第258話 幹線道路の信号待ち
国道55号線は片側3車線だが、市内に向けて走るトラックや一般車両の交通量は多く、信号に引っ掛かってばかりだ。円滑に流れるときがあっても、謀ったかのように次の交差点の信号に引っ掛かる。この場合、謀ったというのは徳島県警の交通課だろうか。同じ仕事仲間に矛を向けるのはなんか違うが……。
「秋田県警から情報が」
悠夏は展開された情報を確認し、読み上げる。
「伊島 陞と甲森 英丈の2名を逮捕。車内から紅 湖舞さんを無事に救出とのことです。伊島と甲森は犯行実行まで面識はなく、互いに反抗的とのことです。秘匿性があるアプリ内で、ダイレクトメールで指示役と連絡を取り、湖舞さんと狸人の高六科 臣音さんを誘拐し監禁していました。2人が脱走を試みたところ、脱出直前に気付いて、湖舞さんだけが捕まり、臣音さんは脱出。車に乗せて、逃亡を図ったとのことです。指示役については直接会ったことがないみたいですね……」
秋田の事件はこれで一段落だろう。秋田県警がこれから2人の取り調べを行うだろうが、おそらく指示役や他の犯人グループのメンバーについて情報は出てこないだろう。
悠夏は捜査本部からのデータや捜査情報をタブレットでひとつひとつ確認する。いろいろな情報が来ており、見落としはないだろうか。
「……狸人の名前が判明していますね」
悠夏がスクロールすると、一覧表で書かれていた。読み上げずに目視で確認する。名前が書かれているけれども、一読しただけで憶えられるはずがない。
由淵 威策は、徳島市内イベント会場にて狸火発生。堀脇 勇尚は、大鳴門橋の高速バス車内にて狸火発生。悦見 富依は、瀬戸大橋の高速バス車内にて狸火発生。戒能 希輪は、しまなみ海道の高速バス車内にて狸火発生。古字 英冴は、四国縦断新幹線車内にて狸火発生。尾楠 麻輸里は、リニア四国縦断新幹線車内にて狸火発生。糸林 二千歩は、紀伊興産オーシャンフェリーの船内にて狸火発生。真部 有剛は、高神運航フェリーの船内にて狸火発生。薮下 鈴湖は、高知龍馬空港の小型飛行機のラッピングにて狸火発生。中阿地 欣美と小舩 実瑠可は、高知龍馬空港の小型飛行機内にて巻き込まれ、自身も狸火発生。
一覧表には生存かどうかについても記載されているが、ここでは省略する。
「狸人って名字はバラバラなんだ……」
悠夏の何気ない呟きに鐃警が反応して
「人間として働くための通名みたいなものだと思いますよ」
家族となれば大抵は名字が同じになる。通名だと、どうなのだろうか。鐃警が横からリストを覗き込み、「うーん」と唸ると
「高六科さんたちと違って、名前に狸の法則性がない……?」
「警部、どういう意味ですか?」
「いえ、僕はてっきり狸人は必ず狸に関する漢字や言葉を使うモノだと思っていたんですけど、そうじゃないようで」
「確か交番に駆け込んだ少女は狐塚さんで、狸というよりも狐でしたよね?」
鐃警がいうそのルールに適さない。他に名前を知っているのは……、と悠夏が考えようとしていると
「実は瀧元巡査長に調査依頼していたとき、もらった人物名がすべて狸に関わる名前だったので」
「そうなんですか」
悠夏はタブレットで瀧元巡査長からの情報を探すと、情報共有としてこちらにも届いていた。事件に関係するかどうかはまだ分からないが、調べたことの情報共有ですと書かれており、資料のPDFが添付されていた。
「警部の言っていた情報って、これですか? 剣山動植物園」
「佐倉巡査、その資料の写真を見て気になりませんか?」
鐃警に言われて、PDFを開いて写真を確認する。狸が園内を散歩しており、遠足できた幼稚園児たちの前を気にせずに横切っている。園長と思われる人物とバケツを持った飼育員も写っているが、気になる点が。
「尻尾ですか? これ」
「瀧元巡査長が偶然見つけたアーカイブ記事らしいんですが、ここに写っている園長や飼育員、園児達も尻尾があるんですよ」
「……本物ですかね?」
写真は白黒で解像度も粗い。仮想グッズかなにかで尻尾を付けているだけかもしれない。
