第1話 魔法剣士、追放
箸休めとして追放もの書いてみました
15話で完結します。一日3話、時間はずらす形で投稿します。2月8日の20:00に最終話が出ます。
ざまぁ控えめの読みやすいアットホームな感じの作品です。ないわけじゃないです
ぜひ面白いと思ったらブックマークお願いします...!
「オルコス、てめえは追放だ」
「え.....な...なんで....?」
それは町の酒場の中であった。
唐突で、疑問を口にすることしかできなかった。それはオルコスの所属する一級勇者パーティのリーダーである黒髪の男、リアスの言葉であった。
「はっきり言っててめえは実力不足なんだよ。だから出ていってくれ」
「なんで...え...?俺一応ちゃんとやってきただろ....! 実力不足って....!」
オルコスとリアスに対して疑問を持ちつつ反論するが、リアスはため息をつくと話し始める。
「俺たち勇者パーティは魔王を倒すために日々進んでいる。冒険者なら自分のレベルに合わせたダンジョンを攻略すればいいが、俺たちは違う。相手が強くなるたびに日々成長しなきゃいけねえ。お前はそれについていけてないんだよ」
リーダーのその冷徹な表情を見てオルコスは言葉が詰まる。
リアスはオルコスは昔は仲が良かった。幼い頃は同じ孤児院で育ち、毎日を過ごしていた。だが彼にはとんでもない才能があった。
それは「英雄」というスキルであった。
この世界ではスキルを持つ人間が度々現れ、特殊能力を持つ。そしてそのスキルの中でも最強と呼ばれるのが「英雄」というスキルで、剣の才、魔法の才が突出していることが特徴だ。
彼はそのスキルが判明したことで、人々を苦しめる魔王を倒すとオルコスと共に誓ったが、いつのまにかここまで関係が悪くなっていたようだ。
「.....お前と違って俺は才能がないかもしれないけど...でも俺は頑張って.....」
オルコスは自身の気持ちを口にしてみるが、それに対するリアスの反応は冷徹だった。
「.....努力をしても限界ってのはあんだよ、てめえは勇者パーティに合ってねえんだ」
「そーそー! あんたって....えっと....そう! 無能なのよ! 勇者パーティなんか辞めちゃいなさい!」
そう言ったのは青髪の女は同じく勇者パーティに所属する魔術師、セクレであった。彼女は強気な口調でオルコスを指差す。
「いや待ってくれ...! 俺のジョブは魔法剣士! 補助魔法をかけれるし前衛としても戦えるし....パーティメンバーの中で役割は被ってるけどなんでもできるぞ!」
「まあそうだなあ.....でもなあ、実力不足というかだなあ.....給料払ってる以上はそれなりに活躍して欲しいわけで、それ以上の活躍が無ければクビになるってだけの話だ」
髭面の屈強な戦士、ノーゲンも諭すように言うが、納得できない。味方はいないのかと、残り2人のメンバーにもオルコスは声をかけてみる。
「ネアとフェルスはどうなんだよ...! こんなのおかしいって思わないのかよ...!」
「えっと...えっと....その......ごめんなさい......」
「私はみんなに従うだけ.....」
金髪の僧侶ネアは内気な性格なのもありただ謝るばかりで、鍵師の少女フェルスは一言言ってそのまま我関せずと目を逸らす。
オルコスは怒りで震えながらも、冷静なつもりで、しかしリアスを睨みつけると言う。
「わかった....あとはみんなでどうにかしろよ....」
「.......そうだな、てめえとはこれでお別れだ」
「後悔しても遅いからな...その時は...ざまぁみろって言ってやる.....!」
リアスが背を向けるのを見て、オルコスも俯き出ていってしまおうとするが、ノーゲンがオルコスの肩を掴むと銀貨の入った袋を持たせる。
「退職金だ、持っていきな」
「......ありがとう、ノーゲンさん....」
オルコスはノーゲンに感謝を伝えるとネアも口を開く。
「オルコスさん.....その....ごめんなさい...今までありがとうございました....」
ネアは頭を深々と下げ、オルコスは少し泣きそうになるものの、こくりと頷くと、酒場を出ていく。
「ねえ、リアス、本当に良かったの?」
セクレは小さな声でリアスに声をかけるがリアスは言う。
「...............勿論だ.....」
リアスはそう、震える唇で言うのであった。




