ギルド
ダンジョン、それは10年前に突如として現れた謎の建築物である。その中は今まで人間が見たことない生物が存在した。ゴブリン、スライム状の生き物、人間の言葉を理解できるモンスターから、闇雲に人を襲う知能指数の低いモンスターまで多くの種類が存在している。
もちろん財宝や薬草、魔法石と言った資源も豊富に存在している。
それ故に、ダンジョンには王族から様々なミッションが言い渡されている。
ダンジョンにあると言われている、万病に効くと噂のゴールデンリーフ、一生消えることのない火、とってもとっても無くならないリンゴの木、などミッションは多岐にわたる。
そのミッションをクリアする事で一般市民は貴族階級に、貴族階級は王族にへと、ステップアップする。
そう、ダンジョンとは、人間の欲望なのだ。
そんな場所に恋愛目的で行こうとしているのがララなのである。
ララがダンジョンに行くために来た場所、それはギルド。
ギルドでは各王族のミッションや各地に点在しているダンジョンの情報、ミッション参加者の情報、とにかく情報がたくさんあるのだ。
ここにこないとダンジョンの場所も分からない。
ララは扉を開け、ギルドに入った。
「あら!ララじゃない、久しぶりね」
「ポニーおばさん、久しぶり!」
「あなたずっと顔見せないもんだから心配してたんだよ」
「ごめんなさい」
「まぁでも、しょうがないか。お母さんがあんなことになったんだもんね。もうダンジョンなんか嫌になっちゃうわよね」
ララは黙った。そんな私がダンジョンに参加しにきたとは、言いづらくなってしまったから。
「それでなぁに?今日はこんなところになんのようなの?」
「ポニーさん、私ね、またダンジョンに参加しようと思うの。それでダンジョンの情報を聞きにきたの」
「あら!?あなたなんの風の吹き回し?今更またダンジョンに参加するの?」
「うん、少し思うところがあって、また頑張って王族のために頑張ろうかなぁって!」
嘘である。恋愛したいだけである。
「嘘おっしゃい!ここに来る連中はみんな自分のことしか考えてないよ!」
バレている。
「理由はどうあれ、ダンジョン、参加できるんでしょ?」
ララはカウンターに座るポニーへ迫った。
ポニーは吸っていたタバコの火を消した。
「あんた参加できないよ」
え?わたしがダンジョンに参加できない?
一体どうしてなのよ???