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二つ名転生  作者: 薪村 尚也
1章 墜落少年
5/111

1-3 再開

何で家に帰ったら二度と会えないはずの親友が居間で茶を飲んでんだ?!(ハルマ・クイート)

サクラー、上がったぞー、お茶入れてくッわ――!何で親父がいるんだ!?」

「俺の家だからだよ、呆けたことぬかすなクソガキ。それよりアキラ何でここにいるんだ!死んだのか!」

「あーうん、死んだ死んだ屋上から柵ごと突き落とされて死んだ」

「なんだそれどうゆう状況だ!」

「こっちがどうゆう状況だ親父ぃ!何でそいつは親父にため口聞いてんだ!?」

「なんかお父さんの親友だったみたい」

「そうそうオレコイツトシンユウ」

「はぁ!?どういうミラ「それよりアキラ柵ごとってどういう怪力だ!突き落とした奴は」

「話さえぎるんじゃねぇー!親父!」

「うるせぇバカ黙てっろ!」

「誰がバカだ!」

「お前がバカだ!」

「ハルマあんまり変わんねーな」

「アキラさんよく落ち着いてられますね」

「うるさいの慣れたからかなぁ?」

「上等だ!表出ろクソガキィ!」

「こっちのセリフだ!クソオヤジィ!」


閑話休題。多分使い方間違ってるけど場がカオスになったので閑話休題。


10分後

「いやー驚いたな、ハルマがこの世界に来てるなんて」

「こっちのセリフだ。なに殺されてんだ、今度は何をした」

「何したってなんだよ、人を犯罪者みたいに」

「俺がいたときも十分予備軍だったし、素質もあったと思うぞ」

「ひでぇ」「ぬかせ」


板の間に横になりながら緩い会話を楽しむ、久方ぶりにあった親友の人なりはほとんど変わらずまるで2年前に戻ったようだ。


「そういうハルマこそ何でこっちの世界にいるんだ?まあ俺自身も何でいるのか分かんないけど」

「あーその質問に答える前に、サクラどこまで説明した?」

「この世界が10倍速でアキラさんたち転生者が100倍速ってところまでですお父さん」

「最初も最初か。じゃ話すか転生の条件とか二つ名とか色々」

「よろしくお願いシャース」


ハルマ先生の転生世界講義の始まり始まり


「まず転生の条件な、これは簡単『死を感じずに死んだ者』だ!」


うん


「わからん」

「まあそのままの意味だ、俺の場合は死ぬ前の最後の記憶は車で眠かったことだ。だから死んだと聞かされて驚いたよ、どういう死にかたをしたかも知らん。どうして死んだの俺?」

「交通事故だよ、即死だったらしいよ。いや、あーなるほどそういう事か、つまりここに来る奴は事故死、特に即死系の事故が多いわけだ」

「まあ車に乗ってる奴、道路に飛び出した奴、そこ辺は主流だな。例外も一様あるらしいけどな」

「へぇ異世界召喚とか?」

「詳しくは俺も知らんよ、意識もないのにどうして死んだか知ってる方がおかしいだろ・」


そりゃ残念。ところで気になることが一つ


「ハルマ、お前何で生きてるんだ?2年前に死んだなら2×10×10で200年だ、とっくに死んでなきゃおかしいだろ」

「流れるように次の質問にいくよなお前って。ズレか、さすがに頭の回転が速いな俺なんて詳しく説明されても理解に苦しんだぞ」

「お前が頭悪いのは前世から知ってるから、説明はよ」

「わーかったわーかった、まあこれも簡単だ『二つ名』って力のせいだ」

「何そのわくわくする単語、特殊能力?」

「特殊能力、俺のはささやかな力だけどな」

「よっしゃー!転生してよかったー!さあ俺の秘めたる力はなんだー!」

「親父何でこいつテンションいきなり上がってんの?バカなの?」

「分らんか息子よ、まあお前にはあって当たり前だからか。」


なんか外野がごちゃごちゃうるさいが気分いいから許そう!

俺は立ち上がり気合を込める

さあ叫ぼう転生系お決まりのあのセリフを!


「スターテスオォォ―――プン!!」


……しかしなにもおこらなかった…。


なぜだー!運営バグってるぞー!詫び石よこせー!


