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二つ名転生  作者: 薪村 尚也
1章 墜落少年
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1-8 この世界における現代知識の立ち位置

ようやく見つけたぞ。兄貴に報告だ!(thief)

※今回前半はアキラの思考が多めとなっております、読みづらかったら感想でお知らせください


「良し通っていいぞ!」


門についてから20分ほど過ぎてようやく街の中に入ることが許された。

ツバメやサクラは顔見知りらしい門番は俺のことをじろじろと見ていた、サクラが仕入れた情報によれば大型組織の犯罪者が逃走中らしくいつもより警戒態勢が上がってるとのこと。

お勤めご苦労様です!

と思いきや……


「(おい!誰だよアイツ、俺たちのアイドル(サクラちゃん)と馴れ馴れしくしやがって)」

「(馬鹿聞こえるぞ!)」


聞こえてるぞバカ

どうせこんなことだろうと思ったけどね!どの世界も仕事に積極的なのは新人くらいらしい。まあ評判の美形兄妹に変なのがついてきたら驚くはな。

そんなこんなで馬車は進む、馬車を預かってくれるところがあるらしくそこに向かっているとのことだった。

ハルマ達がいた村は木造の建物ばかりだったので勘違いしていたが、やはりというかなんというかこの世界では石作りの建物が支流らしい。街中を走る馬車から外を眺めているが今のところ石造りの建物しか見当たらない。

転生ラノベ風に言えば“中世ヨーロッパみたいな街並みが広まっていた”かな?実際の中世ヨーロッパがどんな街並みかは知らんけど。

これは俺の考察だけど、おそらくこの世界は産業革命と呼ばれる出来事が起きてないんだろう。人力から機械へと移り変わる歴史のターニングポイントだがこれはこの世界には今だ来ていないのか、それとも来ないのか。それは分からないが、この世界に大量に投入されている転生者は何をしているのか?技術くらい伝えろよ。

しかし少し考えてこの考えを俺は否定する。『しない』のではなく『できない』のだろう、そりゃそうだ天才ならいざ知らず元の世界の技術を文明を理解していると言い切れる奴が何人いる?俺は全世界で数えても5桁はいかないと思う、その5桁は全員天才だ。

例えば雷、今でこそ電気の塊だとわかっているがその話を中世ヨーロッパの人間に話しても理解できないだろう。雷は『神鳴り』から来たともいわれるくらの話があるので、昔の人から言わせれば十分魔法や妖術の類なのだろう。

例えば地震、今でこそプレートの動きによっておこる現象だと知られているが、昔の人からすればそれは、神の怒りで、災いの始まりだったはずだ。

前置きが長くなったがようするに俺たちは偉大な先人の整えた道を歩いているだけで自分では何もしてないんだって話。

開拓すらしてもいない、試行錯誤もやっていない人間に文化や技術を広めろという話の方が無理だろう。特に魔法という便利機能が無いこの世界では俺たち未来人は手も足も出ない。ラノベはやはりSFなのだ。……


「いえ、それは違いますよ?」


そんな話をサクラに街への道中したら帰ってきたのはこのセリフだ。

実はこの世界何度か産業革命が起ころうとしたらしい、しかしどれもこれも失敗しかしていないそうだ。

まず電気だが、実はこの世界磁石というものが無いらしい。正しくは、有るには有るのだがどれも弱弱しいものしかなく砂場の砂鉄を集めるのも満足にできないらしい。

そこで500年前物理学者を名乗る男が強力な磁石を作ろうと自分の知識や自然現象、二つ名すら使って試行錯誤したがすべて失敗。彼を看取った人の話では『この世界は似ているだけだ!!』と言って憤死したらしい。

その100年後、彼の著書に感銘を受けた「ペール」という青年が雷から強力な電磁石を作ろうとして雷に打たれて死亡、滑稽話「ペールの命知らず」として全世界に広まり誰も挑戦しなくなったとか。

