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翡翠の神剣  作者: お餅つこう
第1章 転移してみるのもまた一興
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第7話 転移直後の陰キャにこれは...

6話の更新で、一気にアクセスが伸びました。

ちら、と解析を見てみましたらいきなり数が増えていて、「何があったんだ一体!?」と驚いてしまいました。

ブクマも増え、大変潤っております。

今後とも、よろしくお願いします。

ん......。

瞼に受ける光の量が変わったのを感じる。

増えた減ったと言うより、光の種類が変わった、と言った方が近いだろうか。

先程まではLEDで照らされたような、真っ白な光が瞼を透かしていたのだが、今は白ではなくオレンジ、と言った感じの色合いになっている。

これは何よりも、世界が変わったことを示しているはずだろう。

光が空間から放たれるものではなく、太陽から放たれるものになったのだ。

それはつまり、俺が転移したことを示しているに他ならない。



ワクワクとドキドキの期待を込めて、ゆっくりと、しっかりと瞼を上げていく。

うっすらとした、緑と白がぼんやり見える世界から、ゆっくりとそれは広がり、鮮明になっていく。


くっきりとした色鮮やかな世界で、俺が思ったことは────



「どこの田舎だよ、これ」



──という、どこか抜けたような言葉であった。


ラノベ主人公とかなら、もっとまともなことを言えるのかもしれないが......。

俺はその辺の道端に転がっているようなありふれた人間だから、そんなことなぞ言えるわけあるか。


なので、俺の感想に期待した君は間違いなく馬鹿だ。

って、だれに言ってるかわからんけども。


まあ、そんじょそこらのみんななら多分俺と同じことを言うはずだ。

自分が佇んでいる、砂利の畦道。

そして、その左右に広がる広大な畑。

これを田舎と呼ばずしてなんと呼ぶのか。

まあ、それはいいのだ。

俺は、何となく畦道の向こうに目を向けてみる。


「あれは......街、だよな」


うっすらと、人工的な建造物が目視できた。

うーん。

どうすべきだろうか?

行くか...、逆に進むか、それとも...。

いや、違うな。

やるべきことは決まっている。

街に向かうのだ。

このままココに突っ立っていても何も始まらないし、まして国を救うなんて到底無理だろう。

人との交流もまだだし、幸いにも一本道が続いている。


これは恐らく、あのチャラ創造神の思惑じゃなかろうか。


『まずはあの街にいけ』、と言う命令では無いだろうか。


俺はそう考えて、歩行を開始した。

いや別に、チャラ神の意向に従おうとか、別にそういうことじゃないよ?

ただ他に選択肢がないだけだからね?


──だが、その直後後ろから、微かになにかが聞こえてきた。


「......?」


振り向いて、確認できるか見てみる。


そこには、前方と同じように真っ直ぐに続く1本の畦道。

だが、違うのは街の代わりにものすごい勢いで迫ってきている馬車─────って、えぇ!?


「ちょ、ちょ、それはないって!」


俺はとりあえず、前方に向き直して逃げようとして───、出来なかった。


馬車に、人が乗っていることに気がついたのだ。


「#&@/”/¥@”…¥~~~!!!」


ちょっと、何言ってるかはわからない。

これが異世界言語って、やつだろうか?


ならば何とかAIやらが翻訳してくれるはずなんだが.........


《自立自動翻訳起動》


ん?

今なんかもんのすごく漢字ばっかな発言が聞こえなかった?

なるほどこれがAIね。

いや声が機械的すぎてやばい。

これで本当に翻訳できるのか?

そこが疑問だが...。

どう考えても初音〇クちゃんとかGU〇Iちゃんとかしか脳内に浮かんでこない...。


《翻訳設定をライム語から日本語に変更します》


うん?

ライム語?

それってこの国の言語だろうか?

それにしてもライムて...

どこぞの柑橘類しか出てこんぞ。


《世界言語取得中.........》


ちょ、そろそろ早くして。

もう、あと30秒もしたら俺馬に轢かれて死ぬから......

って、30秒なら案外時間ない?


《世界言語取得中.........》


わっ!あと20秒切ったよ!

もう翻訳いいや!

どうせ、あいつ多分『助けて』とか『止めて』とか言ってるんだろうから...


こうなりゃ、どうにかするしかあるまい。

......だが、どうやって?

俺は周りを見渡す。

馬には人参と言うが......


ん?あの畑、人参っぽいの育ててるな......


「...よし、行くぞ!」


俺は、行動を開始する。


まず、俺は全力で道を駆け下り人参畑へ。


そしてその勢いのまま数本をむしり取り、さっき居た畦道に全力で戻る......っ!!


「ハァ、ハァ、ハァ......」


まともに運動をしたことのない陰キャにいきなり何やらせんだよ...


っと、思考している暇はない!

既にもう馬は俺目掛け進んできている。


ここで、俺は両手で掴んでいた人参を前方に勢いよくスローイン!


綺麗な放物線を描きながら、無数の人参が宙を舞う。


そして、肝心の馬はと言うと......


人参、ガッツリ好物だったみたい。

空を舞っている人参全てを目にも止まらぬ速さで口にくわえ、勢いよく俺の目の前で静止したのだった。


ったく、驚かせやがって......


「おい、そこの人。大丈夫だったか?」


俺は、翻訳が完了していないことも忘れて話しかける。

とりあえず安否確認は大事だからな。


すると、行商人のような格好をした好青年は俺を見て────


「ありがとう、死ぬかと思いました」


そう言って、俺に手を差し出してきた。


「どういたしまして」と俺が言って差し出してきた手を握り返したのと、


《世界言語翻訳完了しました》


という遅すぎる位の連絡が俺の耳に届いたのは、ほぼ同時だった。

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