「恨み」
エアリアが依頼から帰ってきた。
「お帰りなさい」
「ただいま」
僕は早速、真理の剣について尋ねた。
「お前、何か聞いてきたな?」
鋭い。さすがはランカーエースといったところか。
そこは関係ないかもだけど。
「気になったので、嫌なら答えなくても」
「いや、いい。これのことだろ」
エアリアは真理の剣を掲げるとこう説明してくれた。
この剣は斬るべきものなら何でも斬れる剣。
但し、斬るべきものではないものは何でも斬ることが出来ない。
「試そうか」
エアリアはそう言うと、ベッドに向かって剣を振りかざした。
すると不思議なことに剣がベッドを透き抜けていったのだ。
「これは斬るべきものではないということだな」
どういう仕組みなんだ? この剣は?
「どういう仕組みかは私も分からん」
僕の疑問に答えるかの如くエアリアが言葉を発した。
彼女の存在そのものが不思議なのに、武器はもっと不思議なのだ。
そんな彼女のそばにいる僕は一体何と呼ぶべきものなのだろう。
――???視点
「エアリア、仕留め損ないました」
「またか!?」
チッ、エセランカーエースめえ。
「しかし、パーフェクトチームの異名をもつ彼らなら何とかしてくれると」
「じゃあそいつらに任せる」
「ハッ!」
エアリア、あの恨み、忘れんぞ。