パーティー追放、宣告
「え……?」
最初何を言われているか理解できなかった。
「ミアン、お前をこのパーティーから追放する」
彼から――ジャックから放たれた言葉にとてつもない衝撃を受ける。
衝撃でうまく頭が回らない中なんとか言葉を発する。
「……どうして?」
「テメェで分からねぇのか?」
そう言って一度言葉を切って、僕を見つめる。
「――お前最近の探索でモンスターを倒したか?」
「っ、それは」
「ずっと前からそうだった。二人はそれでも構わねぇと思ってたみたいだがな。」
だがそうもいかなくなった。そう言って言葉を続ける。
「今はまだ大きな怪我に繋がる状況にはなってねぇ。だが、今だけだ。俺達は最前線を張り続ける。だから、いつかお前の火力不足が原因で、誰かが死ぬかもしれねぇ。……だからだ。今のお前をこのパーティーには置いておけない」
ジャックの意志は固い、僕一人では彼の決断を覆せないことが分かってしまった。
そんなの受け入れられるわけ、ない。
「……二人はどうなのさ、僕が居なくなってもいいっていうの!? 僕が居なくなっても大丈夫だって――」
「ミアン」
静かにクリスが僕の言葉を遮る。彼女は悲しげな表情をしていた。
「問題ない」
「え」
「君が居なくても問題ないんだよ、ミアン」
その言葉に呆然とする。
今、なんて言った?
「前回の探索で辛勝したフロアボスなんだけどね。実は数日前にジャックの提案で君を抜いた、私達三人で挑んだんだ。イルミナも最初は反対していたんだけど、まあジャックに押し切られてね。」
僕を抜いた三人? 四人でも厳しかったのに、そんなの無理に決まって――
「フロアボスは倒すことが出来たよ。何の問題もなく、むしろあの時より簡単にね」
そんな、そんなことって。
「証明されてしまった以上、私には反論出来ないよ」
「っ! イルミナは!?」
僕は勢い良く彼女に振り向いて問いかける。
彼女は思わずといった様子で、僕の視線から逃げるように顔を逸らして告げた。
「え、えと……。ミ、ミアンさんは自衛能力が最前線のレベルに追い付いていません。そのカバーを、クリスと私でやっていました。だから、ミアンさんが居なければ……」
彼女の言葉は僕が望んだものでは無かった。
「よく分かったんじゃないか? お前の存在が俺達の足を引っ張っているってことがよ」
ジャックの手が僕の肩に置かれる。
「お前の魔法には火力がない、それをカバーする為の自衛力も無い。だから今のお前は足手まといなんだよ」
ジャックの言葉が僕の心に深く突き刺さった。