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第6話 迷いなき意志

 ボス部屋にいたのは三つの犬の首を持つケルベロスであった。大きさは5m程で、その殺意に満ちた表情に皆が恐怖を覚えるが、ケルベロスの真ん中の頭が口に何かを含んだかのように膨らませたその瞬間、オルコスは叫ぶ。


 「全員左右に回避!!!」


 オルコスの言葉で分断するように一同は別れる。するとその瞬間、ケルベロスは巨大な火の玉を飛ばし、それは大扉に激突し、大扉は熱で溶ける。



 「何だあの威力....!?」

 「あんなの食らったら....!」

 ヴォドスたちがその魔法に困惑する中で、オルコスは冷静であった。


 リアスが言ってたのを思い出す。

 

 *****


 「どんな時でも想定外を想定しろ、敵の見た目に惑わされるな」

 「え....? 想定外を想定するって...矛盾してない...?」

 オルコスは話の真意を読めてなく、それを見たリアスは一瞬呆れるが、すぐに言いなおす。

 「これは心持ちの話だ。例えばだ、敵に見えるのは囮かもしれない。敵の動きには何か理由があるのかもしれないと常に考えろ。そうやって剣士は新たな弱点を見つける。戦いの基本だぞ?」

 「リアスはいつもそんな風に考えてるの?」

 「......あたりめえだ....お前...俺が何も考えず戦ってると思ってるのか?」

 「ごめんごめん...」





 すぐにレルンは矢を放ち、炎の矢が突き刺さると、熱でケルベロスの皮膚が焼き爛れる。


 だがケルベロスは痛みに怯まず飛び出すと右側の頭がヴォドスに向かって噛みつく。


 「ぐ.....うぉ!!!?」

 ナイフのように鋭い歯がヴォドスの脚を噛み、デンタはその頭ごと切り落とそうと飛び込むが、左の頭がデンタに襲いかかる。


 「う.....くそっ..!」

 デンタはその攻撃を剣で弾くも、ヴォドスの方まで行けない。レルンは矢を撃っていくものの着弾しても致命傷になってるようには思えない。オルコスはレルンの矢に鋭利の付与をしながら飛び出す。

 だがフォニャンが飛び出すと右側の頭を側方から蹴り、その衝撃でヴォドスは拘束から抜け出し、ヴォドスは後ろへ下がる。



 「フォニャン!また火の攻撃が来る!!」

 「りょ...了解っ!!」

 オルコスはケルベロスが火の玉を吐き出す動作をしてることに気づき、すぐにフォニャンにそう指示をする。

 フォニャンはヴォドスを抱えて火の玉を何とか避ける。


 オルコスはケルベロスの背後から攻撃を仕掛けるも、その瞬間に腕を何かに噛みつかれる。


 「ぐ.....こいつもキメラの類い...!?」

 それはケルベロスの尾から生える蛇であった。オルコスはすぐに蛇の尾を切り落とすと一度下がり、毒耐性の付与を自身に与え、再度突撃する。


 だがその時、デンタの悲鳴が響く。

 「ぐぁあああああ....っ!!」

 前衛2人がいなくなればデンタはケルベロス3頭を同時に相手取る必要がある。


 剣士は双剣術があるものの脳は一つ。どうしても防ぐには限界が出てくる。

 「デンタ....!!」

 レルンの矢がその時、ケルベロスの右側の眼球に突き刺さるとデンタに噛み付く頭は一つになる。オルコスは飛び出そうとするも、毒のせいで身体が全力を出せない。


 オルコスはケルベロスの脚を突き刺すと、ケルベロスは悲鳴をあげてデンタを離す。


 「一旦撤退しよう...!!」

 オルコスはそう叫ぶと皆が走ってボス部屋から出ていく。オルコスもまた出ていくのだが、その時に問題に気づく。


 「だめ!! ケルベロスが...!」

 フォニャンの叫びと共にオルコスは気づく。大扉が溶けたことでボス部屋からケルベロスも出てきており、皆はすぐに走り出す、だがその時、ヴォドスを支えていたフォニャンは重量に耐えられず転んでしまう。


 「ぐ.....俺は置いていけ!! 全員逃げるんだ!!」

 フォニャンは判断に迷い、苦虫を噛み潰したかのような表情をする。ヴォドスはフォニャンを睨みつけると、それを見てフォニャンはヴォドスを手放す。





 「おい、オルコス! お前も早く...!」

 脚を止めてしまったオルコスを見てデンタは逃げるように言う。だがオルコスは———




 ———ヴォドスの方へ走り出す。


 「何であいつ飛び出して...!!」

 デンタはオルコスの行動に驚き声をあげるが、オルコスにその声は聞こえない。



 補助魔法.....!速度付与と脚力の強化付与....あとは軽量化...!!


 オルコスは毒耐性の付与を解除すると強化系の付与を自身に掛けまくる。オルコスの強化付与は他者には二つ、他者へ強化を付与しなければ自身には三つまでかけられる。ならば毒耐性の付与を解除して自身の移動に全てを掛ける。

 ケルベロスがボス部屋から出てる以上逃げ場はない。であれば今ここで倒してしまえばいい。オルコスはそう考えて飛び出すとケルベロスはまた炎の玉を出そうと口を膨らませる動作を見せ、オルコスが避けようと考えたその時、レルンの矢が中央の顔に突き刺さる。


 「外した....!」

 それは口の横ら辺であったが、その攻撃で一瞬怯んだ。オルコスは真正面から飛び込むと側方の顔二つがオルコスに襲いかかる。


 敵の動きには何か理由があるのかもしれないと常に考える....!!

 

 やはりそうだ、中央の頭は火の玉を出す攻撃しかしてこない...!というよりそれしかできないんだ!



 「キメラ系の弱点は......心臓....!!!!」

 オルコスは滑り込むようにケルベロスの下を取ると、強化付与を解除し、剣に硬度の付与に、さらに鋭利の付与をしてから爆発の付与をする。


 その攻撃に特化した一点の突きは、ケルベロスの心臓を貫き、と同時に体内から心臓を爆破するのあった。

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