表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/87

最終話 ストロベリーフィールド

 気が付けば、月末になっており、紗良の誕生日当日となっていた。

紗良には、今日は空けておくように伝えてあった。


「行くよー」


 俺は玄関から紗良に声を掛けた。


「はい、今行きます!!」


 紗良は、階段を降りてきた。

今日は、真っ白なワンピースに、薄いピンク色の小さな鞄を肩にかけたいた。


「兄さん、珍しいですね」


 紗良は俺の服装を見て言った。

俺は、スーツ姿だった。


「ああ、今日はドレスコードあるところに行くからな」

「私、これで大丈夫でしょうか?」


 紗良は、自分の服装を確認するように言った。


「ああ、大丈夫だよ。何の問題もない」


 時刻は午後の15時過ぎ。

早くも無く、遅くもない時間である。


「とりあえず、電車に乗るから駅に向かうね」

「分かりました」


 俺たちは、いつものように駅までの道のりを歩いた。



「次の駅で降りるよ」

「はい」


 電車で隣に座る紗良に言った。

俺たちは、電車で20分ほどのところにある比較的大きな駅へと出てきたいた。


「さあ、こっちだよ」


 俺は、紗良の横を歩きながら誘導していく。

そして、歩くこと10分ちょっとで目的のお店へと到着した。


「ここって……」

「いいからいいから」


 紗良は少し驚いたような表情をしていたが、俺は店へと入って行く。


「予約してます。東條です」


 俺は、店員さんに予約した名前を伝えた。

店員さんはすぐに確認してくれた。


「東條様ですね。お待ちしておりました。ご案内いたします」

「はい」


 物腰柔らかな店員さんにより、俺たちは席に案内された。


「本日は、ありがとうございます。こちらのコースでのご予約を承っておりますが、よろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です」

「かしこまりました。それでは、ごゆっくり」


 そう言うと、店員さんはその場を離れて行った。

そう、俺はちょっと高価なコース料理を予約していたのだ。

俺の稼ぎで賄えるくらいだから。ものすごく高級という訳でもないのだが。


「兄さん、良かったんですか?」

「ん? 何が?」

「高そうですけど……」


 紗良は、ちょっと申し訳ないような表情をていた。


「気にしない気にしない。誕生日なんだからこのくらいはね」

「ありがとうございます」


 紗良の表情は、嬉しそうな表情へと変化した。

その顔を見て俺はホッとした。


 そして、コースが始まって行く。

流石はというべきか、どれも美味しかった。

やがて、コースが終わろうとした時、ロウソクが立てられた、ケーキが運ばれてきた。


『紗良誕生日おめでとう!』


 の文字がそこには書かれていた。


「お誕生日おめでとう!」

「ありがとうございます!」


 紗良は、ろうそくの火を噴き消すと、微笑みを浮かべながら言った。

そして、そのケーキも食べ終わった頃、俺は懐から長細い箱を取り出して、紗良の前に置いた。


「俺からの誕生日プレゼント」

「ええ、まだあるんですか!?」


 紗良はびっくりしていた。


「開けてもいいですか?」

「もちろん」


 紗良は、嬉しそうな表情を浮かべて、箱に巻かれているリボンをそっと外した。


「ネックレスですか……」

「そうだよ」


 紗良はそのネックレスを手に取るとジッと見つめていた。


「ガーネットですね」

「分かるんだ」

「はい、私の誕生石ですから!」


 その表情は凄く優しく、心の底から喜んでいるような表情であった。


「わざわざ調べてくれたんですね! 兄さん、つけてください」


 そう言うと、紗良は髪の毛をたくし上げた。


「はいよ」


 俺は紗良からネックレスを受け取ると、そっと紗良の首に付けた。


「ありがとうございます! 最高の誕生日です!」


 紗良は天使のような微笑みを浮かべて言った。


「紗良、俺と紗良は義理の兄弟だ。だから、その、結婚とかもできる。これからは妹としてじゃない、彼女として傍に居てくれないか? 俺は紗良が好きだ」


 俺は、思いの丈を紗良にぶつけた。


「ふふふ、知ってますよ。だって、一冊の本になった兄さんの気持ちをもらったんですから」


 そう言うと、紗良は俺の出版した本を鞄の中から取り出すとそう言った。

その笑顔は世界一美しいと思った。



 ♢


 


 俺たちの席のテーブルには、小さなストロベリーフィールドの花が飾られていた。

これは、俺が頼んで飾ってもらったのだ。

その花言葉は……



『変わらぬ愛を永遠に』



 ――完――


 最終話をお読み頂き、ありがとうございます。

この話は10万字で完結させると決めておりました。

最終話の展開も最初から決めてあった作品です。

楽しんでいただけましたら幸いです。


 ここから、二人はお互いを想い合うことになります。

そのお話は、また後日談として書かせて頂く予定です。

最後まで春輝と紗良の日常を見守って下さり、ありがとうございました。


 それでは、またお会いしましょう。

あとがき失礼しました。


【作者からのお願い】


「面白かった!」「続きが気になる!」といった方は、

広告の下にある☆☆☆☆☆から★★★★★への評価や、ブクマへの登録をお願いいたします!


執筆の励みになりますので、何卒お願いいたします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] お互いの優しい目線が素敵でした 読了して、ほんわかできました [気になる点] 後日談が読みたいです [一言] 二人とも、お互いを好きな言葉が 普通にもれてくるところが、 散りばめられていて…
[一言] とても面白かったです。新作も楽しみにしてますのでこれからも執筆頑張ってください。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