「記事に尻尾について言及はないですね……」
狸のイベントでもなさそうだ。
「佐倉巡査も気になりますか?」
「気になりますけど……、もう閉園したって書いてますよ。ホームページとかも残ってないでしょうし……」
「公式はもう残ってないですけど、インターネットには残ってるかもしれないので、サイバーセキュリティ課に頼んでサルベージしてもらってます」
「ああ……魚拓ですか」
悠夏も知っている。魚拓の本来の意味は、釣った魚に墨を塗り、和紙で魚の形を写すことだ。それが転じて、インターネットのWebページを別の媒体に保存して、そのWebページが見えなくなっても、ローカルや保存した別のサーバーで閲覧ができるという意味でもある。
「サービスが終わるからって、好きだった作品のWebページをPDFで保存したことはありますけど……」
「ネットなら転載やら自動アーカイブ化しているシステムとかあるらしいんで、探せば見つかるかと」
「……警察が利用していいんですかね。グレーなところとかありますけど」
そう言うと、鐃警が両手で耳を塞いでいた。どうやら一時的にそのような話は聞こえないらしい。
「ちなみにウィキページは存在しませんでした。もしかすると民間経営か、ボランティア団体かもしれませんね」
耳を塞いだまま喋っている。ちなみに、ロボットなのにわざわざ両手で耳を塞ぐ仕草をしているのは、ボディーランゲージであり、機能的に聴覚を遮断はしていなさそうだ。その辺りを詳しく説明するのは野暮だろうか。
ピコンと通知の音がすると、先程のPDFの画面上部に、捜査本部からの連絡通知が表示されていた。
「なにか情報ですか?」
鐃警に聞かれ、悠夏はすぐに連絡内容を確認する。タブレットの画面が遷移し、別の資料が表示される。
「瀬名君から聞いた”40歳くらいの強面の男”。香川県警が捜査した結果、屋島の防犯カメラで対象の男を見つけたそうです。前科があり、名前も分かったようで……遅沢 司展。元指定暴力団に所属して、銃刀法違反で逮捕されていたようです」
遙真たちが香川で旅行をしていたとき、各地で見かけたという男に関する情報だ。ちなみに銃刀法の正式名称は”銃砲刀剣類所持等取締法”とのこと。
「遅沢は屋島だけではなく、高松駅にもいた……」
資料には防犯カメラの写真がいくつもある。悠夏は資料を鐃警にも共有する。
「なるほど。ホームの防犯カメラと言うことは、電車に乗って西阿波市駅まで同じ特急に乗った可能性も……」
「そうですね。同じ汽車に乗った可能性は確かに……」
鐃警が電車と言ったが、悠夏は汽車と言った件だが、ディーゼルエンジンのため電車ではない。徳島県内の鉄道網は電化されていないため、汽車という人が多いそうだ。一応四国縦断新幹線とリニア四国縦断新幹線があるものの、それ以外の路線は電化されていないため、大半が汽車だ。
資料を眺めていると、また新たに通知が届く。今度は瀧元巡査長からの情報だ。
「警部。例の動植物園についての情報みたいです」
果たして、事件と関係しているのだろうか……
To be continued…
現実だと四国に新幹線もリニアも走っていないので、徳島は全国で唯一電化されていない県だったかと。あと、踏切の標識が汽車のマークになっているようです。
倉知副総監たちは国道55号線を小松島市から徳島市街へと北上中です。実際にはどのくらい渋滞するか知らないんですが、悠夏たちの推理パートをするために渋滞はしばらく続く見込みです。
さて、1年すこしと長くなってきた四国狸篇。ぼちぼちキャラクターを整理するために、年明け早々読み返してキャラ一覧を作成しました。
では現在進行中の四国狸篇(第216話~第257話)に関係するキャラを抜粋した一覧は下記の通りです。怪奇薬品と各地のまつりについても少し触れています。
【登場キャラ一覧】
・佐倉 悠夏。警視庁特課の巡査。弟妹と母親が誘拐され、捜査のために四国を奔走。
・鐃警。警視庁特課のロボット警部。
・佐倉 遙華。悠夏の妹。8月11日の夜に誘拐被害に遭う。
