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二つ名転生  作者: 薪村 尚也
3章 北方小事
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3-2 約束と独断

投稿失敗していました。

申し訳ございません。


「約束?」

「ええ、身の上話ですがいいですか?」

「おう、というかお前は今のところ身の上話しかしてないな」

「そう言えばそうですね」


こいつの今のところ行ったのは自分の能力の説明だけだ。

本当に、身の上話しかしていないと言える。


「それで、どんな事情がある」

「はい、実は僕肉親が全員他界してまして」


のっけから重い。


「ほとんどが少なくとも僕が生まれた直後か生まれる前に死んでおりまして。そんな僕を育てたのはたった一人残ったおばあちゃんでした。

僕の幼少期は他の子には居る両親も兄弟も居ませんでしたが、それでもおばあちゃんが居たので僕は平気でした。まあ、そもそも両親の事を覚えてないので悲しいって感情が沸きづらいのもありましたが。

そんな生活が15年続きましたがその日常は突然壊れました。

………おばあちゃんが死んだんです。

…おばあちゃんは僕を育てるために色々無理をしていたみたいで、ぞれ、ぞれを、気づがぜないように、じて、それで僕はぞれに最後まで気づけまぜんでじだ」


えぇ…いきなり泣き出した。

こういう時どういう対応したらいいのか分からんから困るんだが……。

まあ、とりあえず………


「フン!」ゴンッ!

「アタッ!何で殴るんですか!」



「話を続けろ、勝手に脱線するな、次はもっと痛くするぞ」

「この人怖い」

「うるせえ!貴様には発言の自由は無い!」

「うわぁ………」

「おい今の誰だ!今の『うわぁ…』って誰だ!」


後ろから起こった声に噛みつく俺。

というか必死に話を進めようとしている俺になんて発言だ!

怒るぞ!

“うー”と唸りながら後ろを見回しているとカミルが語りだした。


「えっと約束ですね。実は『縮小世界』の二つ名ですがこれは僕がおばちゃんから受け継いだ二つ名なんです。つまりは“継承名”に属する能力なんです」

「なにそれ?」

「アキラさんはこちらに来たばかりなので知りませんね。

“継承名”は血縁に受け継がれていく珍しい二つ名です」

「それどれくらい珍しいの?」

「かなり珍しいですよ。発見されているのが20ちょっとだったと思いますから」

「へー、まあ今は良いや。約束は?」

「話のペースがどこまでも変わらない」


これ以上脱線するの面倒なんだよ。


「約束は死んだ僕のおばあちゃんとしたものです。

アキラさんの言う通り『縮小世界』の力を使えば裕福に生きることは出来るでしょう。

ですが、おばあちゃんにこの世界に立ち入る事や、能力を使う事を出来るだけ避けるようにと言われたんです。

理由はこの世界に封じられている存在のため。どういうわけで『縮小世界』に封じたのかは不明ですがソレを封じるために僕の血族は努力してきました。

おばあちゃんが言うには『縮小世界』は元々先代から受け継がれた時に『縮小世界』に封じられた存在を聞くんだそうです」

「へー封じてた存在とは?」

「それを聞く前におばあちゃんが死んじゃって結局分からないままなんですよね。

といわけで皆さんが来る前に僕よりあの世界に詳しいと“思う”レオンにそれっぽい存在を聞いてたんですが、その、予想以上に何も分からなくて………」

「何かヤバいやつだろ?そんなの知らねぇよ、もしかしたら食ってるかもしれんし」

「うわぁ」


そう言えば俺らが部屋に入った時、何か話してると思ったらそういう事話してたのか。

けどそれはダメだろ、いやダメじゃないけどそもそも頭を使う事と聞いて一番に『頭突き!』って答えそうなやつに聞いてどうすんだよ。

知能レベルは“話の通じる動物”クラスだぞ?


「ふむ、総括するとお主の血族はその得体のしれない存在をあの世界に封じておったんじゃろ?

