現状を見つめて(1)
パーティを追放されて今日で三日が経った。
追放されたショックから立ち直れず今日まで宿屋の部屋に籠りっきりだったが。
この三日間で追放されたことへの折り合いもある程度ついたので、これからどうするか現状を一度整理しながら方針を考えようと思う。
僕こと、ミアンはパーティ 【流星の軌跡】 から追放された。
しばらくの間は僕一人で行動する必要があるが、一人でダンジョンを探索するのは無謀そのもの。
だからパーティを組むことが出来る冒険者を探さなければならない。
しかし恐らく望みは薄いだろう。誰も僕と組みたがらないからだ。
なぜかと言えば、まぁ当然の流れで。
四つ星の軌跡はダンジョン探索の最前線で活動していて、日々最深部を更新し続けていたのだ。
当然有名なパーティなので、その動向をみな気にかけている。それが内輪揉めでメンバーが追放されたとなれば、それはかなりの速度で知れ渡るに決まっている。
「つまり僕がパーティーから追放された問題児ということが知れ渡っているってこと」
これが他の冒険者が僕と組みたがらない理由だ。
パーティから追放されたということは、少なからず問題を抱えているということだ。
そんな奴を進んで組もうとは、パーティに誘おうとは思わない。
「僕だって同じ立場だったら組もうとは思わないし」
そうなると組んでくれる人が居ないので、ソロでダンジョン探索することになる。
当然却下だ、さっきも言ったが無謀なのだ。あまりにも想定される致命傷が多すぎる。足の怪我、毒などの状態異常、単純な力不足、その他色々想定外の事態とか。
ソロでは対応力にどうしても欠けてしまう。だから少なくとも二人以上での探索は最低条件だ。
だから誰か他の冒険者と組みたかったのだが。
「追放された事実をみんな知ってるからなあ……」
だから誰も僕とは組んでくれない。見つかるとしてもどれほど先のことになるのか分からない。
冒険者の中からメンバーを探すのは、ほぼ無理な話という結論にも至ろうというものだ。
「完全に行き詰った……」
「何に行き詰ったんですか?」
声をかけてきたのはこの宿屋の看板娘のアンナだ。
赤い髪の毛をおさげが特徴的で可愛らしい少女で、いつも給仕服を着て忙しそうに店の中を走り回っている。今は少し落ち着いたのか僕と会話する余裕くらいはあるらしい。
「アンナか。まぁ、少し悩みごとがあってね」
「それってパーティから追い出されたことと関係あるんですか?」
「……なんでハッキリ言っちゃうかな」
「それくらいしかないでしょう。みんなその話をしてて聞き飽きちゃいました。」
そう言いながら、テーブルの上の食器を片付けていく。
しかし、みんなその話をしている、か。冒険者の間だけでも相当広がっているらしい。
「うーん、困ったな、これは本当に望み薄だな……」
「だから何をそんなに悩んでるんですか。自分で解決出来ないなら誰かに相談してみたらどうです? 例えば――私とかに」
「……そう、だね。なら聞いてもらおうかな」
そうしてアンナに自分の悩みを聞いてもらうことにした。
自分がパーティーから追放されたこと。ダンジョン探索する必要があるが一人では無謀だから冒険者を誘いたいこと。しかしパーティーから追放されたという評判からそれが厳しいことを伝えた。
彼女に解決出来るとは思っていないから、ダメ元で話してみた。だからあまり期待はしていなかった。
「要は、組んでくれる人を冒険者以外で探す必要があるってことですよね?」
しかし彼女はあっさりと解決策を僕に示してくれた。
「だったら、簡単です。傭兵ギルドで彼らを雇ったらどうですか?」




