鬼の目にも涙
僕は鬼だ、生まれつき、頭に角が2本ある、僕はみんなと友達になりたい、でも、なれないよ、みんなが僕を怖がるから、角がある以外は、何の能力も無いんだ、
ある日、手を差し伸べてくれた子がいた、その子は普段は冷たいが、僕の隣にいつも寄り添ってくれた、
その子は虐められた、僕と仲良くしているから、僕はその子を助けられなかった、ひっそりと、一人で泣いていたことを知っていたのに、その子は虐める側に寝返った、それでいいんだと、自分で納得した、結局、僕はもうその子と会わなかった、怖かったからだ、そして、次は僕が虐められた、悲しかった、真冬にかけられるバケツの水は、とても痛かった、冷たかった、 嫌になった、何もかも、
学校の屋上、風が強く吹き、僕を痛めつける、太陽は雲に隠れながら、僕をあざ笑っているような気がした、僕は嫌いだ、虐める君たちも、そして、何も出来なかった僕自身も、誰も愛してくれない僕を神は愛してくれるだろうか、僕に生きた意味をくれるだろうか、
一歩、また、一歩と足が動く、
鬼の目には、もう涙など無かった。
私の初めて投稿する小説でございます。 この作品は、現代社会における、差別や誹謗中傷などと言ったものが少なくなる事を願って書かせていただきました。