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詩集  作者: 新村彩希
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鋼の蜜

きっと きっと 前へ進めないのなら

ここでもう終わりでしょう

心がぼろぼろに崩れさって

二度と戻らないでしょう



もっと もっと 足を進めたいけど

自分が抑えてしまうでしょう

心に皹が入って割れて

二度と戻らないでしょう



心は 甘く 幸福という蜜に溶かされて

そして だんだん 小さくなっていくのです

刺激が 酷く 突き刺さるように毎日あると

おそらく だんだん 壊れていくのです



だれか だれか 蜜をおくれ

傷口など治せないくらい浸して

もういっそ消えてなくなるように

甘い甘いその蜜を

時期に 時期に 錆びてしまう

ざらざらで触り心地も良くなくて

もういっそ消えてなくなるように

甘い甘いその蜜を





いつか いつか 聞いたことあるんだ

固い固い鋼の蜜

どんなことも溶かすけど

重要なものはそのままらしい



だけど だけど 忘れてしまうんだ

甘い甘い蜜のせいで

忘れてはいけないことまでも

溶かされ汚されそのまんま


心は まるで 風船にように膨らむけど

どんなことでも すっぽり包んでくれるけど

放置すると 爆発するから鋼の蜜を

かけて かけて コーティングして




だれか だれか 蜜をおくれ

希少だという鋼の蜜をおくれ

何かをしても壊れてしまわないくらい

強い強いその蜜を

心にかけて 化学反応起こして

異質ではあるけどさ

それでも それがなくちゃ生きていけないんだ

怖い怖い 鋼の蜜


まるで酔ったみたいだ

まるで死んだみたいだ

まるで切ったみたいだ


恐ろしいね


鋼の蜜




だれか だれか 蜜をおくれ

狂ってしまうくらいには大好きだ

それで心が溶けていると知らずに

人は錯覚をする

それを人は“幸せ”と呼んだ

無意識に自己犠牲してると

知らぬままに

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