なぜ今になってあのような事件、多分神隠し事件じゃが、を起こしたんじゃ?」


デニム爺さんが勝手にまとめだした。

別にいいけどさ。


「……いいわけに聞こえると思いますが、多分僕は洗脳を受けてました。今はハッキリしてるんですがこの前レオンにブッ飛ばされるまでなんだか自分が自分じゃない気がしてて、それで、自分でもよく分からないうちに………」


そう言ってカミルは黙って俯いた。

今だ土下座の姿勢なので俯くと髪しか見えない。

何と言うか…何と言うか……。

……

………うん、決めた。


「カミルその場に横になれ」

「へ?」

「足伸ばした状態でうつぶせになれ」

「あの?何でですか?」

「早く」

「え、あ、ハイ」


そうして(土むき出しの床に)横になったカミルに俺は後ろから近寄る。

そして


「ソォイ!!」グギギギッ

「ぎゃあああああ!!」


関節決めた



「死ね死ね死ねぇぇぇ!!!」

「ぎゃあああああ!!足がぁぁぁ!!」


突然の関節技。

悲鳴を上げるのは当然だろう。

それを視界の端に見ながら俺は宣言する。


「むかつくんだよぉ!何か悲劇の主人公ぶる姿勢が!」

「痛い痛い痛い!」

「だまらっしゃい!俺はこの世で一番嫌いなのが偉そうなやつ、二番目が中身スッカスカのヤツ、三番目が悲劇のヒロイン及びヒーロー気取る奴だ!

お前はその二番と三番に該当する!簡単に言うとお前のその生き方が気に入らん!」

「ぎゃあああ!」

「お前のせいで俺たちは大変な目にあってんだ!それが分かってる以上お前がすることは迷惑かけた相手に対する謝罪と賠償だろうがぁ!!」

「ああああああああ!」

「くだらねぇ!説明の後半部分はほとんどくだらねぇ!おばあちゃん子と言う事しか分からんかった!」

「ああああああああ!」

「止め行くぞぉぉ!くたばれ自称神ィィ!」


そう言って俺は体勢をさらに反らす。

グギギギギと小気味いい(?)音が部屋にもう一度響いた。


「背中が!腰が!足が!」


自分でもかなり理不尽な攻撃だと思うが、それ以上に理不尽を食らった身としては別にいいだろう。

それよりも悲鳴に隠れて何か鼻とかマスタードとか聞こえたけど誰が言ったのかな?なかなかエグイこと考えるね。



「背中が………足が………」


関節技から解放されたカミルは体をのけぞらせたまま、うわ言の様に同じ言葉を繰り返していた。

死にそうだな。


「カミルお前の生い立ちは良―く分かった、その上で話す。協力しろ」

「「「「ハイ?」」」」


俺の発言にカミルだけでなく部屋の全員が反応した。

あ、レオンは除きます。いまだ呼吸困難な状態です。


「お前の能力は使える。デメリットも無いみたいだし、今は荒野に置いてきてる村人の避難場所が必要になるし。お前の能力であいつらを箱庭に戻せ」

「イヤイヤイヤアキラさん?頭おかしいのですか?」

「そうですよ!せっかく帰って来たばかりなのにどうしてすぐに元の場所に戻すんですか!」

「帰るためだ、分かるか?」


その問いかけの答える者はいない。

だが俺は見逃さない、デニム爺さんだけは表情を一瞬だが緩める反応をしていた。

この人ホントに頭いいな。


「箱庭はどの世界ともつながる、クリスそうだったな」

「え?ええ。現に僕は火星から来てますし…」

「なら大丈夫だろ。カミル戻せ。お前の力で引き込んだ人間を全員元の世界に戻せ。お前の贖罪はまずはそこから始めろ」

「え?」

「それともそれ以上に許されることがあると思うか?」

「………無いです」

「よし!」


カミルの言葉を聞き俺は立ち上がる。

全部こちらで決めたから多少の不満は残るかもしれんがそれでもアイツらは返す。

巻き込まれた人間に対する謝罪はそれでいいだろ。

それから後はこいつの力を使う。

そうすればもしかしたら………。まあ、今は良いや。


「行くぞ、とりあえずお前が死んでないことを言わなきゃな」


そう言って俺はにこりと笑った。

カミルはそれを見て、


「立てません。誰か手を貸して」


軟弱もの!



カミルの家から出てくるアキラたちを監視する存在が居た。

その存在は誰にも気づかれず


「目標確認、なるほどなるほど………厄介しか出てこん」


何処か嬉しそうな言葉は誰にも聞かれることなく空中に消えた。

自分でも書いてるうちに話がこんがらがってきました。多分書き直す。

次回は日曜日更新

早くも週4更新を公開してるぞ!

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