表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

21/87

第21話 生徒会誌

  生徒会長の舞香は、去年の生徒会誌を春輝の目の前に掲げてきた。


「それ、去年の生徒会誌ですよね?」

「そうだよ。見て、これ。表紙絵はまあ、よく描けていると思うけど、字がゴシック体って」

「はぁ、それで?」

「面白くないじゃないない!」


 舞香が頬を膨らませていた。


「まあ、その、面白くないという意見には賛成だな」

「でしょ! だから、東條くんに書いてもらいたいの!」


 舞香がグッと近づいてくる。


「だから、近いって」


 俺は、舞香の肩を掴み、引きはがした。


「ごめんごめん。ちょっとテンション上がっちゃって」

「それで、俺はなんて書けばいいんだ?」

「えっとね、これを書いて欲しいの」


 舞香が、メモ帳にペンを走らせる。

書き終わったものをちぎると、俺に渡して来た。


「飛翔、ですか」

「あ、今、ありきたりとか思ったでしょ?」

「い、いえ、そんなことは、無いです。はい」

「まあ、いいわ。とりあえずよろしくね!」

「分かりました。とりあえず、何パターンか出してみます。じゃあ、僕はこれで」


 そう言うと、俺は立ち上がった。


「よろしくねー!」

「はいよ」


 生徒会室を出ると、そのまま書道室へと向かった。

書道室に入り、定位置に座る。


「こんにちは」

「「こんにちはー」」

「お疲れ様です」


 俺が挨拶すると、挨拶が返ってくる。


「さて、書くかな」


 準備を整えると、さっきの生徒会長からもらった紙を取り出した。

半紙に『飛翔』と、とりあえず、楷書、行書、草書の3つの書体で書いてみた。


「読みやすくて、素人ウケがいいのは行書だろうな」


 そう思い、俺は行書を中心に練習していく。


「まあ、こんなもんかな」


 一通りの練習を終えると、時計は17時を指していた。

部室を見回すと、残っているのは莉緒だけだった。


「おい、莉緒。俺、もう、帰るぞ」

「お疲れ様ー」

「最近、頑張りすぎじゃないか?」

「ありがとう。でも、まだ、大丈夫よ」

「ならいいが、あんまり無理すんなよ」

「うん……天才には分からないわよ」


 莉緒は、俺に聞こえないくらいの声で言った。。


「何か言ったか?」

「なんでもない」


 それだけ言うと、春輝は鞄を肩にかけ、学校を後にする。

一人で、家までの道のりを歩く。

数十分歩くと、家の前まで到着した。


「ただいまー」


 自分の持っている、鍵で玄関を開けた。


「おかえりなさい!」


 リビングに居た紗良が、顔を出した。


「おう、ただいま。着替えてくるな」

「はい!」


 自分の部屋へと行くと、部屋着に着替え、荷物を置いた。


「さて、飯作るか」


 リビングに降りると、テレビを眺めていた紗良に向かって言った。


「今日は、何を作るんですか?」

「冷蔵庫に、カレーの材料があったと思うから、カレーにしようかと思って」

「いいですね! 私もお手伝いします」


 そう言って、紗良は意気込んでいた。

 

いかがでしたでしょうか?

楽しんで頂けましたら幸いです!


少しでも「気になる」「面白い」「続きが読みたい」と思われましたら下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけると幸いです!

感想・ブクマも大歓迎!


どうぞよろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