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二つ名転生  作者: 薪村 尚也
2章 箱庭戦争
47/111

2-ED

落ちる?(アキラ・トコバ)

ブレる


あぁ、そうだ

俺はここを一度見た

赤で青で黄で緑で白で黒

この空間を見たことがある

そして記憶が正しければ次は


ズレる


それは一人を除いて命の感じられない孤島

それは黄金の中に天高くそびえたつ白亜の塔

それは燃え盛る火山を背に建てられた黒石の城

それは頂上を伺うことのできないほどの竜の大樹


崩れる


あぁ世界はなんてウツクシイ



見上げるは青空

香しい土の香り

最近地面に仰向けに寝ることが多くなったと思う今日この頃


「ここは?」

「何処だ?」

「アタタ……背中痛い」


周りで俺と同じように地面に寝ていたやつらが起き始めた


「うわ!見て!」

「おお!街だ!」

「すごい!村じゃない!」


起き上がって見てみると、目視できる範囲にあちこちから煙を上げる街が一つ

そうか、箱庭には村はあったけど街は無かったからな、約半年ぶりに見る奴らもいるのか?

まあ、なんにせよ俺たちは……


「帰ってきたーーー!!!」



その日

約1000人の人間が王国最北の街テティス近郊に出現した

彼らは誰もが『神隠し事件』の被害者であったとされるが、神隠しにあった空白の時間を誰も覚えていなかったという

ただし理由としては、その事になると急に口を閉ざすからであり、覚えていないのではなく意図的に話していないのではないかと言及されるが、真相は不明である

しかし今回の『神隠し事件』で最も重要だったことは……



「サクラここ何処だ!」

「多分テティスですね。王国最北の街で主要産業は農業と林業で、設立されたのは王国でも2番目で歴史の古い町なんです」

「おう!想像以上の情報量をありがとう!」


今回、街にいきなり全員で突撃すると混乱、もしくは他の世界からの侵略戦争かと勘違いされる可能性があるので少数に分けて向かうことにした。

メンバーは俺、サクラ、クリス、デニム爺さんの四人。

他にも数十名の村人を、食料などを不自然にならない範囲で購入するために順次突入予定。

ベンジャミン、ガラ、ペドロ、ダニエルは残りをまとめている。


この辺りは人が住んでいないのか馬車用の道すらないので歩きづらい。

先ほどのサクラ発言により王国最北の街とのことなので、道が無くてもおかしくはない。

それにしても、最北の街だとしても人の気配が無さすぎじゃないか?

遠くを見通すことのできるほどの平らな土地が続いていることを考えるともう少し街を広げることも可能だろうに……。


「ここは相変わらず気味が悪いほど静かじゃな」

「なんか知っての?」

「そう言えばおぬしはこの世界に来て数週間じゃったな。」

「そのとおり!転生してまさか2日で未開の地に飛ばされるとは思わなかったよ!」

「不運じゃの」

「そうでもないさ、頼もしい仲間が増えた」

「王国北方と呼ばれる土地は呪われているんじゃよ」

「あ、スルーすんの」

「臭いセリフは老人にではなくもっと若い少女に吐くもんじゃ」

「正論だね!」

「話を続けるぞ」


デニム爺さんの話では、北方が呪われた土地なんて言われだした理由は800年ほど年月をさかのぼるそうだ。

現在略して王国といわれる“ペンドラゴン王国”の初代国王であり、“初代勇者”『英雄王』アーサー・ペンドラゴン(俺達がディオネの街であったポープは8代目)

それがこの世界に初めて出現した『悪』との最終決戦の場所として使用されたのが、現在の北方だったらしい。

戦いは熾烈を極め、話によると五日五晩続き、最終的に勇者の勝利に終わったが、代償として北方は呪われた……らしい。


まず戦いの余波で北方自体が大きく浮かび上がった、意味分らんがそのままの意味で、実際にここから北に向かうと“大断裂”と言われる、大陸そのものが持ち上がりそのまま百数十mほどの高さの壁となった絶景スポットがあるらしい。

そしてそこには戦いが終わった直後から異常な進化を遂げた獣がうようよ……。

その後、何度となく王国は開拓のため兵士を送ったが惨敗。

結果誰も手を出せない不思議スポットが誕生したとさ。


実際に呪われたかどうかは不明、でも異常なほど強い生物がいきなり現れたのなら呪われたと考えるのもおかしくない。

その生物たちは執拗に人間を狙うのも原因の一つらしい。

端っこに入っただけでハルマの仕留めたイノシシ以上の怪物を100匹は相手しなければいけないとか。

馬鹿じゃねぇの。


「で、たまにその怪物飛び出してくるから近くに街が作れないと」

「普通の兵士など紙きれのように引き裂く怪物どもじゃ。どうしようもない」

「なるるー。誰も寄り付かない土地か……」

「行くなよ」

「行きません」


でも暇が出来たらレオンを突撃させよう。

アレは殺しても死なんし大丈夫だろ。



そんなこんなで門の目の前に到着。

どうやら町はかなり騒がしい。


「祭りでもあんのかな?」

「どうですかね……私もこの街に来たのは初めてですし」

「聞けばいいのでは?」

「それもそうだな。すんませーん!」

「迷い無く行くの」


俺は近くで屋台の準備を行っている人の良さそうなおっさんに話しかける。

俺の声におっさんは笑みを浮かべながら振り返った。

しかし


「ああ、なんだ…ッ!すまん今忙しい!」

「えぇ!」


断られてしまった!


