プロフィールを書きますわ
「って勢いで貼っちゃったけどあんたの事何にもかけてないじゃない」
ポーラは掲示板に貼った紙をベリっと外した。
「誰が募集してるのか分かんないと誰も応募してこないわよ」
「確かにそうね。でも一体なにを書けばいいのかわからないわ」
「そうねぇ、まぁ妥当なところなら自分のスキルと相手の求めるスキル。あとどんなミッションに参加しようと思っているか?簡単なミッションなのか。ランク狙いの難しいミッションか」
ララは恋愛目的でダンジョンに参加するので、基本的に相手に求めるスキルなんてものはない。
そして、ミッションの難易度もどうでもいい。
「ねぇ、どんな募集が1番人が集まるのかな?私、相手に求めるものはないんだけど」
「あらそうなのぉ?ちょっとくらい希望はあるんじゃないの?」
希望…ここでいう希望とは、好きな男性のタイプということなのだろうか?
「優しくて…強い人がいいかなぁ」
「好きなタイプ聞いてるんじゃないわよ」
「いっ…いやそんな感じで言ったつもりないわよ!あなたがどうしてもっていうから!」
「わかった、わかった。ホントあんた母さんに似てきたねぇ」
ポニーはサラサラと紙に文字を書いている。
「こんな感じでいいだろ」
[一緒にダンジョンに参加してくれる人募集中!求めるスキルは特にありません!私は魔術全般の知識と体術が使えます。ミッションにも特にこだわりはありません。興味を持ってくれた人はこちらまで連絡を!。ペーパーフォンID jx56876gtn」
「これでいいでしょ。真中貼っとけば、誰かは連絡してくるはず」
ララはポーラの書いた文章を読んだ。
「ねぇ、私の実力からして、ミッションはどれくらいの難易度ならクリア出来そうなの?」
「あなたのピーク時の実力がそのままならAランクは余裕よ。元一位よあなた。でもSが限界って感じかな?昔と違ってだいぶミッションが私の難易度上がってるし。まぁでもミッションによるんだけど」
「ミッションは何段階に分かれてるんだっけ?」
「Sが最高難易度でFが最低ね」
ちょっと待って!もし、実力のない奴が来たらそもそも吊り橋効果になるほどの【ピンチ】にならないんじゃないの?
ただ楽なミッションをクリアするだけじゃダメなの!ピンチになって生死のドキドキ感を共有しなければ!
「ポーラ、ミッションは高ランク希望にしといて!」
「えぇ?あなた大丈夫なの?仮にも花嫁修行しかしてなかったんでしょ?」
「私を誰だと思ってるのよ」
「いや、でもさすがに高ランクだと人集まらないかもよ。昔と違って今はも」
「私は元1位なのよ」
止めるよう忠告するポーラから紙をぶんどった。
そして元ランク1位であるララは紙を書き換え掲示板の真中へ貼った。
果たしてララと共にダンジョンへ向かいたいという猛者から連絡は来るのだろうか?