「罠」
「エアリアさん。僕もギルドの依頼に参加してもいいでしょうか?」
「なぜだ?」
「宿屋で待つの、退屈なんで」
「そうか。ならいいが」
反対されるかと思ったが、エアリアは意外にあっさり了承してくれた。
「この依頼を頼む」
「ウェアウルフ討伐ですね! 分かりました」
依頼を受諾すると、早速僕とエアリアは目的地へと向かった。
――――。
「アル。お前はここに隠れてろ」
「分かりました」
僕はエアリアの言う通り茂みの中に隠れる。
「すごい……」
エアリアは襲ってくるウルフの群れを一網打尽に倒していた。
華麗でするどい剣技。
それに僕は見とれていた。
ウェアウルフが出てきた。
「!!」
ウェアウルフのひっかき攻撃を剣で受け止めるエアリア。
「はあ!」
ウェアウルフの攻撃をエアリアは大きく弾き返し。
ウェアウルフはそれでしばらくひるんだ。
「やあ!」
エアリアはその隙を逃さず、すばらくウェアウルフの喉を剣で仕留めた。
ウェアウルフ討伐が終った。
「ふう」
「すごい……すごいですよ! エアリアさん」
「そうか? こんなの出来て当たり前だが」
「そんな、謙遜を僕ならウルフ一匹倒せず死んでますよ」
そう笑いながら話す僕。
「さて、帰るか」
「はい」
僕とエアリアは並んで一緒に帰る。
僕もあんな風に強くなれたらなあ。
「……!! 伏せろ!」
突然だった。
「うわっ!」
エアリアに頭を押さえられて床にうつ伏せになる僕。
そのほんの少し頭上で大きな爆発音が聞こえた。
「さすが、真理の騎士No.75のエアリア・シューデンベルグ。やるじゃない」
物陰から人が出てきた。