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生生老老病病死  作者:
1/4

toot toot toot


 これは詩ではなく盲目な人間たちをほめたたえその周りを縛り上げ吊るし炭鉱労働者のように苦難の日々を送らせることが聡明であるはずがない。よくよくあなたとの差分をとってください。それは浄土の助けでありこの世に降り立つ6万巻の竜巻が飲み込む日まであなたの退屈を続けるので。




 私にとげつく歯のある魚が噛みつき滴る血がまるでどろどろのタールのように地面にとぐろを巻いてその粘着質でつやのある肌を輝かした。サカナの口を引き裂き貫いた悪意にあふれる棘を抜くとそこにDNAの幻覚が現れ私を二重螺旋の世界にいざなう。広告の構図はまるで僧侶が祈りを捧げ杖を振りかざす荘厳さに似ていると友人も言っていた。

 ところがここでは砂漠化が進行し魚はいなくなった。いまやいるのはサカナだけ。土の中で細々と暮らしときたま旅に出て雪の降る北国をとぼとぼあるくのだがその様子ははたから見ても全く滑稽である。天を仰げば黒い月が黒々と光を放ちついに私は貫かれる。全く光速というものはどこから見ても変わらずに私をしっかり狙ってくるのだがそれはまた別の話。ところが貫かれた私の体に傷はなく完全な人間のままだ。私は嬉しさについ隣の老人に話しかけたがその老人に話しかけると体が溶けてしまうことを思い出しもう後の祭りの囃子の音頭が温度の壁で私を潰す。今回は仕方がないので結構です。またのご来光をお待ちしております。



 おりますありますありません。うなる獣に対峙する私は魚ではないしつい酒の肴に一杯イカをすすったものの墨が私の皮を汚してしまった。つながる意識と川の流れに促されてついボタンを押してしまったのだが元来ボタンを留めることも牡丹を食べることもできるのでしょうか。頭が混乱し混迷を極めまさに脳内世紀末。飛び回っているのは蜂ではなく鉢であったことに気づく。その気づきこそ大切な生命体のエッセンスであり7の7倍いる私のいやらしく汚らわしく醜いウナギたちが頷いている。これは実に面白いことであり私の足元はまさにその通りに私の足にとびかかり引きずり込もうとする。引きずり込まれるとそこは真っ暗であるが当然真っ暗なのは恐ろしく恐怖の対象で逃げるしかない。いざもろ手を挙げて足を踏み出さん。



 白く丸い花弁をうわつらだけに張り付けて仮面のような笑いを浮かべている花の畑では私は夏の田園を思い浮かべるしかない。これは冬の寒い太陽の光のなすプリズムではありえないことではない。私はどっかと栃の木の下に腰を下ろしたがこれは決して私が土地の主であることを意味しないし当然生えた手に追い払われてしまった。生えたての三つ葉はミツバチの住処のようだが蜂は良くない。あれは裏切り者のアリだ。ちくりと胸に痛みを覚えたのは胸に入り込んだアリの仕業に違いなく私は体内の(胎内の?)胞子をあきれるほどまき散らすキノコに見立てた。従順に育った私の犬はキツネではなくエキノコックスは全く関係がないのだ。ついに土にまみれて泥の人形となって木の箱に入れられてしまったらしいが私の母校はそんな効果を持っていなかった。山を越えると白亜の太古の大佐が現れて私についついと銃をかしげる。コミュニケーションの取り方は幸い忘れてきたので私はクレーの円盤を取り出し投げると喜ぶことは知っていた。これからも知っていくつもりだ。いくつもの知を重ねてべとべとした粘着質の廃墟になるまでプロセスは続行される。ともあれ裁判の続きは気になるが四角く囲われた子供用玩具がちょろりと漏れ出し枝も白く丸まった幼虫もみなみな手をたたく。すばらしく輝くさまはまるで白熱電球のようなすがすがしい人生ではなかろうか。北斗もゆらゆら邪魔なビル群と押し合いへし合いしながら談笑しているなんてそんな元素の反応がただつらく歪んで永遠に失われては神話はおしまいだ。なのでこの話もおしまいだ。




 めでたく終わったお話を続けてはうつらうつらと暖炉のソファが呻きだす。優しい人は芋虫を食べるので私はそれを称えることしかできない。スーパーマーケットには売っていないティッシュボックスのそばにひっそりと暮らす電子レンジ虫はその身を恋のマイクロ波で焼き焦がす。悲しみと慈愛に満ちた目で家電製品虫たちは葬式を行うのだ。葬式は全く厳粛だった。消し炭のにおいが漂う中で生まれる新たな子は呪われるべきであろう。呪わしき悪魔は8等分することはできるが17等分ができないとはなんと不幸で名高く気高きけだものであろうか。もはや解凍することもできぬほどに凍り付いた愉快のテーブルクロスは上にケチャップを撒き散らしてしまうのは全くの愚行である。

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