次に現代兵器だが、こちらは何例か成功しているらしいがどれも二つ名による制作で制作者は誰も詳しい理解ができていないらしい。

運用にも問題があるらしく、まず火薬の作り方を知っている人間がほぼいない、なまじ知っていても材料が見つからない、見つかったとしても値段は高い、こんな有様で弾丸を用意することすらままならない状況らしい。

運よく弾丸を用意したとしても向ける相手が悪い、この世界の動物は規格外に強くオオカミは弾丸をよける、クマは弾丸が効かない、イノシシに至っては分厚い頭に弾丸をはじき返され帰ってきた弾丸で死んだ例もあるらしい。

かといって人間相手には効くのかと言えば、実は微妙らしくこの世界の人間は基本的に身体能力が高い(そういえば俺はサクラにかけっこで負けた)らしく、鍛えるなりすれば銃弾位なら結構躱せるようになるらしい。あれだ、分かりやすく言えば修羅の国の人だ。さすがにハルマ級は滅多にいないらしいがそれでもいないわけではない。

他にも銃の暴発で死んだり、とんでもなく強い相手に銃を撃つ前に近づいて殺されるなど、この世界では『銃は全く割に会わない兵器』という評価らしく、使っている人物は滅多にいないらしい。

他にも鉄道を走らせようとして失敗し大爆発したことや、今はない滅んだ国が戦車を作って進攻しようとしたら爆発して軍隊丸ごと壊滅したこともあるらしく、総括としては『現代知識は無駄知識』とのこと。爆発ばっかだな。

しかしこの世界でも物理公式は通用するらしく、転生した学生が持ち込んだ教科書が広まり一定以上の教育は常識として広まっているらしい。サクラも物理くらいは理解している(ツバメは論外)。

鉄道や車もこの国ではないが先進国で開発に成功しているらしく一部では実用化され、いずれは世界に広まる可能性もある。

現代の知識を持ち込み続けた転生者は決して無駄ではなかったようだ。転生者の先輩方バカにしてすみませんでした。


「アキラさん!着きましたよ!」

「おわっ!」

「やっと反応してくれた、どうかしましたか?」


一人で考え事をしている間に目的地についたらしい。降りるとツバメと春菊の姿が見当たらない、すでに降りて馬を預ける手続きをしているのようだ。


「おおい!サクラー預けてきたぞー」


言ってるうちに帰った来た


「お待たせ!」

「お待たされ」

「お前は待たなくてよかったのに」

「そんなこと言うお兄ちゃんはお昼抜きです。アキラさん行きましょう」

「ごめんなさい!」


謝るの早!

そう言えば今日の昼飯は何も言いていないけれど、どこで食べるのかな?

サクラに手を引っ張られていると、良い匂いが漂ってきた。

この先の角から匂ってくるようだ。それだけでなく多くの人の声や食材を炒めているのか何か焼ける音がした。

連れてこられたのは活気ある大通り、屋台がぎっしりと並んでおりお祭りみたいだ。もしかして?


「今日のお昼ご飯は食べ歩きでーす!」

「いえーい!」

「やっほー!」


予想通りだ!

とはいえうちの近くの神社で祭りが開催されなくなって、こういう屋台村みたいなのを利用するのも久しぶりだ。文化祭はそもそも屋台自体やってないし、学校の校区内でも祭りはやっていたが一人でいくのもね……。


「はいアキラさんどうぞ」

「おばちゃんこれもう一個くれ」


いつの間に買ったのかサクラが揚げ物を渡してくる。

ツバメは同じものを注文しており、売り子のおばちゃんが顔を赤らめている。イケメンってむかつくな、でもよくよく考えるとこいつサクラに人数分買ってもらえなかったんだよな。んープラマイゼロかな?

サクラの買ってくれた揚げ物はコロッケみたいな見た目でもちもちした触感だが味はサツマイモに似ている不思議な揚げ物だった。揚げているのにもちもちだ、視覚とのミスマッチ感がいいね!

