氷河期世代
氷河期世代の大卒で正社員にもなれず、フリーターや派遣で食いつないでいた青木は、60歳になり身体も辛くなってきた年齢である。独身とはいえ貯金もなく、年金も未払い期間があるため満足な金額が
支給されるわけでもない。といってこのような人が稀というわけでなく、この年齢では普通に多くの人が
そのような状態であったのだ。当時の自民党政権に見捨てられたいわゆる「棄民世代」の特徴でもある。
周りの同世代でも引きこもりになった奴も少なくないと聞くが、同世代の親となるとすでに死亡
してもおかしくない、もしくは要介護になってもおかしくない年齢である。
「だめなら生活保護に頼ればいいや。俺たちを捨てた政府が悪い」と開き直っている人も多い世代である。
ところが、新たに政権奪取した日本臣民党はそのような甘えは許さない政権であった。
閣議決定で、減少の一途をたどっていた生活保護の支給金額を20%上げると発表。その代わりに対象者
を日本国籍所有のみ。障害4級以上。80歳以上に変えたのである。しかも現金支給ではなく、政府発行
のプリペイドカードのみと限定になった。当然反発も起きる。健康的な生活が。。と人権団体の抗議
もあったが、「少子高齢化及び今までの漬けを後世に残すわけにはいかない」
「我々の時代で借金体質から脱却する」「今の子供たちに日本で生きてよかったと思える国にしないと
いけない!」とのことと、30年前からの生活保護に対する世の中の風当たりの強さから反対の声が
かき消されていった。
「プリペイドだとカード会社が潤うじゃないか!」共産党の八木議員が議会で噛みついた
「カード会社が入ることによってこれまた雇用が生まれる」「普通に買い物もできるVIZAと同じ
デザインなので一見だとわかりませんよ」「1億総活躍社会を実現させないとこの国の未来はない」
と圧倒的多数となった政権党の日本臣民党によりそれが実現したのである。