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「パーフェクトチーム」


「さすが、真理の騎士No.75エアリア・シューデンベルグ。やるじゃない」


 何者だ?

 物陰から人が出てきた。

 三人ほど。


「ちっ、アル、お前は隠れてろ」


 エアリアが小声で僕に言う。


「分かりました」


 僕も小声でそう言い茂みの中に隠れた。


「何のつもりだ。誰かの差し金か?」

「概ね当たりってところかしら」

「一つ聞こうか、お前たちを仕向けたのは誰だ?」

「それ教える必要ある? ここで死ぬのに? ギャハハ」


 女はそう言った瞬間。ロケットランチャーをエアリアにぶっ放った。


「グっ」


 エアリアはそれを素早い動きでかわした。


「レイ、モイやつを仕留めて」

「あいあいさー」


 レイと言われるやつは剣を。

 モイと言われるやつは銃をそれぞれ持っている。


 3対1……。これはまずい。

 僕も参戦するべきだろうか?

 だが、僕には戦闘技術がないし、下手に助けようとして足手まといになる可能性もある。

 そうなるなら物陰でじっと見守るのが一番正しい選択かもしれない。


 風が強くなってきた。

 レイと呼ばれる者は剣を、モイと呼ばれるものは銃をそれぞれ構えた。


「……!!」

 

 戦闘が始まった。

 モイが銃をエアリアに発砲する。

 しかし、エアリアはそれを何食わぬ顔で切り捨てる。


「すげえ」


 銃の弾を切り捨てるなんて普通の人間には出来ない。

 それをエアリアは軽々しくやってのけるのだ。

 恐ろしくすごい。


 そして、モイが銃を撃ってる間、レイは剣を構えエアリアに突進する。

 距離が詰まり、エアリアの剣とレイの剣がぶつかり合う。

 しかし、ここでもエアリアの凄さが発揮される。


 何と、エアリアはレイの剣。モイの銃。両方に対応しているのだ。

 剣技がとてつもなく。

 剣がレイの対応に迫られてるときは左手でナイフを持ち、それで銃の弾を弾き返す。

 その様は僕の目を魅了するほどだった。


「ん?」


 レイがエアリアから離れる。

 どうしてだ。少し不利なように見えたが、退く必要はないはずだ。


「!!」


 そうか!


「エアリア危ない!」


 僕の声と同時にエアリアはその場から離れる。

 それと同時に大きな爆発音。


 そう。主犯格の女がロケットランチャーを使ってきたのだ。


「その動き……。パーフェクトチームか」

「そこまで察するなんてすごいわね。でもそれが分かったところで……!」


 女がロケットランチャーをさらに数発ぶっ放す。

 だが、エアリアはそれを軽々しく避ける。


「良いことを教えてやろう」


 エアリアが口を開く。


「何かしら?」

「貴様らじゃ私に勝てない」

「……この状況でよくそんなことが言えるわね」

「逃げるなら今のうちだぞ」

「その前に死ぬのは貴方よ!!」


 レイとモイが動く。

 相手はパーフェクトチームとあって連携が出来上がっている。

 そんなのにいくらエアリアと言えども勝てるのか?

 そんな不安が頭をよぎる。


 エアリアの動きを見る。

 ん? これは……?


 僕には分かった。

 エアリアはレイに対応しているが、それと同時にモイも狙っている。

 レイの攻撃を受けたり避けたりしながら、モイとの距離を詰める。


「ふっ」


 エアリアはナイフを取り出し投げた。

 その先は……。

 モイの喉だった。


「ぎゃあああああ!!!」

「モイ!」


 モイは倒れた。


「エアリア! よくも!」


 女のほうに動きがあった。

 ロケットランチャーを捨て、両手にナタみたいなものを出現さし、エアリアに突進する。


 だがその前に。


「ぐぎゃあああ!!!」


 エアリアはレイの腹部に剣を突き刺していた。


「レイ! エアリアあああああああ!!」


 エアリアと女の戦闘が始まる。

 さすがにリーダー各なだけあって、レイよりも動きがするどい

 でもすごい両手のナタを素早くぶん回されてるのに。

 エアリアはそれを剣とナイフだけで防御しているのだ。


 エアリアが距離を空け、ナイフを投げる。

 それが女の片手のナタを吹き飛ばした。


「しまった!」


 女がナタに気を取られている瞬間をエアリアは見逃さない。

 さっと距離を詰め。


「きゃあああああ!!!」


 女のもう片方のナタを持ってる腕を吹き飛ばした。


「痛い……痛い……」

「だから言っただろう。逃げたほうがいいと」

「エア……リア……」

「さあ、吐き出してもらおうか。貴様らを差し向けたのは誰だ?」

「そんなの教えるわけないでしょ。馬鹿なの」

「そうか残念だ。それじゃあな」


 女の首が飛ぶ。 

 戦闘が終わった。


「もう出てきていいぞ」

「はい」


 そのまま帰路につく、その途中。


「さっきので分かっただろう。私との旅は危険だ。だから」

「それでも!……付いていきたいです」

「どうしてそこまで……」

「命の恩人でもあるし、それに」

「それに?」

「僕の直感が貴方について行けと」

「何だそりゃ」


 エアリアは軽くふっと笑った。 

 そういや彼女の笑顔、初めて見た。


 パーフェクトチームを差し出した人物。何者だろうか?

 ただ一つ分かったことがある。


 エアリアは命を狙われているってことだ。

 なら……。


 僕はある決意を胸に抱く。

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