表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
14/28

第13話 急襲

 それから2週間後。


「……とうとうこの日が来たか」


 異界学園キョウ第1巻のラストエピソードとなる動乱。


 魔人襲来編。


 S~D級まで存在する魔人ランク。その内の最高ランクSランクの魔人が襲来する学園存亡を掛けたイベント。


 そのイベントがもうすぐで始まる。何食わぬ顔で今日も僕は授業を受ける。


 担当教師の黒沢マユミの授業は続く。壁掛け時計の時刻が刻一刻と時を刻む。3、2、1。


 0。


 ドガァアアアアアアアアアアアアアン!


 巨大な爆発音が鳴り響く。それと同時、緊急事態を告げるサイレンがけたたましく校舎中に鳴り響いた。








「何事だ!」


 黒沢マユミが怒号を上げる。すぐにアナウンスが異常を知らせる。


【対魔結界起動装置が破壊されました。対魔結界の稼働を停止します。対魔結界起動装置が破壊されました。対魔結界の稼働を停止します】


 対魔結界。学園全体に張り巡らされた魔物を滅し遠ざける結界だ。その起動装置が破壊されたという。原作ではその役目は後に明かされる闇蔵アキラの暗躍だったが――。


(そうか。やっぱり代わりがいたか。ヴァルハラ学園に潜入している魔人のコマとなる人間は僕一人ではないと)


 薄々予想していたが、予想通りの結果に僕は落胆と憤りを隠せなかった。原作でも何人かの人間を潜入させているという描写はあった。詳しい描写は途中で伏線を放り投げたのかついぞされなかったがあの用心深く用意周到な魔人ならば闇蔵アキラ頼りの作戦は立てないという予想は当たったが、当たったからと言って別に嬉しくもなんともない。むしろ事態が予想通りに深刻になっただけだ。となると次に起こることは――。


 ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオン!


 再度の破壊音。アナウンスがその異常の正体を知らせる。


【対魔波動砲が破壊されました。繰り返します。対魔波動砲が破壊されました。繰り返します――】


「な! 対魔波動砲が破壊されただと!? 一体この学園に何が起こっている!?」


 対魔波動砲は学園外から迫る魔獣を追い払うための超化学兵器だ。波動砲を搭載しているようなものだ。それが、学園に迫る魔獣を追い払う対魔結界と並ぶ命綱だった。その両輪が破壊された。そして次に起こることは――。


「な、何だあの魔獣の群れは! 尋常じゃないぞ!」


 黒沢マユミの声で生徒たちが窓の外に視線をやる。窓の外に魔獣の大群が見える。学園を目指して全方向から集まってくる。それは一言でこう言い表せる光景だった。


 ――絶望。


 まさしく絶望がヴァルハラ学園に降り注ごうとしていた。






 ……と言っても僕はこの事態をそんなに心配している訳ではない。


 何だかんだでみんなの奮闘で切り抜けられる程度の事態だと原作知識で知っているからだ。


 だからこの場合僕が心配しているのはただ一人。


 生徒会長神宮司ルナ。


 学園に潜入したSランク魔人ををたった一人で相手し、死亡するも深手を負わせて撤退させる、この章で退場する唯一のネームドキャラだ。


 実際に話して、その人柄に触れて思った。彼女はこんな所で死んでいい人間ではないと。


 だから僕は行く。


「え、アキラ、一体どこに行くの?」


「野暮用。すぐ戻ってくるよ」


 なおも何か言おうとするキサラちゃんを振り切って僕は走る。神宮司ルナと魔人の決戦の舞台へと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