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第7話 表裏の心

 戦いの中で静寂が訪れる。ケルベロスの身体が地に落ちるのを見てオルコスはすぐにケルベロスの下から抜け出すと剣の付与を解除して自身に毒耐性の付与を掛ける。

 

 「....倒したよな....?」

 オルコスはそう呟くと、皆が叫ぶ。

 「マジかよ!! あの化け物倒しちまった!?」

 デンタは驚きながら、同時に喜んで確認する。

 フォニャンはヴォドスの方に走ると怪我の確認をしつつ安心できる肩が降りる。

 レルンは感心しながら歩いてくると地面にへたり込むオルコスに手を出す。

 「すごいな、お疲れさん」

 「ありがとう...ございます....」

 オルコスはその手を取ると、立ち上がり、ヴォドスのところへ歩く。

 「大丈夫ですか、ヴォドスさん」

 「ああ、何とかな。本当に助かったぜ」

 ヴォドスはそう笑うとオルコスも安心して笑う。



 「それはよかったです....! 本当に...」

 「驚いたぜルーキー....いや、オルコス」

 そう言ってヴォドスはオルコスに手を差し出し、再度握手するのであった。





 

 ギルドに戻る途中、オルコスがヴォドスに肩を貸している最中に言葉を聞く。

 「すまない....実は俺らはAランクになったばかりで浮かれちまってた....それでルーキーでAランクなお前なら仲間にしやすいと思って....その....なんだ.....利用するっていう考えがあったかもしれねえ.....」

 ヴォドスは申し訳なさそうにそう言うがオルコスは黙って聞き、ヴォドスは小さく笑う。

 「幻滅したかい...? まあそうだよな...俺は先輩冒険者なんて呼ばれるほど大層な人間じゃねえ....謝って許されることじゃあ....ないよな」


 「......そんなことは.....ないです」

 「え.....?」

 オルコスの返しにヴォドスは困惑するが、オルコスはそのまま続ける。

 「俺はあの時、とても心細かったんです。誰を信じればいいのかわからず、どうすればいいのかも、自分のことも信じられないほど。でも違ったんです...」

 「違うって....何がだよ」

 

 「言葉にしにくいんですけど...嬉しかったんです。とても嬉しかった。声をかけられた時に自分が必要とされてると知って嬉しかった。それだけで....充分感謝してるんですよ.....」


 「そうかい....」

 そうして、ヴォドス一向は、Aランククエストをこなして、ギルドへ報告に戻ったのであった。








 *****



 リアス一向




 「補助魔法をかけろ!」

 「了解...! かの者の肉体を強化せよ...! パワーアップ!」

 リアスが指示をすると新しい魔法剣士の男はリアスとノーゲンに身体強化の補助魔法を掛ける。

 


 

 「ジェネレート、エネルギー....ベクトル...ファイアブラスト...!!」

 魔法の詠唱と共にリアスの手から炎の爆風が現れるとドラゴンを焼き尽くし、怯んだ瞬間にノーゲンが脳天にメイスを打ち込んで、トドメを刺した。


 「危なかったわね〜、何とかなったなった」

 「そうですね...本当に......」

 ネアの表情は暗かった。それはドラゴンの近くにある人の死体。この討伐で民間人が犠牲になった。仕方ないこととはいえ、それでも心が痛む。


 「仕方ないだろ。この犠牲がなかったら俺たちの誰かが死んでいたかもしれないんだ....」

 リアスはそう言って剣を鞘に戻す。新しい魔法剣士であるパリスはノーゲンと和やかに話しており、リアスはドラゴンの死を再度確認しているとセクレが声をかける。

 「ねえ、やっぱりオルコスの方が優秀じゃない?付与魔法を一つづつしか掛けられないし、詠唱も....」

 

 「あいつの実力は確かにすごかった。だがお前だって知ってるだろ、セクレ....」

 リアスはため息をつくと、リアスは目を背けて、怒りの感情を込めて言う。



 「あいつは一度パーティを皆殺しにしようとした人間だ。オルコスを追放したのは正解だったんだよ」

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