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第13話 かつての仲間は

 「かは.....ッ 回復だ....ネアッ!」

 満身創痍で地に膝をつくリアスは、すぐに治癒の魔法をかけるようにネアに指示すると、ネアは詠唱する。

 「かの者の肉体の傷を癒せ....ヒーリング!」

 緑色の光がリアスの身体の傷をみるみると回復させるが息は切れたままで、そしてまた周りの惨状も酷かった。




 前線では魔物と人間の死骸が混在してどちらなのか判別できないような状態であった。

 魔物の見た目は動物のようなものから虫、肉の塊のようなものなど大小様々でそれでも倒しながら進んでいた。

 一級勇者パーティや二級勇者パーティなどはまだ戦闘可能なところが多いものの、それより下の階級の勇者達はすでに半数以上が死亡していた。一方で魔王軍の数は非常に多く、平地全体が遠くから見れば蠢く沼地と見間違えるほど密集し、底が見えない。


 「...パリスは補助魔法に集中しろ! 前衛は俺とノーゲンでなんなとかする!! セクレは上位魔法で殲滅を狙え!!」

 「りょ...了解!! ジェネレートエネルギーベクトル…ジェットボルト...!」


 命懸けなんてものじゃない。命を確実に失う戦闘。だが負けるわけにはいかない。


 戦う理由は金でも名誉でも、誇りでもない。リアスの心にあるのは、苦しむ人々を助けるという目的のために剣を振るうのだ。


 「ジェネレート....エネルギーベクトル、ファイアストーム!!」

 上位魔法で敵を吹き飛ばしながら後衛に被害が行かないように剣を振い続けるリアスであったが、その瞬間、何かが音速でリアスに飛び込む、咄嗟に剣で受けるも大きく吹き飛ばされる。

 「ぐ......撤退だ! 俺のところまで逃げるんだ...!」


 リアスの指示で皆が下がる。そしてリアスは飛んできた何かを視認する。


 「幹部あたりか.....!!」

 それは人型の魔物、全身が影にように黒い魔族であった。ロングソードを持つ剣士。リアスは地面に倒れると同時にすぐに魔法を詠唱する。

 「ジェネレートエネルギーベクトルファイアブラスト!!」

 魔族はその炎の魔法を一瞬で避けると、リアスの目の前まで距離を詰める。

 「ぐッ....!?」

 リアスはその瞬間に剣を振るい、魔族の首に剣が命中するのだが、手応えがない。剣が霧を斬ったかのように通り抜ける。


 そしてその瞬間、魔族の剣がリアスに腹部を突き刺すのであった。



 「くそ.....ここ....までかよ.......」

 リアスは死を覚悟する。だがその次の瞬間、空から何かが飛んでくる。


 「矢.....いや...違うッ!!」

 リアスはその矢を見て即座に理解する。そしてその矢を見た魔族はリアスから剣を抜くと後方へ飛び、矢が地面に着弾した瞬間に爆破した。



 「はぁ...!はぁ...!かの者の肉体の傷を癒せ!ヒーリング!」

 ネアは倒れたリアスに癒しの魔法をかけていると、魔物がネアに襲いかかる。だがその瞬間、ヴォドスがその魔物を斧で切り払うと前へ進む。

 「行くぞ野郎どもぉぉおおおおお!!」

 大量の足音と共に現れたのは、魔物の数に劣らないほどの冒険者の軍勢であった。

 冒険者達は魔物の軍勢に正面から攻撃しにかかる。

 

 「援軍が.....きたのか....?」

 リアスが驚いていると、そこにオルコスが現れる。

 「助けに来たよ、リアス」


 通常では間に合うはずのない大移動。だがオルコスはこの数千人の冒険者全員に速度強化の補助魔法と身体強化の補助魔法をかけることで、援軍を無理やり間に合わせたのである。

 オルコスはリアスをまっすぐ見つめるがリアスは舌打ちする。


 「なんで来た....てめえは追放した用無し....俺らのことなんて無視すりゃ——」

 「無視できなかった。君たちのことを....」

 オルコスは迷うことなくそう言い切るとリアスはなお怒りの表情を見せる。オルコスは久しぶりに見たリアスが変わってないことに感動を覚えるが、その瞬間、リアスは剣を構えてオルコスに向かって飛び込む。


 「ぼさっとすんな...!」

 それは先ほどの剣を持った魔族であった。音速の攻撃をリアスが防ぐと魔物はまた距離を取り始める。


 「.....補助魔法を頼む」

 「了解....!」

 リアスは補助魔法を指定することなくただオルコスに頼んだ。オルコスがリアスにかけたのは身体強化と火の付与。この魔法は魔術を秘術のように既存の物体に付与するオルコスのみの魔法。それを見たリアスは独り言のように笑う。

 「やっぱりこれだけは最高峰だな....」


 リアスは次々と魔物を切り払い、魔族と剣を撃ち合う。その中でオルコスも自身に速度付与と剣には火の付与を行い走り出す。


 「よくわかってるじゃねえか...! あいつは剣は効かないのに炎を避けた...つまり炎が弱点ってなッ...!」

 走るオルコスに対して並走するリアスはぶっきらぼうな口調で言うがオルコスは少し笑う。



 二人は幹部魔族に向かって走り、二人は息を合わせが連撃を始める。

 一撃一撃が魔族の急所を狙い、幹部魔族の剣戟がリアスに向けばオルコスが防ぎ、オルコスに向けばリアスが弾く。


 10秒にも満たない攻防の内にオルコスは火の付与を解除すると身体強化に魔法を振る。

 脚力が上昇し、オルコスは魔族と一気に距離を詰め、剣の突きが魔族の心臓に向かう。そして触れる瞬間に身体強化を排除し、剣に火の付与を再度かけると、魔族を突き刺す。


 「リアス....!!」

 「わかってるよ...!!!」

 リアスは突き刺されて動きが鈍くなった魔物に、剣戟を振るい、魔族は倒される。

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