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先生の断り方  作者: Catch262
12/12

結果

最終回です!お楽しみください!

 零咲は友子に全て話した後このままでは駄目だと思い学校に行こうとした。けれど足が動かなかった。零咲自身は行こうと思っているのに足が言う事を聞かない。


 そして零咲は諦めてまた布団に潜る。その時扉からお母さんの声が聞こえた。


 「そろそろ学校行きなさいよ。単位やばいんじゃないの?」

 「分かってるよ。でももう少し休ませて」

 「出来るだけ早めにね」


 もう少しと言ったがいつになるのかは分からない。もしかしたらその日が来ないで退学になっているかもしれない。けれどもうそういう次元だった。


 誰かの顔を見るのが怖い。心を悟られるのではないか。それだけが怖かった。そして、逆も同じだった。


 零咲は寺前とよく話そしてその心理学(ちから)が身についてきていた。要は零咲も心理学を使えるようになってきていた。零咲も寺前ほどでは無いが相手の気持ちや思っている事が分かるようになってしまった。

 それは自分だけでなく相手を傷つけてしまうと分かっている。現時点で今それで零咲が苦しんでいる。被害者を増やしたくないと思っている。


 すべては入学式で寺前先生と目が合ったから。あの日、目を合わせていなければ零咲は今も学校に居たのだろう。


 その日の夕暮れ。1台の車が家の前に止まった。最初は担任が家に来たのかと思ったが、車を見た瞬間その選択肢は消え一つの答えしか生み出さなかった。


 車から降りてきたのは間違いなく寺前先生だった。零咲はカーテンの隙間から覗く。寺前先生が家に入って来るのが見えた。


 今寺前先生に会ったら全てを悟られる。嫌だ。零咲は布団に潜る。二つの足音がこちらに向かってきているのが分かった。

 そして零咲の部屋の前でその足音は聞こえなくなる。そしてお母さんの声が聞こえた。


 「こちらが零咲の部屋です」

 「わざわざありがとうございます」

 「あの子には元気になって早く学校に行って欲しいのでね」

 「そうですね。そうできるように説得します」


 誰のせいでこうなってるだ。と突っ込みたくなった。


 トントン


 部屋のドアを叩く音がした。もちろん零咲は返事をしようとしない。けれど鍵はかかっていないので入ることは容易だろう。


 「......入るぞ」

 

 寺前は零咲の部屋に入ってきた。零咲は布団に潜ったままだった。寺前は椅子に座り話始める。

 

 「そのままでいいから聞いてくれ」

 「......」

 「相槌も何もいらない。ただ聞いてくれ。今日は少し話に来た」

 「......」

 「まずは、零咲、悪かった。俺のせいでこうなった事。これは謝っても許されることじゃないだろう。けれど謝らせてくれ」

 「......」

 「俺は心理学者だ。嫌でも相手の思っていることを読み取れる。これは一種の病気かも知れないな」

 「......」

 「それを盾に生きていた結果が、今の状況だ」

 「......」

 「自分は相手の思っていることが分かるからわざわざ口で言わなくていい。そう思ってた。けれど本当にそうなのか。事実確認はしなかった。心理学が失敗してると思っていなかったからだ」

 「......」

 「けれど......零咲の場合は失敗してたみたいだな......」

 「......」

 「その失敗に気付く事が出来なかった」

 「......」

 「けれどその失敗を教えてくれたのは零咲自身だ。ありがとう。そしてごめん」

 「......」

 「話は以上だ。明日からは学校に来てくれ。俺は学校を去るよ。こんなの問題だもんな」

 「......違う」

 

 零咲が口を開いたことに寺前は驚く。


 「私が......恐れてただけ」

 「けれどそれは俺のせいだ。やめて当然だろ」 

 「やめたら......私が学校を行かなくなった意味が無いじゃん」

 「それはどういう......」

 「ほら、悩んでるしょ。一切心理学なんて使ってない」

 「......」

 「こうやってずっと家に居たら来るって思ってた。それは誰かの助言を貰ったりしてちゃんと全てを気付いて......」

 「それで、わざと......」

 「嫌でも相手の事が分かってしまうんじゃなかったの?違うじゃん。今ちゃんと相手について悩んでるじゃん。だからもう大丈夫」

 

 零咲は布団から顔を出す。


 「私こそ、ごめんなさい。迷惑かけたよね」

 

 寺前はその瞬間零咲に抱き着いた。


 「......ありがとう」


 


 次の日、零咲は普通に学校に登校してきた。そして昼休み屋上に行った。


 「やっと出てきたか」

 「お久しぶりです」

 「零咲が戻ってきたと言う事はあいつも元に戻ったかな」

 「多分戻ってると思いますよ......翔先生。色々と迷惑を掛けましたね」

 「そんなことねえよ。というか礼を言うのはこっちだ。寺前を元に戻してくれてありがとう」

 

 翔は零咲に頭を下げる。零咲は慌てて顔を上げようとする。


 「それじゃ私は数学準備室に行かなきゃなので」

 

 零咲は数学準備室に向かった。そして扉をノックして中に入る。


 「寺前先生。もう1か月終わりましたけど、勝負の結果言いますね」

 「そんなこともしていたな。もう随分前だろ」

 

 零咲は一呼吸置いた後口を開く。


 「寺前先生。これからもよろしくお願いします」


 ここまで見ていただき誠にありがとうございます。最初は小説勝負と言う事で書いていた小説ですけど最後の方は勝負を忘れて楽しく書いてました。

 まさか、完結できるなんて思っていませんでしたよ。2作品同時進行なんて可能なのか。それが一番不安でしたけどなんとかなりましたね。

 また、この話はここで終わりです。続きは想像にお任せします。

 

 感想お待ちしております。よければブックマークもお願いします。


 それではご視聴ありがとうございました。次回作または魔女の364日をお楽しみください


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