・佐倉 遙真。悠夏の弟。遙華と双子。誘拐の際、ワイヤレスイヤホンの片方をわざと道路に落としたことで、誘拐場所を悠夏に知らせる。薬品を嗅がされる際に息を止めたことで、早く目を覚ました。
・奈那塚 アリー。
・瀬名 大悟。旅行中に見かけた強面の男について、情報を悠夏に伝える。
・毛利 貴之。
・佐倉 佳澄。悠夏の母親。遙真と遙華が帰ってこないことを心配していると、自宅に犯人が押しかけてきて誘拐被害に遭う。
・マシュ。佐倉家の飼い猫。佳澄を追いかけて、誘拐犯の車に乗り込んだ。悠夏が首元のGPSに気付き、誘拐犯たちの居場所が特定できた。
・蓼聱牙 良輔。警視庁の警視総監。捜査一課のメンバーに四国での捜査を指示する。その際、東雲警部を紹介。
・榊原 岾人。警視庁刑事部捜査一課の警部。引田の死亡事件を捜査。高速バスで写真の人物を見かけ同乗。大鳴門橋で変化を目撃し、狸火が発生。
・藍川 桑栄。警視庁刑事部捜査一課の巡査。榊原と同道。
・長谷 貞須惠。警視庁刑事部捜査一課の警部補。蓼聱牙からの命を受けて、榊原と藍川に四国での捜査指示を出した。
・東雲 柚奈。34歳女性警部。公安部からの出戻りで捜査一課に所属する。倉知の動向を探っていた。阿波踊り会館駐車場で不審な車を発見し、捜査しているとその車両の爆発に巻き込まれ、後頭部出血の怪我。
・米澤。警視庁刑事部捜査一課所属。悠夏の弟妹の誘拐事件発生により四国へ派遣。
・秋月 准。警視庁刑事部捜査一課の警部。土佐島の司法解剖結果を入手し、長谷に渡した。
・宮森。徳島県警所属の警部。悠夏と実家の捜査に同行。
・鵜澤。徳島県警所属の巡査。
・伊與田 武章。警視庁生活安全部サイバーセキュリティ課の警部補。
・瀧元 瀧一。警視庁生活安全部サイバーセキュリティ課所の巡査長。
・政野。徳島県警所属。
・松原。香川県警東讃岐警察署の警部補。
・狐塚 茉未。交番に駆け込んだ狸人の少女。
・桑平。徳島県警捜査一課特殊班のSITを指示する警部。
・薩田 輝兎。公安所属の女性警部。東雲からナンバー照会の依頼を受ける。
・簗場 成俊。新人賞を獲った俳優。
・仁賀木。西阿波消防本部の消防士長。
・浅長。西阿波消防本部の消防司令長。
・小倉石 馨。女性ニュースキャスター。
・鴻原 光隼。偽造ナンバーの車のドアを開ける瞬間に爆発が発生し、意識不明の重体。
・パピオン。偽造ナンバーの車に乗っていた犬。
・サブ。”TubeLiving”の配信者。来島海峡第三大橋をサイクリングで渡っていると、高速バスの炎上事故を目撃する。
・ライ。同じく配信者でコラボ配信のサイクリング中に事故を目撃する。
・田部井 琉介。佳澄を誘拐した犯人の1人。
・非浦 勇地。佳澄を誘拐した犯人の1人。
・島谷 久場。佳澄を誘拐した犯人の1人。
・木保 福恵。リアーリャ・チバティルの社員。『狭霧の鍵』にて脚本を担当する1人。
・落合。ゲーム会社の開発統括部の専任課長。
・内場。警部。伊鞠の取り調べを担当する。
・霧越。巡査長。
・目駒 新亥。剣山動植物園の園長。
・蜂六科 沢井。剣山動植物園の飼育員。
・虎和希 剛美。閉園間近の剣山動植物園を取材し、記事を書いた阿波新聞の記者。
・金長狸。徳島県小松島市日峰町に位置する阿波金長神社の山に住む。
・蔵本。徳島ウミガメ専門交番の巡査。金長狸について悠夏から聞かれ、羽ノ浦を紹介。
・羽ノ浦。阿南小松島警察署の生活安全部にいた元警察官。金長狸のことを知っていた。
・玉邑 蒴。湘南海岸の海の家で働く双子の姉。23歳。
・玉邑 音凜。姉と同じ海の家で働く。
・珂巳野。システムエンジニア。アストンロラボ株式会社の部長。
・沢登。アストンロラボ株式会社の新人。
・沢田。巡査長。沢田班は、捜査本部にてカメラ映像の確認を担当。
・上原。新米男性警察官。巡査。
・小泉。巡査。
・遠藤。沢田班の紅一点である巡査。ワゴン車の映像を発見した。
・名葉 琢道。和歌山県紀伊国町在住の現在24歳男性。金長狸が話した狸人の村に迷い込んだ人物と思われる。
