6 街へ
今回めっちゃ短いです(笑)
「伝達オウムです、これを飛ばしておきます」
ジャックが空にオウムを放つ。あらかじめ吹き込んだメッセージをそっくりそのまま伝えてくれる鳥らしい。このまま王国まで飛んで行き国王にプレディの安全を伝えてくれるとのことだ。俺のいた世界で言う伝書鳩みたいなものか。
ちなみに吹き込んだ言葉は「プレディ、アンゼン、ムネナデオロセ」だった。もっと他の言い方はなかったのか。
俺たち一行は足早に森を抜け里道をゆっくりと歩いていた。
先頭をプレディがずんずんと歩き、その少し後ろに俺たち3人が付く。ジャックも辺りへの警戒状態を解きのんびりと歩いている。ちなみにユピシーはさっきから俺にピッタリとくっついてきて正直歩きにくい。
俺はその間ジャックからこの世界のことについていろいろと聞いた。と言っても聞いたことは主に剣のことだけなのだが。
聞いたところによると、北の街タニモにはこの世界でも最大級の鍛冶屋があるらしい。自分の剣(ナロート・ディバイダーはこの際除外)も持たない俺はすぐにでも剣をこさえることを計画した。
「ところで、それは剣か? 変わった形をしているようだけど」
タニモでのことをほわほわと考えていると、ジャックが俺の抱えているディバイダーに触れようとしていた。
「おっと、危ない危ない! こいつに触れるのはよしたほうがいいぜ」
何せ自分でもよくわからないからな。わからないものには関わらないに越したことはない。
「そうかい? 残念だなぁ」
これでも剣には目が利くんだけどね、とジャックは口添えした。
それにしても……剣か。
「やっぱりこれも分類上は剣ということになるのかなぁ」
「ブンルイジョウ? ショーイチ様って面白い言葉を使うんですね」
あっ……、と思い若干の言葉の噛み合わなさを感じた。言葉遣いには気をつけたほうがいいかもしれん。
「ショーイチ様って、なーんか普通の人とは違いますよね? 次元が違うっていうか」
びくりと心臓が飛び跳ねそうになる。出会ってから数時間、俺はユピシーに核心を突かれていた。俺はそんなにも彼らと違った言動をしていたのだろうか。
「あっ、違うんです。だってショーイチ様ってなんだか珍しい格好をされてますから」
は? と思って俺はようやく自分の格好に気がついた。よく考えたらこの世界に送り込まれてからずっと学生服のままだったのだ。これでは不審に思われても仕方ない。
街に着いたら、剣より先に服装仕立てからかな。
不安の種が解消され、ようやく安堵する。ともあれ言動にも十分注意していこうとは思う。
「――見てみなさい! タニモの街が見えてきたわ!!」
いつのまにかかなり先の方にいるプレディが大はしゃぎで叫ぶ。まさか、と思いユピシーを引きずりながら走っていくとそこには広大な街、というよりは一つの都市があった。
それにしても歩き出して数時間もかからないうちに街が見えるとは思わなかった。ジャックに聞くと、どうやらあの森の時点でかなりタニモには近かったらしい。そこまで自力で逃げ出したとはなんともパワフルなお姫様だ。
「ふふふ、ここで私とショーイチ様は結ばれることになるんですね〜」
「え゛っ?」
何やら重大なことを口にするユピシー。うっとりとした顔で街を見つめている。
タニモへの観光。思えばあのプライド高いプレディに賛同するのはユピシーにしては不自然だった。
……ユピシー、ハメたな。




