部長はポンコツだから独りが寂しくてな…」
佐原「部長可哀想…」
黒田「だーかーらー、こんな危ない人はほっといて一緒に帰りましょうねー」
芝刈「部長とやらの悪口はそこまでだぶおおおおおおん」
佐原「部長…そんな独り芝居で復讐まで…」
鮎川「いや佐原、これ一人芝居じゃなくてだな…」
佐原「そうなの?」
鮎川「そうだよ。実際にこいつがしゃべってんのな」
芝刈「ご紹介にあずかりましたのはーー!!なぜかしゃべるAI未搭載の超高性能最新型芝刈り機!!SBKR-001怪!明るく元気だからムードメーカーになること間違いなしだぞ☆」
黒田「人工知能搭載の芝刈り機か。しかも自走式とは珍しいな。てか、スピーカーどこだ?」
芝刈「ないよ?」
黒田「は?」
芝刈「てか、人工知能ってなに?」
黒田「はぁ?」
芝刈「だってぇ~、しばっち永遠の十七歳だしぃ?そんな新しい言葉とかわかんな~い」
黒田「でもさっき最新型って…というか、芝刈り機で十七年ものとかとっくに寿命だろ」
芝刈「まだまだカチカチの現役ですぅ~!」
鮎川「カチカチの現役ってなんだよ…」
佐原「ねー、思いついたんだけどさー」
鮎川「なにを?」
佐原「これに芝刈り任せたら仕事せずに焼肉食べれるのでは?」
鮎川「お前天才か」
黒田「当り前よ!何を隠そう佐原だぞ!!」
佐原「黒田ちょっと黙って」
黒田「しょぼん……」
芝刈「ところで、話は全部聞いてるぜ!」
佐原「誰から?」
芝刈「田中先生」
佐原「田中?数学の?」
鮎川「用務員の先生だよ」
佐原「ああ、あのおじいちゃんか!」
芝刈「え、まさかの今知った感じ?」
黒田「そういえば聞いてなかったわ」
鮎川「そういや言ってなかったわ」
芝刈「なにゆえ!?」
鮎川「聞かれなかったし?」
佐原「焼肉に釣られた」
黒田「佐原が可愛いかった」
芝刈「芝の前にあんたらの頭刈るぞ」
鮎川「田中のじいちゃんが言ってた助っ人ってこれかぁ…」
芝刈「何そのあからさまな溜息!?」
佐原「てか、人じゃないよね」
黒田「機械だもんな」
芝刈「なんか冷たい!!オーバーヒートまだしてないよ!!」
鮎川「でも、あの人これと仕事してたのか…。独り言多いからボケてるのかと思ってたわ」
芝刈「あ、田中先生の悪口を独断で判定して、焼肉取り消しにしていいって許可あったの忘れてたー(棒読み)」
鮎川「すごいよな!一人と一機で校内の芝全部整えてるもんな!ほんとすごいっす。マジ頭上がらないっす!」
佐原「うわ…急に媚び始めた」
黒田「品性を疑う…」
芝刈「ないわー」
鮎川「なんで集中砲火なんだよ!」
芝刈「そんなことは隅のごみ箱にダンクして」
鮎川「ダンク!?」
芝刈(舌打ち)
鮎川「ひぇっ」
芝刈「そろそろ手入れに出かけないと下校時間になるよ?」
黒田「確かに、あと一時間しかないぞ」
佐原「このままだと焼肉食べれないの?」
黒田「いや、今からでもやれば間に合うはずだが…」
鮎川「みんな冷たい…悲しい…」
芝刈「今日はどの程度食べれっかなー」
黒田「戦力外はごみ箱に入れとくか?」
鮎川「ひどい!!」
黒田「自覚あったのか。すごいな」
佐原「ねーねー、ぶちょーの奢りで行けばいいんじゃない?」
黒田「それ名案だな!」
鮎川「名案じゃねえ!!いい加減にしろ!」
芝刈「そうこうしているうちにも時間は過ぎていくのであった」
鮎川「そんなことになってたまるか!早いところ頼まれごと終わらせるぞ」
黒田・佐原「うーい」
