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二つ名転生  作者: 薪村 尚也
2章 箱庭戦争
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2-18 レオン・ハザード攻略戦Ⅳ

アキラさん、どうかご無事で。(サクラ・クイート)

「石はもういいとして、次は何話そうかなー?」

「順番的に落とし穴では?」

「それもそうかー」


クリスのフォローで決める種明かし。

ちなみにクリスは作戦全部知ってます。でも、先に説明してくれませんでした。

別にいいけどねー、最終的には俺がレオンの前に出る必要があったんだし。

でも話くらいしてくれてもいいと思うんだ。


「落とし穴な、アレ何が変だか気づいた?」

「……毒煙か。あ、そうだ!アレなんだよ!俺に効く毒なんて初めてだぞ!」」

「まあ、半分正解だな。毒ね、別に大したものじゃないぞ。ちなみに穴の中はどうなっていたでしょう?」

「あ?」


凄まんといて。


「えーっと……地面が燃えてた」

「正しくは地面に設置した草です」

「そうソレ。それで煙だらけだったな」

「もっと言えば煙しかなかったんだよ」

「は?」


うーん説明が難しいな。

コイツが理科の教科書くらい読んでたら分かりやすいんだけど。


「レオン。まず空気とはなんだ?」

「なんだ?難しい話はヤダぞ」

「正直でよろしい。でも聞け。空気とは窒素、酸素、二酸化炭素、その他大勢で構成されるものである!」

「その他ってなんだ?」

「言っても理解できないから言わない。それともなんだ、アルゴンとか、ネオンとか、オゾンとか言われて分かるのか?俺は無理だぞ!」

「俺も無理だ!」

「なんて堂々とした当たり前の主張……」


ナンデアキレテンダヨ。


「いいか、人間が呼吸するうえで必要なものは酸素と言う物質だ、それが無ければ人間生きていけない。だから今回は穴の中の酸素を奪った。空気の出入りが無い密室で火をつければ自然と酸素は無くなるからな。ついでに煙も出て穴の形も隠せるしな」


今回レオンが嗅いだ匂いは地面に設置した草から発生した二酸化炭素である。

じゃあなんで二酸化炭素をレオンは毒と勘違いしたか。

これは憶測だが、こいつは酸素の無い状況で酸素を吸おうとしたせいで息のできない状況になっただけだと思う。

罠にかかる→息ができない→毒!

と、勘違いしただけ。馬鹿だね!

ちなみに上から落としたガス兵器はデニム爺さんとベンジャミンが作ってくれたやつです。

ベンジャミンは『二度と関わりたくない!』と断言していました。

材料がちょっと“アレ”なので言いたいことは分かる。

まあ、今回は時間ギリギリだったから酸素を全部使うまでに落としてしまったけど。(だから火が付いたままだった)


「穴の形?」

「簡単に言えば円錐型かな?円錐ってわかる?こうピラミッド……は分からんよな……。山みたいな形だと思ってくれ。上に向かって穴が小さくなっていく形だ」

「なんでそれがバレるとまずいんだよ」

「お前が高く飛ばないからさ」

「?」


今回の核の一つとなった落とし穴の役割は三つ。

1、単純に足止め

2、レオンに効くガスがあると錯覚させる

3、レオンを高く飛ばせるための仕掛け

である。

制作はペドロ先生。

“一人で作ったので詰めが甘い!”と嘆いていたが、ぶっちゃけ形さえ完璧なら後はどうでもいいです。

仕掛けは遠近法を利用したトリックアートみたいなもの。

実際は5mの穴を10m~15mくらいに見せるだけの仕掛けである。

上に行けば行くほど小さくなる穴はそれだけで距離感を狂わせ、大量の煙が穴の形を分かりづらくする。

仕掛けをばらすと単純だが……考えてみてくれ10mの穴に落ちたことがあるやつはいるのか?

