不正ポイント問題
正直、この不正ポイントを得たからと言って、どうなるのかよく分からない。
このサイトを使うようになって、まだ三か月にすぎないからかもしれないけど、不正ポイントを使ってでも構わないと言った、人の感情が分からないからかもしれない。
とは言え、詐欺というのは引っかかる人に引っかかるように出来ており、その意味で引っかからない人は、引っかかる人を理解出来ないでしょう。
過去にですが、知人が詐欺に引っかかって被害に遭いましたが、まず被害に遭っていることを自覚させるのが大変でした。
だって、詐欺師のことを悪く言うのだから、むしろ敵対関係と見なされるからです。
こっちも意地になって、紙に相関図と数字を書き入れ、電卓をたたいて彼らの嘘を説明しましたが、半信半疑だったことには驚きました。
少なくとも、彼の方が私よりも、一般的に頭がいいと通っていたからです。
そういう経験から、あるいは様々な詐欺事件の資料を読む限り、詐欺に引っかかる方が悪いとは、一概に言えないのではないだろうか?
数年前に世間を騒がせた、大手ハウスメーカーを巻き込んだ地面師事件などは、第三者の視点で見ると、なんでこんな詐欺に引っかかるのか意味が分かりませんでした。
しかし、当事者になると見えなくなるものであり、むしろ、騙されていると思う方がおかしいと思います。
一万円を引っ張れれば、あとは身ぐるみはがすのは容易いと、ある伝説的な詐欺師が話していたそうです。
詐欺に技術は要らない。誠心誠意説得すれば、皇居だって売れる。それが、詐欺と言うモノなんだそうです。
それを踏まえると、今回の問題はどうだろうか?
加害者は存在していても、被害者がどれだけいるのだろうか?
そもそも、被害者をどう定義するかです。
加害者と被害者の関係は、単純化すれば損害の有無と言えます。
今回の事案は、ポイントをゲットする為に金銭を支払った人が被害者でありますが、サイト運営側から見たら、この被害者も加害者の一味と言えます。
とは言え、こういった行為をする組織とかは必ず存在するので、啓発活動を怠ったサイト運営者にも、一定の責任はあると思います。
警察だって、取り締まる前に様々な啓発活動をするものでしょうし、自転車のヘルメット着用義務だって、最初は努力義務とするぐらいです。
しかも、そのポイントをゲットしたからと言って、読んだ読者が同じように評価するとは限らず、むしろ、これは食べログ問題と同じで、最終的な評価は結局、エンドユーザーの責任になります。
だって、それを美味しいと思うかどうかは、結局個々人の嗜好だからです。
ちなみに私は、低い評価のレビューを読んで、自分なりに評価をし直します。
そのユーザーが、どこをダメとしているのか、それが自分に許容出来るかどうかで、判定しています。
作品も同じです。
例えば、私は川端作品が好きではありません。
しかし、川端作品が好きな人にとって、これを好きでないのはおかしいとなります。
ノーベル文学賞を取ったのだから、万人が評価しないとおかしいとなりはしないだろうか?
好き嫌いの評価を、個人から取り上げることになるのではないだろうか?
読みたいモノを読む、面白い作品はイイネを付ける。
それだけなら、ポイントを買っても買わなくても、どうでもいい話です。
その作品が高ポイントだからといって、すべての人が評価しないといけないわけではないからです。
だから、今回の事案の被害者は、ポイントを買った人とだけとなります。
サイトは、このようなポイント操作によって信用を低下したという、損害を被ったことになります。
しかし、これをユーザーのせいにすると、もうこの手のサイトの運営は不可能になります。
不正アクセス対策は、サイト運営者の義務だからです。
出来る出来ないは、また別の話ですが。
今回の事案は、ネットではよくある詐欺的事案であり、ちゃんちゃんで終わりでいいと思います。
だって、他人の評価だけでその作品を評価するなんて、それって作品を読んでいない証拠だからです。
とは言え、低ポイントの作品の中には、比較的もっと評価していい作品もあるので、そこを何とか評価して欲しいと思っています。