攻略について相談するそうです。
「マティアスとデューク公爵の好感度がカンストしている気がする。」
「ちょっ、ジル君まじか。」
「あら…。」
「かん、すと……?」
ミシェリアは膝を叩いて爆笑して、アイリーンは頬に手をあて困ったような嬉しそうな顔をし、テオドールはカンストがわからず首をかしげている。
とりあえずミシェリアは女としてその爆笑はどうかと思う。あと、単純にむかつく。
今日はヴィルを俺とアイリーンの両親に別室で見てもらって、ミシェリアとテオドールをよんで作戦会議をしている。
議題はホモ展開に巻き込まれそう、だ。ほんとに助けてほしい。
「あーすまない、ジルベスター君。かんすととはなんだろうか…。」
「ああ、カンストっていうのは簡単に言ったら最大ってことだよ。」
なるほど、と納得の言った顔をしたテオドール。それから、ん?と首をかしげる。
「好感度?が最大、というのはいいことではないのか?何が問題なんだ?」
純粋な疑問なのか心底わからないといった表情のテオドール。
その反応にミシェリアが噴き出す。
本当に「いい加減にしろよミシェリア。」
思ったよりも低い声が出たせいでミシェリアがびくりと身体を震わせた。
「ご、ごめんって!!」
「許さん。罰としてテオドールへの説明は任せた。」
頭上にはてなを飛ばしているテオドールは期待を込めてミシェリアを見る。
知ってるか?この世界でホモって認められてないんだ。
つまりそれを説明するのってかなり辱めなんだ。
「え!!?えっと、その…………っっっ。あーーーー!!!ちょ、別室で説明してきていい!?さすがにアイリーンちゃんとかジル君とかのいる前でこれは恥ずかしい!!」
そう言ってミシェリアとテオドールは隣室に移動した。
「ふふ!ジル様ったら意地悪ですわ。」
アイリーンがおかしそうにくすくすと笑う。
「あれはミシェリアが悪い。ところで、」
俺は一つ気になったことをアイリーンに尋ねることにした。
「アイリーンは元腐のつく女性か?」
「……え。」
俺が初め報告したときに少し嬉しそうな顔をしたアイリーンを見逃してないぞ。
「ええ!?あ、なん、そん!!?!?」
わたわたと慌てはじめたアイリーンの腕を捕まえて腰を引き寄せる。
「ひゃう!!?!?」
羞恥と驚きで顔を赤く染め、逃げようともがくアイリーンを抱きしめ逃がさない。
「アイリーンは俺がマティアスといちゃついてもいいの?」
逃げられないと悟ったのか抵抗を諦めたアイリーンがポスっと俺の胸にもたれかかる。
「そんなの、嫌に決まってますわ……。」
耳まで真っ赤に染めぐりぐりと胸に頭を擦り付けてくるアイリーンのその赤い耳を食む。
「ん…っ。あ、ジル様っ!」
いつまでたっても初々しいアイリーンの反応にぞわりとした感覚が脊髄を駆けあがる。
思わずそのままアイリーンにキスをしようとした時、
「あー、ジル君。相談はよろしいの?」
入り口から聞こえてきたミシェリアの気まずげな声にぱっと入り口の方を向くと顔を赤く染めた嬉しそうな表情のミシェリアと、羨まし気な表情のテオドールが部屋を覗き込んでいる。
それを見たアイリーンが必死に抜け出そうとするが逆にぎゅっと胸の中に抱き込む。
「ちょっと、ジル様っ!?」
「俺のことを思うならもう少し説明を長くしてもよかったんだぞ?何ならほかのことでもしていてよかったのに。」
いまだにテオドールに据え膳我慢を強いているミシェリアに皮肉を込めてそう言ってやるも、本人はわかっていないようだ。横にいるテオドールが期待を込めてミシェリアを見て、わかっていないことを悟ると遠い目をした。
がんばれ義兄上殿。
「えっと、とりあえずミシェリアから話は聞いて状況は理解した。あーその、なんだ。気を強くな、ジルベスター君。」
「ああ、気を強く持つためにアイリーンを補給している。悪いな。」
腕の中でもう抜け出すことはあきらめたのか耳を赤く染めたままのアイリーンがその言葉にきゅっと俺の服を掴む。ああ、もうかわいい。
「ああ、それは構わない。まあ少々羨ましいけどね…。」
「え、テオもこういうこと、したいの…?」
顔を赤くそめてそう聞くミシェリア。
当たり前だろ。据え膳を我慢させられてる男にそれはダメだぞ。
見てみろ、テオドールの瞳が猛禽類のごとくだ。
「………ジルベスター君。俺が思うに男色の相手にされたくなかったら誰かほかの女性とくっつけたらいいんじゃないか?」
明らかに話を早くに切り上げたそうなテオドール。なるほどわかった。
「そうか。なるほどそれも一理ある。これからはその案でいこう。」
「そうか。なら俺たちはもう帰ってもいいか。またなにかあったら呼んでくれ。ミシェリア、帰るぞ。」
ぐっと互いに親指を立てあって解散する。
男同士の会話についてこれなかったらしいミシェリアはテオドールに手を引かれ帰っていった。
腕の中のアイリーンもわかっていない様子で不思議そうな顔で見上げてくる。
「あの、ジル様??相談はいいんですの??」
「まあ、男には相談よりも大切なことがあるんだよ。たとえば、久しぶりに二人っきりの時間を過ごせる愛しい妻とイチャイチャすることとか。」
そういって腕の中でうっとりと瞳を細めるアイリーンに深い口づけを落とす。
その後隣室から聞こえてきたヴィルの俺とアイリーンを呼ぶ泣き声に甘い時間は中断され、別室で泣き叫ぶヴィルに右往左往する俺たち二人の両親も交え家族のほのぼのした時間を過ごした。