普通はそんなのに落ちたら死にます。

俺は大体同じ高さの3階建ての学校の屋上から落ちて死にました。

そう言うわけで意外とバレなかった。ラッキー。

レオンが上に高く飛べば、それだけの時間俺は走れるし、何より遠距離からレオンを攻撃できる。


「遠距離攻撃?」

「ぶつかっただろ。石?岩?……まあ岩石だよ」

「ああ!あの飛んできた石な!なんだあれ?」

「アレは岩の上に配置したダニエルの攻撃です」

「そう言えばいたなそんなの」

「アレは簡単に言うと“ハンマー投げ”に近い。石に紐をつけてブン回して投げる。普通なら当てるどころじゃないが、ダニエルなら二つ名の効果で当たるしな」


そう、ダニエルなら当たるのだ。

ハンマー投げで投げる石を空中にいるレオンに当てることが出来るのだ。


『目視する対象に自身の力で発射するものを必中させる能力』


それがダニエルの『射線』の能力。

もっとも、ぐるぐる回った状態で目視することが出来るかは不明だったが、昨日の夜の特訓で“投げる瞬間に視界に入っているなら当たる”と言う事が分かった。

とはいえ、レオンがどれだけ飛び出すか不明でいつ飛び出すかも不明だったのだ。当てるのは至難の業だろう。

レオンの髪は金と銀のまだらで長髪、非常に目立つので見つけるのは容易だがぶつけるのは難しかったはずだ。

ホント今回のMVPは彼だと思います。


「そう言うわけで彼には良い酒を渡しときなさい」

「渡してどうするんですか。アイツはまだ8歳ですよ」

「はあ?!」

「この世界で実年齢と外見が一致しない事なんて珍しくはないですよ。ペドロだって見た目は40代ですが実年齢は28歳ですよ」

「嘘だー!!」


俺の中で常識が色々崩れていく音がした。

転生なんかしている身なので常識うんぬんは最低限言うつもりはないが、その最低限がぶっ壊された気分だ。


「どうでもいいから話続けろよ」

「そうですよ。僕はさっさと帰りたい」


俺の常識はどうでもいい事らしい。


「はぁ、じゃあ続けますよ。次何だっけ?」

「森中の煙だな!アレなんだ?」

「ただの煙」

「森中に毒ガス撒く余裕はうちには有りません」

「はあ?」


先ほど言ったが、レオンが酸欠を勘違いしただけなのでレオンに効く毒は実在しない。

なのでレオンが穴の中で嗅いだ匂いというのはただの植物が燃えた煙である。

今回はそれ森中に煙を撒き散らしただけである。


「でもよ、どんだけ火を着ければあんなに煙が出るんだ?」

「アレは簡単な話だ」

「煙の大量に出る植物に火を着けただけです」

「毒吐くヤツはあったけど、ただの煙を吐くのは有ったのか?」

「無いですよ。あっても火が着きにくいのでひと手間加えたんです」


昨日


「この植物は茎の部分に毒素を多く含んでいます。そして毒素は水分に解けているんです」

「つまり煙を出す部分と毒を出す部分が一緒になってるって事か」

「察しがいいですね」


今回使用するのは前回の戦争で使った毒煙を大量に出す植物だ。

それを利用して、ただの煙を大量に出す植物、もとい薬物の制作をお願いした。

が、制作は難航。

結果、ただの煙を少し多めに出す部分と毒のある煙を大量に出す部分に分かれた。

ちなみにどっちも燃え辛いらしい。

乾燥させれば違うらしいが今は時間が無い。


「そこで今回はこれを使いましょう」

「アルコール!」


そう今回は燃え辛い植物にアルコールをぶっかけて使いました。

ご存じだろうがアルコールは燃える。

アルコールランプがあるのだ、当然のごとく燃える。

この薬局、衛生管理の問題とか言ってアルコールを抽出していたらしい。

効果があるかは知らんが、酒があるので出来ないわけではなかったようだ。


「おぉ、やっぱり燃えるな。ゲッホ!」

「これなら問題なさそうですね。ゲッホ!」

「目がかゆい!」

「「「「ゲッホ!ゲッホ!ゲッホッホ!」」」」

「窓開けんかい。馬鹿垂れ共」


室内で燃やしたせいでみるみる内に煙が充満して非常に煙かったが、些細な問題だろう。

ベンジャミンが恨みがましい視線を向けてきたが、些細な問題だ。

今回の煙はこれを利用した。



「だからあの煙変に毒臭かったのか」

「まあ、人体に影響はないだろうから大丈夫だろ」

「いや?あの程度でも弱ってる奴なら効くと思うぞ?」

「………そう言えば兄さんが目がかゆいのが全然取れないって文句言ってきましたね」

「……まあいいや、次!」


俺の良い所は過去を引きずらないことだ!

例外はハルマが死んだときの事だけだ!

後は花梨の事とか凍夜の事とか……思ったより多かった!

でも気にしない!

次!


「あと何が残ってたかな?」

「こんなものでは?」

「そう言えばアレは何だったんだ?」

「アレ?」

「上から降らした奴」

「ああ、ダチョウの卵な」

「は?」

「お前今日“は?”って言ってばっかだな」


アレはダチョウの卵の中身を抜いて煙入れただけの代物だ。

ダチョウの卵は堅く大きいので穴を開けやすいのだ。

ちなみにデニム爺さんとベンジャミンは中身を抜く作業をしてもらった。

デニム爺さんが中身が生まれる直前かそれ以外に分類し、ベンジャミンが抜く。

問題はデニム爺さんが10個に1個くらいの割合で間違う事だ。

中身を抜くには、穴をあけて中身を棒でぐちゃぐちゃにしなければならない。

間違ったヤツに穴をあけると……まあ、半熟っていうか、もうすぐ生まれる、みたいな状態で出てくる。

つまり大変グロイ。

ベンジャミンは二度とやりたくないそうだが、こんな爆弾を作る機会が何度も無いのでそこは安心してもいいだろう。

イースターとかはどうするのかな……。


「まあ今回はこんなところで、じゃ最後の勝負と行こうか」

「最後の勝負?」

「レオン俺の格好見てどう思う?」

「え?」


俺の格好は、緑の外套、借り物の服上下、靴、以上だ。

どこからどう見ても普通。

それを見てレオンは首をかしげる。


「何か変なのか?“こうでね―と”とかは分からんぞ?」

「じゃあヒント、今回の勝負の決着は?」

「捕まえる事」

「それはお前の、俺のは?」

「湖に飛びこ…あー!!」


気づいてくれたようだ。

そう、俺の服は全く濡れていない。

服を着替えたとかではない、簡単に言うなら俺はまだ湖の飛び込んでいないのだ。

この勝負の決着はまだついていないのだ。


遅れてすみません。

次回レオン・ハザード攻略戦完結!

思ったより長くなったよ!

ちなみにこっちとは違うパターンもあるので時間が出来たら丸ごと書き直すかも?

次回は水曜日更新予定です。

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