「早かったの」

「何か分かりました?」

「いや忙しいって断られた、俺もちょっとびっくり」

「なんで?」

「失敗するイメージを抱けなかったから」


これでも最低限、人を見る目はあるので人の良さそうなおっさんにしたんだが、まさか断られるとは……。

うーん鈍ったか?いや目だから濁ったの方が正解か?

しかし……あのおっさん何でいきなり忙しくなったのかね?

俺の顔に何かついてたのか?



「2丁目425……2丁目425………ここか!」


俺たちは目的地に到着する。

というのも今回、テティスの街に俺達が一番に向かったのは理由がある。

それはヤツから招待を受けたから。


目的地は少し小さめの平屋の住宅。

庭がついているが手入れがされていないため雑草がボーボー生えている。

というか全体的に小汚い。

よくこんなとこに招待したな。


「お邪魔しーまーすー」

「なぜ伸ばす?」


そう言いながら玄関のドアを開けると……


「ようこそいらっしゃいました!」

「いきなりどうした」


家の中には二人の男

一人はレオン

もう一人は元“神様”、本名はカミルという

そのカミルがこの世界にありがちな床板を敷かない地面丸出しの床に流れるように土下座行った。

ホントいきなりどうした。

コイツには迷惑ばっかかけられたから土下座されるのは当然だけど。

まあ土下座されるのは嫌いじゃないけど!


「おう、何か謝りたいことがあるんだってよ」


俺が戸惑いの視線をレオンに向けると答えが返ってきた。

土下座した状態で赤髪しか見えないカミルはそのままの状態で器用に胸元から紙の束を出す。


「お納めください!」

「何これ、金?」

「今日の新聞です!」


へー新聞とかあったんだ。

あれ?紙は高いんじゃ?


「新聞か、なかなか珍しいものを持っとるの」

「働き手にコネがありまして……それより謝りたいことがあります!」

「それは見れば分かる、なんだ?気分次第で許すかもしれん」

「それでも気分次第なんですね……」

「新聞の日付をご覧ください!」

「日付け?」


そこには“2月27日(月)”とあった。

ん?


「サクラ俺がこの世界に来たのって?」

「え?4月8日ですよ?」

「だよねー!おい新聞間違ってんぞ!何で過去の持ってきてんだよこのうっかりさんめ!」


そう言って俺はカミルを叩くがカミルは微動だにしない。

それどころか“すみませんすみません”と繰り返している。

イヤ待って

イヤイヤ待って待って

イヤイヤイヤ待って待って待って


「オイ!冗談だろ!なあ!その新聞が正しいなら俺はサクラと11か月…ほぼ1年逃げ出したことになってると思うんだけど!少なくともハルマの中では!」


新聞放り出してカミルに詰め寄るがカミルの言葉は変わらない。


「アキラさん落ち着いてください、お父さんなら私がどうにかしますから」

「えぇぇぇえ!!」


サクラがなだめてくれる中、後ろで奇声が発せられた。

振り向くとクリスが新聞を見て非常に変な表情をしていた。


「どうした?クリス?」

「ひ、日付が、日付がおかしい……」

「確かに2月なのは変だが――」

「――そこじゃない!年度が!新世界歴がおかしいです!」

「おかしい?のか?区切りが良いじゃないか“1000年”って」

「ハイ?!」

「はぁ?!」

「え?」


話についていけない俺にカミルの“すみません!すみません!”という謝罪だけが突き刺さった。



その日

約1000人の人間が王国最北の街テティス近郊に出現した

彼らは誰もが『神隠し事件』の被害者であったとされるが、神隠しにあった空白の時間を誰も覚えていなかったという

ただし理由としては、その事になると急に口を閉ざすからであり、覚えていないのではなく意図的に話していないのではないかと言及されるが、真相は不明である

しかし今回の『神隠し事件』で最も重要だったことは

彼らが神隠しにあっていた期間、ほとんど歳を取っていなかったことであろう。

例外は二つ名を持たない転生者だが、彼らも歳はひどく取っているわけではなかった。

7年前から突然始まり突然終わりを迎えた『神隠し事件』

その真相はまさしく犯人である神のみぞ知るといったところか


新世界歴1000年4月19日


記事制作

担当記者『素破』アレリラ・イチジク

遅れてしまって申し訳ありません。

今回のは単純に打ち込みミスです。(風邪は完治しました)

何処かで埋め合わせをいたします。

そしていきなりですが2章本編完結!

次回の投稿は金曜日

2章番外編行ってみよう!


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