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返信

 ポニーのギルドを訪れてから、早3日が経過した。


 あんなに真ん中に貼ったはずなのに、あれからララのペーパーフォンに返信はなかった。


 なにが行けなかったのかしら?


 やっぱりミッションの難易度を上げたことが悪かったのかしら?


「入りますぞ」


 ドアを叩く音と同時に爺やが入ってきた。


「もういきなり入ってこないでよ!」


「入りますぞって言ったんじゃがな。はい、クッキーと紅茶ですよ」


「もう、ノックしてから普通何秒か待つものよ!」


「はいはい」


 怒りながらもクッキーに手をつけるララをみて爺やは安心した。


 パーラーと別れたと聞いてから、ララの様子が気が気ではなかったのだ。


「ララ様、これからどうするおつもりですか?」


「私ね、もう一度、ダンジョンに行こうと思うの!」


「それは本気でございますか?ララ様」


「もちろん本気よ。もう仲間集めも始めたんだから」


 ララは自慢げにペーパーフォンを見せた。


「ララ様、本気と言うのはどれほどのランクのミッションをお考えなのですか?」


「募集の紙には高ランク希望って書いといたけど」


「ララ様、ダンジョンに何年も行ってないから知らないのかもしれませんが、現在では高ランクミッションに挑もうとするのは上位貴族だけなのですよ」


「え?」


「やはり。知りませんでしたか。来年に迫った、王位継承決定式に向けて、上位貴族で高ランクミッションをどれだけクリアするかが競われています。一年後にランクが一位だったものが、王族となるのですからね」


「それと何が関係あるのよ。普通の人だって高ランクミッション参加するでしょ!」


「5年前ならそうでしょうが、今年から上記の理由で高ランクミッションの難易度が跳ね上がっているのです。そのミッションに挑むために上位貴族達は軍隊を率いてミッションに挑むほどです」


 なるほど、だからポニーも高ランクにしたいって言ったら止めてきたのか。


 Sランクなんて書いちゃったら誰も連絡してこないから…


「そうだったのね。だから、わたしのペーパーフォンに誰も連絡してこないんだ」


「お気を落とさずに、ララ様。ランクを下げた募集をすれば集まりますよ。ダンジョンはもはや庶民にとっては娯楽施設と化してますからね。上位貴族はランクのために、それ以外は遊び感覚。これがいまの常識」


 と言ってる途中だった。


 ララの表情が華やいだ。


「爺や来たわよ!ペーパーフォンに連絡が!」


 そう!来たのである!3日ならなかった彼女のペーパーフォンが動き出したのである。


 一体高ランクミッションに挑もうとする命知らずの人物は、ペーパーフォンの向こう側の人物は、どんな人間なのだろうか?

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