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二つ名転生  作者: 薪村 尚也
2章 箱庭戦争
46/111

2-25 箱庭の外へ

風邪ひいて不十分な投稿になります。

追記をして完成させます。(牧村尚也)

※追記完了、お騒がせしました。(4/24)

「まじでどうしよう」

「本当にどうしようもないのか?」

「だからってこいつを無罪放免にするわけにもいくまい」

「面倒だから手足を数本もらったらどうですか?」

「あの、本人の目の前で足だの手だの捥ぐとかやめてくれません?」

「ゴォォォォォオ!!」

「……王国の法律でもそれなりに認められていることですよ?そうですよね?」

「そうじゃな、王国法の7節じゃったかな?歳をとると忘れ癖が酷くなるの」

「ゴォォォォォオ!!」

「……そういや捕まったスリが刑務所からすぐに出て来たと思ったら、両手首無くしてたとか聞いたことあるな」

「ベンジャミン、おぬしは帝国じゃったかの?確かあそこは強制労働か罪に対応する罰を決めていたの」

「うわ、バイオレンスだなー」

「ゴォォォォォオ!!」

「……そろそろこの馬鹿を起こせ!」


監禁小屋での会議にて、割と真面目な話をしているのだがレオンには難しすぎたようだ。

開始数分で机に突っ伏し眠りこけやがった。

それだけならいいのだが(元々こいつに意見を求めていたわけでは無い)、そのまま公害みたいな音量でイビキかきやがる。

そのまま30分ほど続けてたが流石に無理。

俺はレオンの隣に座る、ある意味一番の被害者、クリスにたたき起こすように命じた。

が、


「無理です。レオンの鎧は叩いたところでその衝撃を通しません」

「ホント迷惑な能力だな、『傲慢の鎧』だったか?」


『傲慢』

レオンの持つ二つ名で(マイナス)の中でも高位な“大罪系”と言われる種類の能力。

なんで『傲慢』で“鎧”なのか分からなかったが、サクラが教えてくれた情報によると。

曰く

正しくは“守る能力”ではなく“選別する能力”とのこと

『傲慢』ゆえに自分に触れる存在を“選ぶ”

選ばなかったものは何であろうと弾かれる


そんな能力である。

毒ガスが効かないのはこのせいであり、そもそも自分を害する物質を通さずに、普通の空気だけを吸うことが出来る様だ。

落とし穴がうまくいったのは、誤って酸素も遮断してしまったor酸素だけ吸った、のどちらかだと思われる。

空気の無い状態で息は出来ないので動けなくなったのか?

酸素だけ吸い込んで酸素中毒になったのか?

その辺は分からないが、少なくともあの時効いたんだし今は良いや。

レオンは無酸素状態にすればどうにかなる、つーか普通の奴なら無酸素状態にすればどうにかなるよな。


「しかし何でレオンさんはこの能力を持っているんでしょう?」

「確かに、コヤツは『悪』と接触したことがあるのかの?」

「どういう事?」

「実はですね、大罪系の二つ名は『悪』との接触でしか発動しないんです」

「?」


サクラが言うには“大罪系”の能力は『悪』といわれる二つ名の影響によって覚醒するものらしい。

これは最初の『悪』が出現してから例外は一度もなく、むしろ世界的な引きこもり(言葉の通りの意味)であるレオンが持っていることの方がおかしいようだ。

レオンに聞いてもいいけど、こいつ自身昔の記憶とか詳しく覚えているタイプに見えないのであんまり意味は無い気がする。


「ゴォォォォォォオ!!」

「叩いてもだめだとなるとほっとくか?」

「でも、起こさないと会議が進みませんね」

「いや、外でやってよ」

「なんだよ、自分の処遇が決まる決定的瞬間に立ち会いたくないのかよ」

「イヤですよ、自分の死刑が決まる瞬間なんて」

「裁判ってそう言うもんだぞ?」


裁判は刑を裁判長が直々言ってくる場所だぞ?

それだけじゃなく、その刑に至った理由を懇切丁寧に教えてくれる場所だぞ?

