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第83話 マホガクアニメ版最終回

 学校からの帰り道、今日も変わらず紗良と並んで歩いて家に帰る。

俺の仕事の忙しさを心配した顧問からは、しばらく休めと忠告されてしまった。

あの顧問も、普段は悪態ばかりついているが、結構いい教師なのである。


「いよいよ今日ですね」


 隣を歩く紗良が、俺に話を振ってきた。


「ああ、そうだな。早かったなぁ」


 今日はワンクールやった『魔法学園の最強賢者』のアニメ最終回の放送日だった。

最初はどうなることかと思ったが、最後まで好評のまま走り切ることが出来た。

ここだけの話、第二期の制作も決定している。


「楽しみですね!」


 紗良は、1視聴者としてアニメを楽しんでいる様子だった。

俺が貸した原作本も全巻制覇していた。

たまに、俺と小田霧のサインが入った原作本をニヤニヤしながら見ているのを俺は知っている。


「ああ、あそこは2巻の中でも盛り上がるポイントだからな」


 アニメは2巻のラストまでが放送予定だった。

小田霧の本は文量がかなり多い為、そこまでとされたんだろう。

最終回は、俺の提供した題字が最も多く使われている回となる。

俺としても、最終回の出来は楽しみであった。


「そうですよね! あのシーンがアニメだとどうなるのか!!」

「だな」


 紗良は楽しそうであった。

そして、家に着く頃には辺りは夕焼けに染まっていた。



 ♢



「兄さん、そろそろ始まりますよ」

「分かったー」


 俺は、飲み物を用意するとテレビの前のソファーに腰を下ろした。

そこに、紗良がぴったりとくっついてくる。

これが無意識ならお兄ちゃんは心配だよ……

と、妹の未来を心配するのも束の間、アニメが始まった。


「お、兄さんの文字だ!」


 オープニングテーマと同時に俺の書いた題字が表示された。

我ながら、世界観に合った文字が表現出来たと思っている。


「おお、やっぱり映像だとバトルシーンは迫力が違うな」

「ですです!」


 文章だけでは表現できなかったものが、アニメでは見事に表現されている。

媒体が違うとここまで変わるものかというほどに。


「いやぁ、面白かったな」

「そうですね!!」


 30分のアニメはあっという間にエンドロールが流れる。

そこには、しっかり題字、書道監修として東條零の名前が入っていた。


 俺はスマホを取り出すと、SNSのアプリを立ち上げる。


『マホガク最終回をご覧いただきありがとうございました! そして、何と明日、重大発表があります』


 という内容を俺は自身のSNSのアカウントに投降した。


『アニメ最高でした!』

『先生の文字が素晴らしかったです』

『これは、二期期待』


 そんな内容のメッセージが俺のアカウントに寄せられていた。



 ♢



 その翌日の夕方、アニメの公式アカウントから二期制作決定の内容が発表された。

これにより、また大きく盛り上がった。

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