上から7番目くらいのあるある
更新が遅くなってしまい大変申し訳ございません。リアルが忙しかったことに加え、自分の中でキャラクターの解釈違いが起こってしまい修正を重ね続けていたためかなり期間が空いてしまいました。
設定に矛盾等が生まれている可能性があります。
あれから一時間近く経過して、いい加減魔獣狩りにも飽き始めてきた頃。私は魔獣の亡骸を売るために一旦街へと戻ってきていた。
はてさて、私が汗水流して狩ってきた魔獣ちゃんどもは、いったいどれほどのお値段となってくれるのだろうか。かなりの数を仕留めてきたので、たとえ一体一体の価値が低めであったとしてもそこそこお財布は潤ってくれるだろう。お金があればなんか強い装備とか武器とかが買えるらしい。娯楽用品なども買えるらしいので、お金はあって損しないはずだ。そもそもあって困るものなどなかなかないが。ちなみに、魔獣が売れることはミナヅキが教えてくれた。やはり持つべきものは知識を授けてくれる友だった。
思考は右へ左へと逸れながらも、足は止めずに魔獣を買い取ってくれそうな店を探して歩き回る。こんなことなら店の名前と場所も教えて貰えばよかった。まあ、この街はそこまで広くはなさそうなので、ぐるっと一周したらいつかそれらしいお店が見つかるだろう。
そんなふうに甘く考えていた時期が私にもありました。
本気でお店が見当たらない。こういうのって普通入り口とか中心部とかにわかりやすく施設みたいなものがあるものじゃないのか。誰ださっきあんま広くないからすぐ見つかるぜガハハとか抜かしてた美少女は。私だ。全然見当たらないしなんなら知らない道に出てきてしまったせいで元の場所にも戻れないんだが。もしかしてこれは万事休すという状態なのではないか。
しかし、私はこんなところで諦めてやるほどやわな女じゃない。私には『ミナヅキに聞く』という最強カードがあるのだ。これを有効活用しない手はない。さっき解散したばかりなのに申し訳ないが、少しばかり私のお悩み相談チャットに付き合ってもらおう。
早速私はフレンド欄からミナヅキを選択し、チャット画面に移行した。文章の内容は失礼にならない範囲で簡潔に、そして親しみやすさは感じられるように、砕けた言葉遣いで文字を打ち込んでいく。
正直言って私は文字でのやり取りは得意ではない。テンション上げて話し言葉をそのまま文章にし打ち込むという作業が苦手なのだ。だから文章からその時の感情とかテンションを読み取れるようにメッセージのやり取りができる人は素直にすごいと尊敬する気持ちと共に、合わせて話し言葉で返信した方がいいのかとか、事務的に了解、やありがとう、で済ませてもいいものかと迷ってしまうことは私の中で上から7番目くらいのあるあるだ。
そんなこんなで当たり障りのない文章を作成し終わり、ミナヅキに無事送信することができた私は、少しでも今いる場所のの情報を集めようと辺りを見渡してみる。ただ、基本的に同じ街の中であるため特別何か変わったものはない。雰囲気は似たような感じだし、違うのは道や建物の配置くらいだ。
いい加減魔獣を売ってもう一度狩りに出たい。もしくは手に入ったお金でゲーム内ショッピングとかしてみたい。
同じ場所に留まり続けること20分、あまりにもミナヅキからの返信がないためもしかしたら見れない状況なのかもしれないと考え、一旦行動してみることにした。どうしようもなくなったら怖くなさそうな人に声をかけて案内してもらおう。声をかけれるかはわからないが、現実世界じゃないならワンチャンネコチャンいけるはずだ。
うろうろ、ぐるぐる、ふらふらと。当てもなく元の場所に戻るためにひたすら歩いている。しかし、違う道を選んで進んでも何故か同じ場所に戻ってきてしまうのだ。自意識過剰なだけだろうが、周りからの、こいつさっきから何してんだみたいな視線が突き刺さるように痛い。お願いだから私のことを視界に入れないでほしい。今だけは自分のことだけ考えて行動してくれ、頼むから。
そんなことを考えながら彷徨っている最中、私の脳内に天啓が降りた。
これゲームなんだから、マップくらいあるのでは?
何故気が付かなかったのか。ゲームなんだからマップが何もないことなんてないだろう。思い立ったが吉日、ということで早速ホーム画面からマップが見れそうなアイコンを探す。ざっと目を滑らせると地図のようなマークを見つけたのでそれをタップすると、予測通りマップが目の前に現れた。現在地が表示され、拡大、縮小、位置検索ができるマップを手に入れた私に恐れるものはもうない。
ごめんよミナヅキ。チャット送ったけどもう解決したから大丈夫になっちゃったぜ。次会った時に謝るから許しておくれ。
後でミナヅキに謝罪しようと心の中で宣言し、マップでお店の場所を把握した私は、意気揚々と目的地へと急ぐのだった。
お読み頂きありがとうございます。誤字脱字等ございましたら優しくご報告してもらえると嬉しいです。ちくちく言葉はご遠慮ください。
これからも更新は遅くなってしまうと思いますが、小説は書き続けるつもりですのでお待ちいただけると幸いです。