芝刈「おおよそ三十分経過~」
鮎川「終わんねええええ!!!どんだけあんだよ!!」
佐原「もう…だめ…」
黒田「佐原!死ぬな!!」
佐原「むきゅー…がくり」
黒田「佐原あああああ!!!」
芝刈「やほー、どんなかんじー?って、全然終わってないじゃん」
鮎川「なんで本職がサボってんだよ!」
芝刈「なあんのことでしょう?」
鮎川「お前芝刈り機だろ!」
芝刈「あれ?自己紹介しなかった?」
鮎川「いや、したけど」
芝刈「じゃあ改めて~」
鮎川「しなくていい!しなくていい!!」
芝刈「えー、残念だしば~」
鮎川「思い出したかのように要らんキャラ付けをするな!」
黒田「おーい、そっち終わったかー?」
鮎川「まだー。全然終わらん」
芝刈「あと十分で下校時間ですしば~」
佐原「うへぇ…もうそんな時間なの…」
黒田「このままだと終われそうにないな。先生に言いに行くか?」
鮎川「それがいいかもなぁ…焼肉は諦めるか」
芝刈「そこであきらめるなよそこで!!!」
黒田「なんだこいつ…」
芝刈「もっと、熱くなれよおおおお!!!」
鮎川「何言って…って、熱っ!」
黒田「オーバーヒートしてんのかこれ…」
芝刈「うおおおおお!!なんかみなぎってきたあああああああ!!!!!」
鮎川「佐原、水だ!バケツでも何でもいいからこいつに水かけるぞ!!」
佐原「もう一歩も動けない…」
鮎川「佐原!?え、今そんなこと言ってる場合じゃないぞ!!」
芝刈「もう誰にも止められないぜえええ!!!ぶるるるるるるるっるるーーーん!!」
黒田「佐原ああああああああああああ!!!!!!」
芝刈「ふいー、これで芝は全部終わった!さすがしばっち‼てんっさい!!」
佐原「おおう…生きてた…」
鮎川「いったい何が…」
芝刈「あんまりにも終わりそうになかったから全力出した!」
黒田「じゃあ最初からそれでやってくれよ…」
芝刈「でも、これは回路への負担が激しくて、生涯に一度きりの大技なんだ…」
鮎川「何で今それ言った…」
芝刈「本当は全然平気なんだけど、なんとなく感動的な別れにしたくて」
鮎川「いや正直か」
黒田「で、見事に全部終わったしこれで焼き肉いけるな」
佐原「疲れたー。おうちかえりたいー」
鮎川「だそうだが?」
黒田「帰るか」
鮎川「そうするか」
芝刈「ぶるるる…ぷすす…」
佐原「ねーねー二人ともちょっとこっちきてー」
黒田「どうしたー?」
佐原「動かなくなった」
鮎川「は?」
芝刈「しーーん」
佐原「ほらね?」
芝刈「しーん」
鮎川「こいつさっきから効果音自分で言ってないか?」
芝刈「……し、しーん」
黒田「言ってるね」
芝刈「逃げるが勝ちよ!!どぅるるるるるるるるるるるるん!!」
鮎川「………………帰るか」
佐原「さんせー」
黒田「異議なし」
鮎川「帰りにどっかよっていくか?」
佐原「じゃあ、ぶちょーのお金で焼き肉」
黒田「異議なし」
鮎川「それはさすがに無理だわー」
佐原「やきにくっ♪やきにくっ♪ぶちょーのお金でやっきにくっ♪」
黒田「ほらー、急げよー」
鮎川「ちょ、三円でどうやって奢れってんだよー!!」
佐原「皿洗い?」
黒田「だな」
鮎川「やめてえええええええ!!!!!」
芝刈「ちゃんちゃん♪」
この度は台本を開いていただきありがとうございました。割と全編勢いでごり押した感じはしますが、いかがでしたか?もし何かあれば上記Twitterにご連絡ください。感想等もお待ちしております。