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詩集  作者: 新村彩希
20/30

世界は笑っている

いつだって世界は笑っている

私たちに向けて挑戦するように

不適な笑みを浮かべている


負けたくないと思うけれど

その勝負はきっと逃げ出したくなる

匙を投げて「もう無理だ」って

この世の果てまで消えたくなる


止まりたくないと思うけれど

進む足をきっと休ませたくなる

わざと転んで「すみません」って

罪悪感から言いたくなる



いつだって世界は笑っている

私たちに向けて嘲笑うように

憎らしい笑みを浮かべている


見えない壁に押し潰されて

心もからだもぺしゃんこになる

いつ立ち直れるのか分からないのに

課せられる仕事は増えていくばかり


突き刺さる視線に傷つけられて

心もからだもボロボロになる

まだまだ痛くてたまらないのに

塩を塗り込んでは新たな傷を作っていく



いつだって世界は笑っている

私たちに向けて包み込むように

聖母のような笑みを浮かべている


私たちの記憶を慰め

からだや心を癒し

すこし休憩を与えてくれる

とても居心地がよかった


過ごしやすかった



聖母、つまり、それはあなた

あなたは不適にも憎らしくもなることが出来る


世界、つまり、それは人生

世界は一つのみ、しかし内容を変えることは可能である



いつだって世界は笑っている

そのときあなたも笑っている


あなたが笑っているとき

世界ははじめて色付き始める

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