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死して八年、デスナイトとして蘇る。――この食い荒らされた世を切り裂き、狂った因果に復讐を  作者: Tiny Abomination in a Jar


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汚泥に埋もれた王冠(クドの視点)

糙な麻袋が俺をきつく締め付け、布地が剥き出しの腕や頬を擦り、ひりひりとした痛みが走る。交差する麻の繊維は細かな刺のように、肌の奥をちくちくと麻痺させていく。袋の口は太い麻縄で死結びにされ、縁が収縮するほどきつく縛り上げられていた。俺はこの狭苦しい空間に閉じ込められ、誰かの背に担がれ、その歩みに合わせて上下に激しく揺さぶられていた。




一歩ごとに、俺の顔はその者の広く硬い背中に叩きつけられる。鈍い痛みが頬からこめかみへと伝わり、麻痺が少しずつ積み重なって、口角さえも強張っていく。揺れが激しくなるたび、頭は制御を失って粗末な麻布に何度もぶつかった。鈍い衝撃音が袋の中に反響する。それはまるで、誰かが鈍い槌で、ゆっくりと、何度も俺の頭蓋を叩いているかのようだった。痛みで目の前がちかちかとし、意識が混濁し始める。




外が昼なのか夜なのかも分からなかった。袋の中は常に、溶けることのない濃密な闇に包まれている。一筋の光もなく、目の前に自分の手をかざしても、ぼんやりとした影が見えるだけだ。空気には耐え難い臭いが充満していた。麻布のカビ臭さ、担いでいる者の汗の臭い、そして、どこからか漂う微かな血の気が、鼻の奥をツンと刺激する。くしゃみをする力さえ残っていなかった。




俺は脚を丸め、膝をそのオークの兵士の背中に押し当てるようにして、できるだけ動かないよう努めた。わずかでも動けば袋が揺れ、頭の痛みが増し、頬がさらに麻布に削られるからだ。小さな身体を丸めると、麻布の隙間から寒気が忍び込み、俺を包み込む。思わず身震いしたが、それさえも強く出すのが怖かった。




果てしない闇と痛みを紛らわせようと、歩数を数えてみる。一、二、三……百、百一……。だが揺れが激しすぎ、そいつの歩調も速くなったり遅くなったり、時には急に止まったりする。数えているうちに頭が混乱し、最初から数え直そうとしても、脳内は混沌としていて、ただ茫然と痛みと闇に身を任せるしかなかった。




外から話し声が聞こえてきた。断続的で、厚い麻布越しには不明瞭だったが、それがオークの言葉であることははっきりと分かった。物心ついた時から聞き慣れた音だ。本来なら理解できるはずだろうか。だが、生後わずか二歳で、この小さな頭にどれほどの記憶を詰め込めるというのか。その後、ドワーフたちと暮らし、俺の母語はドワーフ語と通用語になっていた。聞き取れるのは「行け」「速く」「殺せ」といった断片的な単語だけで、彼らの話すスピードはあまりに速く、荒々しい咆哮や狂ったような興奮が混じり、それらはすべて耳障りで恐ろしい獣の叫びにしか聞こえなかった。




彼らの言葉のすべては理解できなくても、その「笑い声」だけは、一音たりとも漏らさずはっきりと聞こえた。喉の奥から絞り出すような、しわがれた野蛮な笑い。それは最も貴重な獲物を手に入れた時の喜びのようであり、俺の無様な姿を嘲り笑っているようでもあった。笑い声が響くたび、心の中に恐怖が這い回り、身体の芯から湧き上がるような冷たさに、俺はさらに身を縮めた。




どれほどの時間が過ぎただろうか。眠りに落ちそうになるほど長く、頭の痛みさえ麻痺してきた頃、揺れが唐突に止まった。担いでいた者が足を止め、腰を落とすのを感じる。そして、俺を閉じ込めた麻袋が、冷たく硬い地面にそっと置かれた。軽い衝撃で額を打ち、再び痛みに眉をひそめた。




続いて、麻縄が擦れる音が聞こえ、締め付けられていた死結びが解かれていく。「バサッ」という軽い音と共に袋の口が剥ぎ取られた。一瞬にして刺すような冷風が流れ込み、夜の冷気が俺の顔や身体を叩く。寒さで身体が震え、風の冷たさに目が痛み、涙が溜まって開けることができなかった。




しばらくしてようやく目を細め、外の景色を捉えた。空はすでに暗く、深い紺色の夜空には、巨大な月が異様な微光を放って高く懸かっていた。周囲は荒涼とした大地で、砕石と枯れ草が広がり、風に揺れる草の音が寂寥とした恐怖を煽る。




目の前に、一人の屈強なオークの兵士が立っていた。これまで見てきたどのドワーフよりも巨大で、緑色の皮膚は岩のように硬く、血痕のついた古びた獣皮の鎧を纏っている。顔には額から頬にかけて生々しい刀傷が走り、凶悍そのものの風貌だったが、その眼差しは、想像していたような残酷なものではなく、どこか恭しささえ帯びていた。




不意に、彼は片膝を突いた。膝が冷たい砕石に打ち付けられ、鈍い音が響く。彼は両手を胸の前で交差させ、深く頭を垂れた。額が自分の腕に触れんばかりのその姿は、まるで神聖な何かに向き合っているかのように、この上なく謙虚なものだった。




彼は低い声で何かを呟いた。夜風にかき消されそうなほど静かで、古い祝詞を唱えるようなその声には、かつての野蛮さはなく、つつしやかな響きがあった。




俺は何かを言い返そうとしたが、喉は砂紙でこすられたように乾ききり、言葉の代わりに微かな掠れた音しか出せなかった。




焦りに襲われ、小さな身体を震わせながら、凍えた手で不器用な身振りをした。自分の胸を叩き、首を振って、言葉が分からないことを伝える。そして地面を指差し、茫然とした眼差しで彼を見つめた。水が欲しい、ここはどこだ、そう伝わることを願いながら。




そこへ、首領らしきトロールが歩み寄り、俺の肩を叩いてリラックスさせようとした。不慣れな通用語で、彼は言った。


「坊ちゃん、ようやくお迎えに上がれました。自己紹介を。私はホーソーン、ホーソーン・ドッグファング。この遊撃部隊の指揮官です。これまで、さぞご苦労されたでしょう。あの時、王家が惨殺され、坊ちゃんが行方不明になった際、我らは皆、あなたが死んだものと思っておりました。哨兵が、ドワーフの群れの中に放牧をしているオークがいると報告した時は信じられませんでしたが……今日こうしてお会いして確信しました。やはり王によく似ておいでだ」




不意に差し出された優しさに、俺は戸惑った。実際、ラクトンの傍で暮らした年月は、それほど辛いものではなかった。ドワーフたちの冷たい視線には晒されたが、暴力的な扱いを受けたことはない。どう答えるべきか分からず、俺はただ、小さく頷くことしかできなかった。

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