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『それ』とは

『あれ? 君は信用してないの? それなら、君は“特別”だね』


『君だけが、この地獄でまともな精神を保てるんだよ。』


その言葉に、クラスメイトたちが俺を見た。

(あぁ…そういえば前もこんなに視線感じたことあったな…もう…慣れっこだ…)

そんな中翔真だけが違う目をしていた。

(これも…前と同じだ…あの時…彼女だけ…)

いや、今は思い出すことでは無い。

それより…


男が口を開く。

『あ、そうだ。僕の名前は欺瞞の王団(ぎまんのおうだん)信無(しんむ)隊長ローマン・ヴェイン。よーく覚えといて、黒木かける君♡』


(王団…?てかなんで俺の名前を知っている…?!いや、それより翔真だ!どうにかして…)


「翔真!!!!よく聞け。あの日、お前と出会った時から、俺は一度だってお前を信用したことなんてない。これがその証拠だ、数値がすべてを物語ってる。だから、もう一度言う。お前も俺を信じるな。お前なんか、最初から信じたこともない。…お前の信頼なんて、俺にはゴミみたいなものだ。向けられるだけで…迷惑だ。」


『えっ…かける…っ…?なにそれ。なんだよ、それ。』


(そうだよな…)

俺は一生天国には行けねえだろうな。と数値を見て確信する。自分にも呆れる。


『…っ…。違う。違うよ…っ。僕は…! たとえどれだけ嫌われても、それでも、かけると一緒にいたいって…思ったのに…!別にかけるが信用してくれてなくてもいいよ…!僕はかけるを信用して…!』


ピコーン

「数値が65%を超えました。」


「翔真。よく俺をみろ。お前の事信用してるように見えるか?お前はただ俺の欲求の為に一緒にいただけだ。お前が一緒にいたい?笑わせるな。迷惑だと言ってるんだ。とっとと消え失せろ。」


(はっ…!)

かけるの顔が、これまで見たこともないほど歪んだ。憎悪、嫌悪、拒絶。

——そのすべてが詰まった表情に、かけるは息が詰まるような感覚を覚えた。


(翔真…!頼む。頼むよ…、)


『っ…!』


翔真の腕の数値を見る。

同時にその場から立ち去ろうとする翔真の顔を見ることは出来なかった。

ただ、数値が下がってく音だけ聞こえた。


(あぁ…。お前だけが違う目を向けてくれたのに。久々だったんだよ。お前が。)


そしてヴェインが声を開く。

『あれ〜もったいないなぁ〜。もうちょっとで壊れたのに。ねぇ?かける君♡』


「…っ!どういうことだ!?なぜ俺の名前をしっている!?何が目的だ!?壊れる!?答えろ!!」


『質問攻めだなぁ…まぁその目嫌いじゃないよ。んー。でもなぁあんま教えると怒られちゃうんだよなぁー。あ、そうだ。高い数値を長い時間維持したら君たちの一部を貰うとかかな♡』

ゴツッ

殴る音と同時に声が聞こえる。


『何言ってんだ?お前。誰に何をいってる。』


『…っー!痛いなぁ。バドル。殴るなら殴るって言ってって毎回言ってるだろ!』


『アホか。てめえは』

ゴツッ


『あ!それと皆このことはぜーったい誰にも言っちゃダメだよ♡そして皆は今から何も無かったかのように普通に過ごすの。ちなみに、口外したら……バァン!!フフッ。まぁ自分で死んだりするのは勝手だけどぜーーーんぶ見てるから♡

ちゃんと、覚悟して行動するんだよ。!』


『まぁとにかく。かけるくん準備出来たらまたすぐ会いに来るね。それまでいい子でいてね♡』


「お、おい!!ま、待て!!」


俺の声と同時に黒い霧に包まれ、一瞬で霧も血もさっきまでそこで倒れてた人も全部跡形もなく無くなった。

まるで何も無かったかのように。


残ったのは俺たちに残ったこの機械。

そして翔真との距離、信頼。

友達として接することはもう、多分ない。

(なーんだ…元に戻っただけじゃないか。気にすることなんて…ない。)

そう自分を説得した。

いや、それよりこの状況だ。どうにかしてこの状況を抜け出したい。

そうだ。警察だ。いや…これこのまま言って信じてもらえるのか…?

…ない。絶対に信じて貰えない。

あ、亡くなった生徒の親だ!!

親が絶対騒ぎ出す!!そしてそれが多くなれば出来事として何らかしらの組織が動いてくれるはず!!

とりあえずクラスメイトで亡くなった子を探そう。

教室に帰り生徒の名簿を見る。


———この後俺はとんでもない事実と対面する事となる。

そしてとても安直だった自分に絶望する。

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