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ちょっと他人より  作者: 代理人
1/17

前置き

 この話は、私が苦労して取材をした結果をまとめたものである。取材は長期間にわたり、彼らには多くの迷惑をかけてしまったことだろう。

取材内容を書き留めていたノートも増えてしまって、何を書いたか自分でわからなくなるほどだ。

そのため、話の時系列が前後してしまうこともあるだろう。それはどうか、許してほしい。なんといっても、こうやって文字に起こせることに、興奮しているのだ。

長い年月をかけてきたが、ようやく人へ伝えられるようになることが、私はとても嬉しい。


 ふぅ。ここまで書いて、ようやく手の震えが落ち着いてきた。


 これから書き記す話は、取材内容からさらに脚色して、面白く伝えるように編集したものである。本人たちが見れば、話を盛りすぎだとか、ここまでは言ってないとか、そう言われるだろう。けど、人に伝えるためには、多少の事実のねじ曲がりというのは必要不可欠だ。

 彼らには、仲介人から許しを得ていると言えば、静かになってくれるはずだから、私は私のスタイルを貫かせてもらう。


 さて。面白可笑しい彼らの話を書く上で、タイトルにも困っていた。

 頭をひねりにひねった末に出てきた、「ちょっと他人(ひと)より」という微妙なタイトルは、私に文才がないことを示している。

 文才がないというか、キャッチフレーズを考えるのが苦手なだけだ。そういうことにしておいてほしい。

 このタイトルにした理由があるため、恥ずかしながら書いておこう。


 彼らは、他人よりも少しだけ違う点がある。


 例えば、他人よりも少しだけ目が良かったり。

 例えば、他人よりも少しだけ鼻が良かったり。

 例えば、他人よりも少しだけ見ている物象が多かったり。


 それらを踏まえたうえで、「ちょっと他人より」というタイトルが一番だろうと思った。

 こう考えると、安直すぎる気もしてきた。

 いや、タイトルというものはわかりやすくて覚えやすいのが一番だ。


 ああ、そうだ。最後に。

 どうか私のことは、偉大な記者と呼んでほしい。なんといっても、彼らの取材を許されたのは私が初めてだからだ。えっへん。


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