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短編③『ある少年の独白』

『乙女ゲームにリアリティはいりません!』を読んだあとにお読みください。

 僕には今、とても気になる人がいる。


 最初は、普通のクラスメイトの一人でしかなかった彼女。

 なにをしているのか、とても気になる存在だ。




 出席番号が前後だった。そんな些細なことだけれど、運命としか思えない。



 ……彼女はとても面白い人だった。



〈一年生・四月〉

 ふわりとした甘い香りがどこからか匂ってくる。

 眠気に負けそうになっていた僕でも気が付くくらいのいちごの香り。



(……いったいどこから?)


 確かめたくて、振り向いたときに、彼女と目が合った。

 彼女の頬が、片方だけふくらんでいる。

(……ああ、お腹が空いたんだね)



 原因はわかった。


僕も空腹だから食べたい気持ちはよくわかる。

 だが、せめてもう少し気をつかってほしい。この匂い、教室中に広がってるんじゃないかな。




「――佐藤ッ!!!昼休みに職員室へ来い!!」


……だって、今「授業中」だから。




 それから、僕は彼女が気になりはじめた。

 ある授業ではこっそりと筋トレをし、またある授業では眉毛を鏡でひたすら見ていた。

 その「内職」が見つかるたび、担任である藤木先生に叱られて泣きそうになっている。

(……なんで、学習しないんだろう)



 振り向くたびに、僕に新しい驚きをもたらしてくれる。


 そんな彼女が、僕はとても気になるのだ。




 ……


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