それに比べたらこの会議なんて、ゆるいゆるい。

それよりもさっさとレオンを起こすか。


「クリス、口と鼻をつまめ。それで勝手に起きるだろ」

「えぇ、僕ですか?」

「お前以外に誰が出来るんだよ?」


クリスはレオンの速度に対応できるので問題ないだろう。

猛獣の口と鼻をふさぐなんて俺はごめんだ。

そう言うと、如何にもイヤイヤという態度でレオンの口鼻をふさぐクリス。

1分経過

レオンは起きない

2分経過

レオンは起きない、顔が赤くなる

3分経過

レオンは起きない、顔がさらに赤くなる

4分経過

レオンは起きない、顔がさらにさらに赤くなる

5分経過

レオンは起きない、なぜか顔が青くなる

6分経過

レオンは起きない、顔が白くなる


「え?死んだ?」

「縁起でもないことを言うな!いいから続けろ」

「えぇぇ……」


7分経過

レオンが起きな……あ、動いた。


「ぼあお!!」


奇声と共にレオン起床

ゼェハァ言ってるのはなかなか貴重だろう。


「何すんだ!」

「会議で意見出せとは言わんがいびきをどうにかしてくれ」

「知るか!」


もっともである。

が、あの音量は迷惑なので……


「なんで俺は立たされてるんだ?」

「お前が立ったまま寝れる人間じゃないと思ってだ」


レオンの椅子を外に出し、起立してもらった。

そもそもこいつの鎧は破ろうと思ったらかなり回りくどい手を使わなくてはならない。

獣がそんな知能あるわけなく、弱肉強食の自然界であれだけのいびきをかけるのだろう。

なら立って寝るなんてやったことないよね!

そう言う意味での起立だ。


「じゃ、会議続けるぞ~」

「なんだよ、まだ終わってなかったのかよ?」

「それがかなりめんどいんだよ。殺したら帰れないし、殺さなかったら村人どう動くか分かんないし」

「じゃあ一旦殺して生き返らせろよ」

「……何を言ってる?」

「だから一回殺せばいいだろ?で、生き返らせると」

「訳が分からん……いや?……」


俺の中でゆるゆると点と線がつながりだした。

これは……?

行けるか?


「レオンでかした、これなら多分うまく良く」

「おう、じゃあ帰っていいか?」

「その前に集めてほしいものがあるんだけど」

「えぇぇぇ」

「何をするつもりですか?」

「子芝居だよ。おい自称“神”協力しろ。死にたくないだろ」

「そりゃあ、まあ」


さてどうなるかね?



その日の夜

急ピッチで作られた木組みの処刑台に一人の死刑囚が運ばれた。

顔は俯いていて見えないが()()の間から見える肌は死人のように真っ白だ。

手は後ろに縛られ、首は木の枷に拘束されている、逃げるのは困難だろう。


ザワザワと村人が騒がしい中、俺は声高に叫ぶ。


「えー静粛に!これより我々をもてあそんだ自称“神”の処刑を行う!」


そう言うとクリスが足元に組み伏せられているソレの顔に布袋を被せる。

その前に


「子供には見せるな!家に連れてけ!」


子供たちを家に帰すように命令する。

人死なんか見せてトラウマになったら困るからな。

命の価値が低いこの世界でどれだけの悪あがきになるか分からないけど。

子供は世界の宝です。


「さてさてさて、長引かせるのもアレだしさっさと行くか」

「はい、とっとと終わらせましょう」

「ベンジャミン!ガラ!」

「おーう」

「………」


俺の呼びかけで壇上に上がる二人。

そう、上がる、のだ。

ガラはともかく膝を負傷し歩くだけでも数年はかかると言われたベンジャミンには不可能なことである。

しかし!どういうわけかベンジャミンの膝は治りつつあるのだ!

数年は治らないとか言われてたのに!

どこいったんだあの診察!


現在ベンジャミンは歩くことが出来るようになるまでに回復。

サクラも“気味が悪いほど早く治ってる”と太鼓判を押した。押された方は複雑な顔してた。

美少女に気持ち悪いと言われるのはきついか。やっぱ二次元とは違うね!


