第3話 いつから隕石が落ちたと錯覚していた?
書き溜めがあるうちはホイホイだせるとおもいますが、書き溜めがなくなれば更新しにくくなるので、そこからはペースも遅れる...と、思われます。
引き続き、よろしくお願いします。
ん...
知らない天井だ(パクリ)。
嘘だけどね。
ここ、多分俺の部屋だし毎日寝る時死ぬほど拝んでるしこの天井...。
あれ?
そう言えば、なんで俺はここにいるんだっけ?
「お兄ちゃんー!大丈夫ーー?」
「何がー?」
何故か俺の身の心配をしてくる妹。
なんだろう?
声は1階からだったけど、そろそろ部屋に来るんじゃなかろうか。
バンッ「お兄ちゃん!」
やっぱり。
あのさ?
毎度毎度俺の部屋のトビラ勢いよく開けるのやめよう?
お前が開ける度に壊れないか冷や冷やするんだけど?
俺に余計な心配をさせないでほしい...
とまあ、閑話休題。
「で?俺がどうおかしかったって?」
「うん。
まー色々と」
「色々とって...雑だな」
「いやー、言葉にすることが難しくてね」
「あーたしかにお前語彙力ねーもんな」
全部の発言からアホらしさが滲み出てる。
これぞ、アホの骨頂ってやつだな。
よっ、アホ代表!
「ちがうよ!物理的に難しいんだよ!」
「お、おう。なんだよ物理的って」
「わかんない」
わかんないのかよ。
なんなんだよ。
俺最近こいつに舐められてる気がする。
ま、ノリがいいお兄ちゃんなんてそうそういないしな。
俺くらいなら、ちょっとやってやってもいいか。
でも、口論では負ける気しないけどね。
「ま、そこは詳しく聞かないとしても、隕石は?あれはどうなったんだ?」
「隕石...?
なんのことを言ってるの?」
「えっ?」
「隕石?」
「あ、あぁそうだ。直樹の家に隕石が落ちてきて、さっきまでそこで───」
あれ?
そこで、俺は何を?
俺は、何を見た?
何を聞いた?
何をした?
そもそも、隕石が落ちてきた?
なんで?
あれ?
「お兄ちゃん、それ、夢の中じゃないの?」
あぁ。
そうかもしれない。
「そうだな。じゃあ、大したことじゃないや。外は普通にいつも通りなんだろ?」
「うん。今日も平和」
「そりゃあ良かった」
どこかの戦争直後の会話みたいだが、いつも通りならそれでいい。
なにも、変わらない。
昨日までと、何も。
それなら、いいんだ。
いつも通りが続くなら。
「じゃあお兄ちゃん大丈夫そうだし、私は下に降りるね」
「おう。階段で転ぶなよ」
「そんなことしないってー」
くだらないやり取りをしつつ、妹はトビラの元に向かう。
完全に出て、あともう少しで扉が閉まるというところで妹がひょこっと顔を出す。
「あ、あとすこしでご飯だからね」
「おうけいおうけい。了解」
それを最後に、扉が閉まる。
なんだか、隕石の話題をした時の妹の顔が怖かった気がした。
なんだったんだろう。
あんな顔、いままで見たことなかったのに。
もしかして、隕石にトラウマでもあるのか?
そうなら、悪いことをしたかもしれないな。
後で謝ることにしよう。
そうして、俺は暇を潰すために携帯を開いた。
──パタリ。
扉が完全にしまったことを確認して、彼女はポツリと、呟く。
「お兄ちゃん。神の掟に抗うことは出来ないんだよ...。
たとえ、それが最愛の人であろうとも」
扉があろうがなかろうが、届かないほどの囁き声で、彼女は嘆いていた。
◆◆◆
ぐうたらぐうたらー。
今日も一日自堕落生活を...って、なんで俺ここにいるんだろう?
ってかここどこだよおい。
『気づいた?葉月』
「おう...って、お前がその呼び方するのおかしくない?」
耳に届いた声の正体は、紛れもない紗苗その人だ。
...だが、紗苗ら俺のことを葉月と呼ばないはずだ。
いつもなら、普通は『お兄ちゃん』と───
『いいえ。本当は、貴方のことを葉月って呼ばなきゃいけなかったの。でもね、立場的に葉月って呼んでたらおかしいでしょう?』
んー、どゆこと?
訳が分からないので、少し考えてみる。
妹が兄に対して、名前呼びするのは......おかしいだろうか。
特におかしい所はない気がするが...おかしいと仮定しよう。
だとすると、妹は俺を「お兄ちゃん」、と呼ばなければならないわけで。
......あれ?俺何言ってんだ?
「あー。で、俺はなんでここに?えーと、紗苗?」
『あ、ちょっとこっち凝視しないで、無理、尊い...死ぬ...ガハッ!......ゴホン。それはね、神に選ばれたからだよ』
「え?ちょ、理解できない」
なんかごにょごにょ言って吐血してた気がするけど気のせいだよね?
この真っ白で何も無い空間で吐血とかどんだけだよ。
なに?
紗苗いま具合悪いの?
大丈夫なの?
って、別に地面に血が垂れてる訳でもないし、大丈夫だろうけど。
それに、めっちゃ活発な女の子だし。紗苗は。
「俺が神に選ばれたって言うのは......どういう意味だ?」
『そのまんま。神が、貴方を選んだ。だから、葉月は行かなければならないの。』
「行くって、何処にだ?」
『ん』
妹が、指を彷徨わせる。
それが1箇所をさすと、そこにあった真っ白な空間が晴れる...という言い方は合わないかもしれないが、まさに雲が晴れるような感じで消えていった。
そこに、映し出されるのは不思議な形をしたひとつの大陸。
「これは?」
『神奉国アートライム。葉月が救わなければならない国』
「シンポウコク...?」
『神奉国って言うのは、国の全土に広がる国民が、我らの神を尊み、敬い、崇め奉る国のこと』
うーん。
要は、キリスト教を国教としてる国、みたいなもんだろうか?
あれって確かキリストを唯一神として認め崇め奉ってるやつだよな?
俺の考えに不備があったら謝るけども。