その後何軒かはしごしたがどの食べ物も日本では食べたことが無いものばかりだったよ。



「いやー結構食ったな。」

「はい、お腹いっぱいです。」

「俺はもうちょっと食べたいかな?」


三者三様の答えを出す俺たちは大通りを抜けた先の広場に設置されたベンチに腰かけている。

広場はかなり大きく何組かの親子連れや友達グループみたいなのがちらほら見える。あっカップルがいる!死ね!

広場にも何店か屋台があふれ出しているようで焼き物や揚げ物の匂いが漂ってくる、どうやらこれから開店するのか骨組みを立てている人も見える。商業許可とかどうなってるんだろう、フラっと来てフラっと商売するんじゃないよな?


「ん?」

「どうしたアキラ?」

「どうしました?」


背中を伸ばそうと伸びをして気づいたがベンチの後ろに掲示板のようなものある。そこにはなかなか興味深いものが書かれていた


〈〈WANTED〉〉


日本語訳でお尋ね者、どこにでもいるんだねこういう犯罪者。その張り紙には何人かの詳細な情報と賞金、そしてご丁寧に似顔絵も描かれておりそこには『いかにも強面』っという感じの顔が描かれていた。


「賞金首か?やめとけかかわってもいいことないぞ」

「賞金は魅力的ですが広大な世界で探し切るのは無理ですしね」

「常識的なこと言うね、まあ俺も賛成だけど。けど俺が見てたのはこっち」


そうして指さしたのはお尋ね者の名前の所、そこには……〈〈『貨車』のスクーレー〉〉〈〈『怪腕』のグローブ〉〉〈〈『飛針』のヨウ〉〉……などと書かれていた。


「二つ名を見てたんですか?」

「ピンポーン!正解。将来取らないと色々マズいから知識として持っとこうかと」


どれも二文字の二つ名だが、持っておいて損はないだろう。

この世界は名は体を表すを地で行く世界だ、どうやって取ったかは分からないが、どこまで二つ名は許容するかが分からない以上知識は多い方が良い。

そんな説明をするとサクラは納得してくれた。ツバメは首をかしげていた。



「良し!そろそろ取ってくるか!」


なぜか人が増え始めたころ、突然ツバメはそういうとどこかに走っていった。

俺は不思議そうな顔をしていたのかサクラが答えてくれた。


「アキラさん、お兄ちゃんは荷物を取りにいたんですよ。」

「え、なんでこのタイミングで?」

「実はここでお店を開くからですよ。」


サクラは俺の驚いた顔を見たんだろう、嬉しそうにニコニコと笑っていた。


「この広場は3日に一度、午後から自由市が開かれるんです。私たちはそこでお店を開くんですよ」


そう言えば骨組み組んでる人がいたな。

納得した俺は覚悟を決める。

一宿一飯の恩を返すときだ、高校ではボッチだったがここからは商売頑張るとするかね。



雑踏に紛れる、何かから逃れるために

自分はいったい何から逃れようとしているのかそれすらも男は分からない

男の最後の記憶はとてつもない恐怖だった

アレはなんだったのか?いや答えは知っている、目を背けただけだ

『悪』だ

この世界の歴史には明確な勝者と敗者が存在する

この世界を自らの旗で染め上げようとした者、そしてそれを防いできた者

後者は“勇者”とその一行、この世界の守り手にして勝者

では前者は?その答えはその辺の子供にでも聞けばわかる

『悪』この世の(マイナス)の頂点に立つものにして大罪を率いる者

そして男に恐怖を与えた者

男は知った、その力が伝説ではないことを

裏社会で一定の力を持った男を、臆病者に変えた

多くの人間を肉塊に変えてきた男を、敗北者に変えた

自らの率いた組を代償に得た情報は男を、逃亡者に変えた

男は逃げる、隠すには大きすぎる体躯を縮こませながら

男は逃げる、二度とそれに見つからないように。

男は逃げ「あー!おい見ろツバメ、賞金首のグローブだ!よし行け捕まえてこい!」




次回は短くなる予定です。

初戦闘シーンに苦戦しています。

1章は毎日更新します。感想をいただけると嬉しいです。

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