彼らが手にするのはロングソードと言われる騎士剣。

切れ味の特に良いものを用意したので、二人の腕ならスパッといってくれるだろう。

交差するように二人が首に刃を構えたところで俺は村人に問いかける。


「村の住人達!こんなタイミングだが聞いてくれ!この世界から帰る方法が分かった!」


その言葉で村人はざわめきだす。


「何なんだ!」

「教えろ!」

「どうやって帰るの!」


口々に叫びだす住人たちを落ち着けるように、俺はゆっくりと話す。


「いいか、神を殺したら世界が一時秩序を保てなくなる、そして世界と世界をつなぐ空間に亀裂が入る…今回は神の遺体の近くだろう。そしてその亀裂に飛び込めば元々俺たちが生きていた五大世界に戻ることが出来る!」


“おぉぉ!!”と、どよめく住民たち。

中には泣き出している奴もいた。

こんな感動的に空気に水を差すのもあれだが、言っておかなければいけないことがある。


「最後に聞いてくれ。この世界から脱出したら当たり前だけど戻ってくることは出来ない。それでもいいか?」

「「「「おう!!」」」」


え、満場一致?

アレレ?戻りたい派は少数では?

というか少しは迷えよ、ここでのどうやってこの世界をあきらめさせるかが一番面倒くさいと思ってたんだけど。

……まあいいや、話が早いに越したことは無いし。


「良し!やれ!」


ザシュ!


俺の合図で剣は振るわれ、首に被せた袋はゴロリと転がった。

赤い染みを滲ませる袋をクリスが拾う。

その時、首の取れた死体が動いた。

いや、正確には動かされた……かな?

力なく横たわるはずの死体は、背筋をピンと伸ばし、固まる。

死後硬直にしては明らかにおかしいソレから何かが軋むような音がした。


次の瞬間、世界にひびが入る


空間が大きく縦に裂けていく様は、そこに存在するはずのない氷かガラスにひびが入るようで、


「すっげ……」


思わず声が漏れた。



“ヒュルル、ヒュルル”と音がして空気がひびに向かって抜けていく。

それを合図に俺たちは動き出す。


「親は子供たちを抱えて体に縛り付けろ!家財道具は必要最低限でいい!このひびがどれだけ持つか分からない以上迅速に行動しろ!」


俺の言葉で堰を切ったように動き出した村人。

クリスは持ちだす薬草を、ベンジャミンとガラは武器を、片手に持ちつつ焦る住民たちを指揮して列に並ばせている。

サクラは子供たちを落ち着かせているのかな?しゃがみ込んで話しているようだ。

デニム爺さんは大量の紙をもって俺の隣に立った。

2分経つか経たないかの間に村人たちは列に並ぶ。


「これで全員かの?」

「ひーふーみーよー……じゃあ行くぞ野郎ども!」

「ホントに数えたのかよ?」


疑問の言葉を背中に聞きながら俺はひびに向かって一歩踏み出した。



大きく割れた空間とそこに飛び込む村人たちを岩山の頂上から見つめる者がいた

一人はレオン・ハザード

一人は“元”神様

つい先ほど首を斬られたはずの彼は生きていたのだ


「レオン・ハザード。君はどうして彼についていくことにしたの?」

「面白そうだから」

「……君とはそこまで深い付き合いがあるわけじゃ無いけど、言ってもいい?君らしいね」

「ああ、俺は俺だからな」

「そうか、そうだね。じゃあ僕も僕だ」

「何言ってんだお前?」

「他人の目を気にするのはバカらしいって事さ」

「?」

「分からないならいいけど。それより早く行こう、置いて行かれる」

「それはヤバいな」


そう言うと神様は片手を横に突き出し力を込める

すると空間にひびが入る


「行こうか?」

「俺に命令すんな?」

「なぜ疑問形?」

「なんかそう言った方がカッコいいって、アキラが」

「……彼ともそこまで深い付き合いがあるわけじゃ無いけど、言ってもいい?彼らしいね」

「そうなのか?」

「そうだとも、さあ行こう」


そう言って“元”神様と“元”ひとりぼっちは出来たばかりの大人の背丈ほどのひびに飛び込んだ

月曜日の投稿は無理かもしれん。

次回投稿は未定です。


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