・設和 歌香。名葉さんの彼女で2017年当時21歳。石鎚山を3人で登っていた。
・設和 秀。歌香の父親。
・奥野 彬奈。黒のワゴン車が盗難被害に遭う。
・杉戸 俊宏。『狭霧の鍵』事件にて死亡した被害者。
・斑鳩川 飃。肥前村の事件に関して、杉戸から調査依頼を受けていた。
2014年6月、佐賀県西九州郡肥前村。
・椋本 伊鞠。佐賀県西九州郡肥前村出身。母親から日常的に暴力を受けていた。特課に対して盗聴した疑いで逮捕された際、櫧荃と名乗る。十分な教育を受けられず、義務教育の知識が無い。
・椋本 多海。伊鞠の母親。ギャンブルや仕事のストレスを抱えた夫から日々暴行を受けていた。多海が子を授かった頃に夫は心筋梗塞で亡くなった。親族の七回忌に現れず、その3ヶ月後に肥前村の山道で遺体となって発見。
・三入 将猶。オールバックの40代男性。小舩を連れていき、スーツの男と小舩を小型飛行機に搭乗させその場を去った。備前村の事件に関わっている。
・櫧荃 立夜。斑鳩川曰く、ヤンキーの男。父親から暴力を受けていたこともあり、同じ境遇の伊鞠に手を差し伸べた。
2014年7月末、東京都内。
・倉知 音弥。警視庁の副総監。特課を直轄管理。2014年に妻子を誘拐事件で失った。なお当時は警視監だった。
・倉知 海翔。音弥の息子。1人で学校からの帰宅中に誘拐された。
・倉知 奏空。倉知の妻。
・引田 三六。46歳男性。海翔の担当教諭だった。海翔が1人で下校することを止めていれば被害に遭わなかったと思い詰め、2019年7月に死亡。
・大川。東讃岐警察署の警部補。引田の自殺事件を担当。引田の家で何者かに襲われ死亡。
・二階原 由良樹。倉知の妻子を誘拐した犯人で服役中。2人の遺体と同じ空き家にいたところを逮捕。過去の貯蓄を資金源にしていた。倉知が担当した詐欺事件で逮捕しており、その逆恨みによる犯行だった。
・岩橋 和宏。2014年に主犯と交渉を務める。当時警部補。現在は警部。
2016年6月30日、熊本県東肥後村。
・桜庭 庵。当時23歳の女性。誘拐被害者。7月2日に、喜世子とともに遺体となって発見。
・桜庭 喜世子。娘の庵を探しに出て、誘拐被害。
・桜庭 淳基。庵の父親。誘拐犯から電話を受け、”絶望を味わえ”と言われた。
2018年8月9日、高知県の土佐島。
・遠賀 常枝。当時14歳男子。誘拐被害者。8月11日の深夜、よさこい祭りから撤収した市の職員が、倉庫の中で3人の遺体を発見。3名の司法解剖の結果、肺と血液からエーテルが検出。怪奇薬品の”喪神薬”が使用された疑い。
・福富 理絵。当時13歳女子。常枝とは従兄弟。誘拐被害者。
・遠賀 好恵。当時70歳。常枝と理絵の祖母であり、島内で2人を捜索するが、自身も誘拐被害者となる。
・遠賀 里一。好恵の夫。電話相手の態度に激怒して電話を切ってしまった。それ以降連絡は無かった。
2018年8月19日、福島県磐代村。
・野城 未依夏。当時20歳の女子大生。帰宅途中で誘拐被害。
・野城 志麻。未依夏の母親。警察に通報後、誘拐被害。
・月舘 多恵。志麻の姉。犯人から連絡があり、絶望という単語を耳にしていた。
2019年8月現在、秋田県北出羽町。
・紅 右嶋。警視庁の警視長。1週間前に母親が秋田で誘拐され、今回の事件で最も早く主犯と電話にて接触していた。当初知っていたのは、紅と小渕の2名のみ。悠夏の弟妹が誘拐されたことから事件情報がオープンになった。
・紅 湖舞。右嶋の母親。誘拐被害に遭う。
・小渕 創哉。警視庁の警視正。紅の指示をもとに秋田県警と長谷に情報を伝達。
・高六科 臣音。狸人。湖舞と共同で脱走を試みるが、失敗し臣音のみ脱出。警察にいち早く知らせるため、湖舞の姿に化ける。
・大張野。秋田県警機動捜査隊所属の警部補。
・相野々。秋田県警機動捜査隊所属の巡査長。
・伊島 陞。湖舞の誘拐犯。
・甲森 英丈。湖舞の誘拐犯。
