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乙女ゲームの攻略キャラだけど許嫁を愛でたい。  作者: 籠の中のうさぎ
未回収イベントを男の俺が回収する。

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78/99

魔王城に到着したそうです。

体調不良のため昨日投稿できなかったので本日投稿します。

辺りにけたたましい破壊音と魔物の断末魔が響き渡る。

無数に転がる魔物の死体の真ん中で戦うのは、ジルベスター・マーキスその人だった。



「……なんか、マーキス先輩すごい気合い入ってませんか?」

「アイリーンさんに会って来て以来ですねぇ。」

「…………たまに思うんですが、マーキス様って本当に人間ですか?」

「人間……の、はずなんだがなぁ……。」



一人魔物に対して無双する仲間の姿に他の面々は手持ち無沙汰になりながら呆然と見つめる。

それもこれもジルベスターの愛妻アイリーンに会ってきた日からだ。

帰ってきたと思ったら急に魔王討伐に意欲的になり、次の日からはずっとこの調子だ。



「もうジルがいたら私達は要らない気さえしてくるな……。」

「リーンハルト、流石にそれではジルが大変ですよ……。」



表面上諌めてみるものの、



「おい、何をぼーっとしてるんだ。ここいらの魔物はもう居ないだろ。次に行くぞ。」



先程まで大量の魔物と戦っていたとは思えぬほどあっけらかんとした様子のジルベスターを見ると、あながち間違いではない気がしてきた。






やっとの思いで魔王城に到着した。

ほんとにやっとの思いだ。アイリーンとヴィルのために早く帰りたいと思えば思うほど時間の流れが遅く感じ、経験を積むためにも他の奴らに戦闘をさせてやろうと思っていたのも最早どうでもよくなっていた。


俺はたださっさとこの茶番を終わらせて帰りたいんだよっ!!!



「……こんなに早く魔王城に来れるとは思っていなかったな……。」


おどろおどろしい雰囲気を醸し出す魔王城を目の前に、リーンハルトがボソリと呟く。

その顔は緊張と恐怖、諦めなどの色が浮かんでいる。


「リーンハルト、どれだけ魔王が強かったとしてもお前達は俺が守る。元はと言えば俺があの豚公爵に楯突いて巻き込まれたことだしな。」


安心させるようにそばのリーンハルトの肩をぽんっと叩いてやると、マティアスが羨ましそうにこちらを見てきた。

……無視だ。


「そ、それを言うなら僕こそ先輩達を守ります。……僕の髪がこんな色じゃなかったら……っ。」


俺の言葉にギデオンが悔しそうに呟いた。


たかだか魔族と色が同じと言うだけで差別を受けてきたギデオンにとっては今回の討伐はどれほど悔しかっただろう、やるせなかっただろうか。


バイカウント老師が既に黒色は魔力の高い証だと解き明かし、根拠の無い噂をなくそうと奔走している。

ギデオンはいわばその先駆者として、老師の跡継ぎになった。

きっとそれは差別しか受けてこなかったギデオンにとっては神の手にも等しかったのだろう。

しかし老師の役に立ちたいと思い自分の技術を磨き知識を身につければつけるほど、地位を向上させればさせるほど、人を貶めんとする悪意に晒され続ける現状はどれほどの重みだろうか。


気にするなと、俺の一言で少しでもギデオンの気が軽くなるならと声をかけようとしたその時。



「ぎ、ギデオンは悪くないじゃない!!」


ギデオンのそばにいたマリアがそう叫んだ。


「わ、私が言えた義理じゃないのはわかってる、けど……。私、何度もギデオンに助けられたし、初めはいけ好かない奴て思ってたけど…………、や、優しい、し……。」


最後は恥ずかしそうにもじもじしながらそう言うマリア。


こ、こいつらちゃんと恋愛してるじゃないかっ!!!!


「なんていうか……、よくわかんないからっていう理由だけで怖がって差別してた私たちが悪い、と、思う……。実際に関わって見たらそんなことないし。だって、私今回の旅を通してギデオンのこと好きになったもん……。」


「……は!?」


思わず言葉にしてしまった、と言った様子のマリアがハッと口元を覆い、顔を真っ赤にする。

それを見たギデオンも信じられないと言わんばかりに目を見開いて、ほんの少し頬を染める


やばくないか?ものすごい甘酸っぱいんだが……っ。

顔がニヤけそうになるのを必死に抑え二人を見守る。


気分はさながら親戚のおじさんだ。



「〜〜〜〜〜っ!!べ、別にだからなんだっていう話だけどっ!!!て、ていうか嫌いじゃないって意味だしっっ!!!まあ、えっと……何が言いたいかというと、あんたばっか悩む必要ないと思うってだけだからっ!!!!」


マリアは真っ赤な顔でまくし立てると俺のそばに駆け寄ってギデオンから身を隠す。


なんでだ。

いや、確かにメンバーの中だったら俺が一番ガタイはいいが……。



「……な、なんだよ、それ……っ。」


それに顔をほんのりと染めて口元を手で覆い照れるギデオン。

でもその手の隙間から覗く口は嬉しそうに歪んでいる。



甘酸っぱいなぁ……。


俺の身体に隠れたマリアももじもじしたりしきりに手で顔を扇いだりしている。


青春だなぁ……。




「あー……、俺もアイリーンに会いたい……。」



思わずぼそりと呟いた言葉にさっきまで青春してたマリアとギデオも含め全員に体を掴まれ勢いよく首を横に振られた。


なんでだよ。

次回投稿は明日です。

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