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乙女ゲームの攻略キャラだけど許嫁を愛でたい。  作者: 籠の中のうさぎ
未回収イベントを男の俺が回収する。

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好感度が上がったそうです。

本日2度目の据え膳を我慢したあと、デューク邸の応接室に飛ぶと既にマティアスが泣いて目元が赤くなっているものの、晴れ晴れとした表情で待っていた。


「話せたみたいだな。」

「ええ……。私は、父を誤解していたようです。天才で、できないことなど何もないと思っていたのですが…。まさか子供である私との関わり方がわからなかったなんて思ってもみませんでした。」

可笑しそうに嬉しそうに笑うマティアスは、今まで見た中でもいちばん綺麗に笑って見せた。


なんだよ、攻略キャラの笑顔ってこんなに輝くもんなのか?ずるくない??

絶対スチルにしたらキラキラエフェクトとか飛んでるぞこれ。


俺の笑顔でこれだけキラキラすることとか絶対ないだろ。ずるいわー。


「あ、そうだ。」

思わず微妙な顔でそうか、と返事を返すと思い出したようにマティアスがそういった。

「どうした?」

「いえ、父がぜひとも私との仲を取り持ってくださったことに礼を述べたいと。ご一緒に食事でもいかがですか?」

俺がアイリーンの元に帰っていたのを知っているからか少し遠慮がちにそう聞いてきた。


「そう、だな……。せっかくだからお願いするよ。」

純粋に友人の抱えていた問題が解決したことが嬉しくて薄く微笑むと、マティアスは目を見開いて驚いた。


なんだよ。攻略キャラでもキラキラしない笑顔もあるんよ。お前と一緒にするな、イケメンめ。


「なんだ……。」

「え、あ、いえっ!……ジルベスターの、そういう顔を見たのは初めてだったので……。」

ほんのり頬を赤く染め、口元を手で覆い横を向くマティアス。


…………ん?


「あの、今回はあなたのおかげで、私も父も勇気が出せました。……その、ジルと、呼んでもよろしいでしょうか?」

「あ、ああ……。だいたい爵位はマティアスの方が上なんだ。好きに呼べばいいだろう。」

想像だにしなかったその頼みに思わずどもりながら許可を出す。


っていやいやいや。そんなことより、これ……。


「…っ!よかった……。」

顔をそめたまま嬉しそうにふわりと微笑むマティアス。

「その、これからもよろしくお願いしますね。ジル。」

「あ、ああ。」


好感度上がってないか?


「さあ行きましょう。父が待っています。」

マティアスにさりげなく腕を引かれる。

ので、さりげなく腕を振りほどく。


やめろ俺はホモを求めていないっ!!

そんな悲し気な表情をするな!なんなんだ!?ガチか!!?ガチなのか!!?!?

猛烈にアイリーンに会いたい。アイリーンに会ってキスがしたい。抱きしめたい。このホモホモしい空気から脱したいっっ!!!!



顔をそめたままちらちらと俺を見てくるマティアスをスルーしてダイニングへとむかう。

なんだその捨てられた子犬のような表情は。そんな目で見られても俺は男と手なんてつながんぞ。

アイリーンに生まれ変わって出直してこい。


そんなことをうだうだと考えながら歩いているとダイニングについた。

「ああ、マーキス侯爵家の新しい主人か。確か名は…ジルベスターだったな。」

「はい。デューク公爵。」

ダイニングにはすでにマティアスの父親であるデューク公爵が座っていた。


マティアスとよく似た銀の髪を後ろに撫でつけた公爵はマティアスとは違う深い海のような蒼い瞳を持っている。

年のために顔に刻まれたしわのためかマティアスよりも厳格そうに見える。


「私と、マティアスが話せたのは…君のおかげだと聞いた。ありがとう、君のおかげで息子と少し打ち解けられた。」

ガタリと席から立ち上がりこちらを見やる公爵は口の端をわずかに釣り上げる。


なんというか俺と同じ匂いがする。

学生時代に俺がアイリーンやミシェリア以外に本音で話すことができず誤解を与えたように、きっと公爵もその性格から意図せず誤解を与えていた口であろう。


「いえ、私もあなたと同じように自分の性格のせいで大切な人に誤解を与えたことがあります。あなたとマティアスとの間の誤解がなくなって良かったです。

ふっと俺が表情を緩めると、公爵はその目をほんの少し見開く。


何なんだ、マティアスと言い公爵といい。俺に乙女ゲームのキラキラ笑顔は無理なんだよ。

そんなに微笑みがだめか?これでも意識的に自然な頬歩笑みができるように練習したんだぞ。


「あの…?」

目を見開いた状態で固まる公爵に声をかけると恥ずかしさからか顔をほんのり朱に染め、はっとしたようにせき払いをする。

「んんっ。すまない。あー、その……。ジル君と、呼んでもいいかね?」

「は?あ、はい。お好きにお呼びいただいて構いません。」

なんでこいつら親子は俺の名前を呼ぶのに顔をそめるんだ…。

「で、ではジル君。今回のお礼に、また、何かあれば宰相として力になれるだろう。」

そう言ってまた不器用な笑顔を浮かべた。



その後はほんのり顔をそめたマティアスと公爵とともに夕食を食べた。

やめろ俺はホモじゃない。



ちなみに公爵は公爵夫人とも話し合ったようで、今ではラブラブな夫婦だそうだ。

マティアスは夫人の変わりようにいささか居心地が悪そうだが、いずれ時が解決居てくれるだろう。



まあ今のところ一番の問題はこの日以降公爵もマティアスもなぜか俺にやたらと好意的なことだ。

いや、それ自体はいいんだが………頬を染めるのはやめてほしい。

公爵に関しては夫人との関係を俺に相談するのもやめてほしい。

友人の両親の恋愛事情とかあんまり知りたくないだろう……っ!!



とりあえずヴィルとアイリーンに癒されたい…。

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