「うるせぇ落ち着けゲンコ行くぞ」

「そりゃ勘弁」


即座に正座、漢字の語呂が良くて良い感じ、なんてね

しかしなぜ


「なぜ!スターテスがオープンしないぃ!」

「そんなもん元からない。あとスターテスじゃなくてステータスな」

「ではステータスオ―「言っても意味ないぞ」


先に潰されたちくしょう


「えぇ空気読めよ運営」

「ああ運営に言ってくれ。じゃあ話し戻すぞ」

「はぁ……い」

「明らかにテンション落としてんじゃねえ」

「親父こいつやっぱりバカだろ」

「やっぱそう思うよな、でもこいつ学校のテスト80点以下取ったことほとんどないんだぜ。腹立つよな」

「へぇすごいですね!アキラさん」


称賛の声以外うるさい

大体学校のテストは予習と復習と授業をしっかりすれば普通に点はとれる

そもそもハルマは学校の授業ほぼ聞いてなかったよな


「ハルマせんせー話進めてくださーい」

「お前がテンション下げるから脱線したのに、まあいいや二つ名の話だな」

「スターテスの話でーす」

「ステータスな、まあ置いとけそれは。ないもん話してもあれだし」

「あれって何ですかー」

「うっさい!ホント変わらんな!二つ名な、これは魂に刻まれるもんだと言われてる」

「言われてる?誰が言ってるんだ?」

「神」

「はぁ神?」

「そう神だ、宗教的なふわふわした物じゃなくて本物の神様だ」

「へー興味なーい、特殊能力のほうが知りたーい」

「ハイハイそういうと思った、二つ名はな条件を満たしたとき世界から与えられる能力で、ごく一部に特化した異能だ。つまり魔法に見たいに何でもかんでもできる万能の力じゃない。ついでにその力を隠すのはほとんどできない不便な力さ」

「なるほど一人一特殊能力ってことか、力を隠せないってのは何で?」

「それは獲得と同時に世界に宣言されるからだ。『○○が二つ名『××』を獲得しました』みたいな感じでその世界中に知らされる」

「でもほとんどってことは方法はあるんだな」

「無視できる確率の偶然くらいだ、考えても意味はない」


ハルマは基本的に正直なので嘘ではないだろう。特殊能力『二つ名』非常に心が躍る、条件が気になるが手に入れれば俺も魔法使いの仲間入りか。だがハルマが生きている事とまるでつながりが見えない


「で、なんで二つ名が200年分の寿命を与えるんだ?」


ハルマは若々しくはないがそれでも30代くらいにしか見えない、計算上肉体は200歳を超えていなければおかしいはずだが?


「あー俺も詳しくは知らん、難しいことは考えても無駄だろ?」

「俺に同意を求めないでくれ、天才のことは分からん」


この野郎が昔から考え事はあきらめるタイプだったのを忘れてた、この場で俺とハルマだけなら詰んでいたがこの場には父親に似ても似つかないサクラがいる(ツバメには期待しない)。一縷の望みにかけてパスの相手を変える


「サクラ説明できる?」

「はい任せてください」


賭けに勝った


「そもそも転生者の方々が寿命が短いのは元の世界に魂が引っ張られるから、つまりこの世界に順応できていないからです。そこでこの世界にしかない二つ名を魂に刻むことで元の世界とのつながりを完全に断ち切りこの世界の人間になることで寿命の問題は解決されるんです。他にも方法はありますが、完全にこの世界の人間なる方法は二つ名の獲得しかないんです」


素晴らしい

容姿だけでなく頭もハルマに似てなくてよかった

武力に全振りして、頭使うことには全く役に立たない天命のハルマの娘とは思えない


「他の手段って?」

「ギフトですね、特別な二つ名から与えられる特殊能力です。」

「でも大概弱い」

「お兄ちゃん黙って」

「はい」

「強いやつは強いぞ」

「お父さんも黙って」

「はい」


コントみてぇ


「ギフトは誰でももらえるのか?」

「というよりほとんどそれくらいしか利点が無いんです。強力なギフトは継承者が決まってることも多いですし、ギフトを持っている間は二つ名の獲得が出来ません、何よりギフトは年齢の加速を押しとどめるだけなのではく奪されると一気に年を取って死んでしまうこともあります」


打てば響くように答えてくれる

転生者がギフトを取るとギフトを渡した相手の奴隷になるようなもんか、脅しの材料は自分の年齢ってとこが異世界らしいといえば異世界らしいし、期間が長ければ長いほどへりくだらけりゃいけない。やっかいだな俺は取らんでおこう。


「実際ギフトは最後の手段にしとけ、この国だと『王』くらいだがあそこは国防という名目でひどい環境で狩りばっかさせられる」

「うわぁやだなそれ」

「最初は救済と言って優しくして戦場についたらいじめられる、毎年何人かが脱走して国のはじっこで老人になったり骨になったりして見つかるしな」

「しかも一度老化したらまたギフトをもらっても肉体は元に戻りませんから、万が一二つ名をとれてもすぐ死んじゃうこともあります」


酷い話だ、というか半分詐欺じゃないか?

嫌なことは考えないようにして、二つ名の話にもっていこ。


「話変えるがハルマは何て二つ名取ってんだお前だから『空手家』とか?」

「ふっふっふなんだと思う?当てられたら今日取ってきた獲物の一番いい部分を食わせてやろう」

「獲物?」

「イノシシだ見るか?」


そういって庭側の窓をハルマが開く、


「おぉでけえな」

「わぁ大物だねお父さん」

「うっそだー」


俺たちは三者三様の声を上げた

ツバメは軽く驚き、(そう軽くだ)

サクラは少し嬉しそうに、(そこまで大したことではないように)

そして俺はちょっと冷めた声で、だって元の世界ではあり得ない物だったから

ふふんと鼻をハルマが鳴らした音がした

当然だろう

そこには掘っ立て小屋くらいあるつまり5~6mほどの巨大なイノシシが横たわっていた。


作者も予想外のイノシシフィニッシュ

1章は毎日更新です。


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