私の中の三つめの心である厨二少女の血が騒ぐ
ひと月近く投稿できず申し訳ございません。迷走して書き上げるのに時間がかかってしまいました。期間が空いてしまったため前回までと内容に矛盾が生じているかもしれません。これからもこのようなことが多々あると思いますが、気長にお待ちくださると嬉しいです。
8月17日 主人公のステータスの欄に記入漏れがあったため修正しました。
「次に決めてもらうのは、イナ様のゲーム内での種族と職業でございます」
リーシャさんがそう言い終えたとき、私の前でふよふよと浮いていたタッチパネルの画面が切り替わる。そこには獣人、エルフ、ドワーフなどの種族や、剣士、魔術師、槍使いといった職業の名前ががずらりと並んでいた。職業はともかく、種族の種類も割と豊富なのはこの手のゲームでは少々珍しいのではないだろうか。完全に私の主観だが、獣人は割とよく見るにしても、妖怪や天使という選択肢まであるゲームというのはあまり多くはないだろう。よくここまで思いつくものだな、私が運営なら面倒くさくなって種族は人間だけになるだろう、と斜め上の方向に思考を飛ばす。
つらつらとくだらないことを考えつつも画面をスクロールする指は止めずに、一旦全ての種族名に目を通す。こんな風に数ある選択肢の中から一つを選ぶとき、まずは流し読みしてその後で印象に残ったものの中から選ぶのは私だけではないだろう。
「……あれ、獣人とか妖怪とかってその括りの中で種類選ぶことってできるんですか?例えば、犬の獣人ーとか、雪女ーとか」
画面をスクロールしていく中で少し気になったことを尋ねてみる。
「ああ、それに関してはもちろんできます。一度獣人などの項目を選択していただけると、その下に動物の名前が出てくるはずですので、その中から選んでもらいます。その中になかったとしても、これがいいなどの要望を伝えていただければ少々時間はかかりますがゲームに反映させることも可能です。ただ、あまりにマイナーなものや複雑なもの、著作権や肖像権などに引っかかってしまうようなものはできません」
なるほどなるほど。要は基本的にはなんでもいけるけど、某夢の国のネズミさんみたいな見た目がいい、とかいうのは無理ということだろう。まあそんな希望を出す人なんていないだろうが。
それはそれとして、いくつか種族の候補は絞れたのだが、いかんせん魅力的なものが多すぎて決めあぐねているのが現状である。だって私の厨二心を刺激するようなものが多すぎるのだ。なんだよ吸血鬼って、なんだよ悪魔って、カッコ良すぎるだろ。もちろんそれ以外の種族も魅力的なのだが、私の中の三つめの心である厨二少女の血が騒ぐのだ。ちなみに一つめの心はませた女子大生、二つめの心は純粋な少年である。
はてさて、思考は逸れに逸れまくっているが、何度目かの脳内会議を行った結果、ようやく種族を決めることができた。ここまで割と時間を使ってしまっているが、まだ職業決めが残っている。リーシャさんも心なしか退屈そうな顔をし始めているので、ちゃっちゃか決めていきたいのだが、こっちもこっちで数が多い。幸い大まかにではあるがなりたい職業のビジョンが浮かんでいるため、あとはそれに合うものを探すだけだ。そしてお目当ての項目は割とすぐに発見できたので、押し間違えないように注意しながら人差し指でタップした。
「これで設定は終了となります。最後に確認を行います。イナ様のステータスはが以下のもので間違えはないか、自分の目でお確かめください」
すると、さっきまで設定を行っていたタッチパネルとは少しデザインの違うものがふっと現れた。
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名前 イナ
レベル 1
種族 仙人
職業 短剣使い
筋力 30
体力 30
知性 30
敏捷性 30
器用 30
魅力 30
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ちゃんとゲームっぽいな、と謎の感動を覚えながらそれを眺める。どうやら能力値のようなものは30が初期値として決められているらしい。
ここからようやくゲームを始められるのかと今更ながら実感が湧いてきて、今の私は側から見たら恐らく、わくわく、うずうずといった表現がぴったりの状態なのだろう。
そんな浮かれポンチ状態の私に、リーシャさんが基本的なことを軽く教えてくれた。ステータスと言えばさっきのタッチパネルが現れること、ゲーム内の匿名掲示板を使えば基本的な操作などの質問ができることなどなど。至れり尽くせりである。
「それでは、これよりVRMMOゲーム【Free World】を始めます。イナ様、自由な世界で、自由な時間を、是非とも自由にお楽しみくださいませ!貴方にとって、楽しいと思える居場所となりえますように」
読んで頂きありがとうございます。前回冒険に出るはずだと言いましたが無理でした。次回はでてくれるはずです。私は主人公ちゃんを信じています。誤字脱字等ございましたら優しくご報告してもらえると嬉しいです。ちくちく言葉はご遠慮ください。