・共犯者A。21時30分頃、悠夏に電話してきた相手。悠夏が警察に所属していることを知った上で、弟妹を誘拐した。要求はなく、最大で24時間待ってやると告げる。おそらく2014年から事件を起こしている人物であり、いずれも共通して、2回の誘拐と1回の電話。それ以降の接触をしていない。犯人は頻りに”絶望”というワードを使う。
・写真の人物。倉知が入手したタクシーの後部座席に乗る人物。目撃情報から、大川の殺人事件関与の疑いがある。四国の出入口を同時多発で狸火を起こすとき、この人物に化けていた。サイバーセキュリティ課の調査により、ここ数年で増えたデータでも一致する人物は存在しなかった。悠夏は、存在しない人物で、狸人が化けた姿ではないかと推理している。
・魔王を名乗るSNSの投稿者。”諸君。君たちに絶望を与える。陸海空を封鎖し、孤島となった4県。抜け出す者がいれば、誰かが犠牲となる。この地に住む者も無関係ではない。火災か爆発か、殺傷かそれとも……。これより4県より飛び立つであろう銀翼に刮目せよ。そして、この封鎖された地には国際手配犯が複数いる。不安に怯えるがいい”という複数の音源を混ぜた声で真っ黒の動画を投稿した。
・公園に集まった人々。犯人が一万円で募集したエキストラ。捜査を撹乱するため、犯人が電話をかけてきた公園で合図を出し、参加者は一斉に離散した。2014年と同じ手口だった。任意同行やその場で事情聴取を行った約10名については、赤の他人同士で、募集方法と金銭の受け取り方くらいしか情報を得られなかった。
・・遅沢 司展。40歳くらいの強面の男。遙真たちの香川旅行で行く先々にいた人物。瀬名が悠夏にその情報を伝えた。
・由淵 威策。狸人。徳島市内イベント会場にて狸火発生。
・堀脇 勇尚。狸人。大鳴門橋の高速バス車内にて狸火発生。
・悦見 富依。狸人。瀬戸大橋の高速バス車内にて狸火発生。
・戒能 希輪。狸人。しまなみ海道の高速バス車内にて狸火発生。
・古字 英冴。狸人。四国縦断新幹線車内にて狸火発生。
・尾楠 麻輸里。狸人。リニア四国縦断新幹線車内にて狸火発生。
・糸林 二千歩。狸人。紀伊興産オーシャンフェリーの船内にて狸火発生。
・真部 有剛。狸人。高神運航フェリーの船内にて狸火発生。
・薮下 鈴湖。狸人。高知龍馬空港の小型飛行機のラッピングにて狸火発生。
・小舩 実瑠可。狸人の女。高知龍馬空港にて、狸火に巻き込まれる。
・中阿地 欣美。狸人。スーツの男。高知龍馬空港の小型飛行機に小舩と同乗させられた。変化を維持できず自身からも出火。
・徳島市営地下駐車場の事務所にいる人物。遙真が見つけたが、寝ているのか死んでいるのか不明。犯人またはその関係者か、自分達と同じ被害者か不明。ギリギリ見えたため、見間違えの可能性もある。
・喪神薬。怪奇薬品。使用者は司法解剖によりエーテルが検出される。使用者の体内で麻酔成分が日々増殖しているおそれがある。実物を未確認のため、存在するかどうかは不明。
・掣肘薬。集団コントロールできる怪奇薬品。実物を未確認のため、存在するかどうかは不明。事件を都合の良いように解釈しているだけかもしれないため、一時的に除外している。
・徳島市阿波踊り。徳島市内の中心部を一部封鎖して開催。初日の今日は、17時に市役所前演舞場で開幕式があり、その後18時開演となり、第一部が20時まで。第二部は20時30分から22時30分までとなる。
・よさこい祭り。高知市内の高知城付近にて開催。最終日の今日は12時30分より全国大会開催中。18時30分より、中央公園で本番の受賞チーム表彰や後夜祭を行うそうだが、全国大会は平行して22時まで行われる。
・さぬき高松まつり。高松市の高松港付近で開催。2日目となる今日は、17時20分からステージ演目が始まり、22時まで開催される。20時から20時50分までは、四国最大級の花火大会が開催されるはずだったが、約4千発の花火が盗難被害に遭う。
・松山まつり。松山市内で開催。最終日となる今日は、17時30分より野球拳おどりで始まり、20時45分からミニ花火ショーが開催。
以上。




