飴色の
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飴色の魚籠震わせて蝉の声
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どう見ても子供が玩具にしていいとは思えないような古色を帯びた上等の魚籠が、虫籠として再利用されていました。
上等な着物がリサイクルされているような息苦しさと、そのまま捨てられるよりはいいのかという複雑な気持ちです。
昔、新素材だったビニール製のハンドバックやハイヒールが新製品として登場した際、アメリカ直輸入の看板商品として一流百貨店で展示され、あっという間に子供の玩具にまで落魄したのとも違う感じです。
文化大革命を先取りした明治維新を思いおこします。
鮎の友釣りなどをしている時に聞こえてくる蝉の声ならよかったのですが。
「飴色の魚籠の震えて蝉の声」
「飴色の魚籠の震える蝉の声」