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乙女ゲームの攻略キャラだけど許嫁を愛でたい。  作者: 籠の中のうさぎ
喪女にヒロインは荷が重すぎない?
46/99

=ある女のイベント=

テオとき、きす、をしたあの日から今まで以上にテオの顔が見れない。あ、あれは私のことがすき……だって、考えていいんだろうか?テオが好きでもない人にキスをするような節操なしには思えないけど、あの後からテオは私から微妙に距離をとっている。

昔はずっとそばに付き従ってくれたのにあれからは、今もだが、私は1人で行動することが多くなった。

わけがわからない、なんなんだ、世の男女はなんの告白も何もなくキスをしてそれで何の関係もないものなのか?もしくは兄妹のように思ってる幼なじみに戯れにキスをしたりするの??

1人で悶々と考えてみても答えは出ないし、ジル君に話したくてもいつもアイリーンちゃんと一緒にいるジル君と話す機会が無い。

テオと話そうとしてもなんて言えばいいかわかんないし、何よりはずかしい……。私が、好きだって伝えたら解決するのかな。でも、テオは私を避けてるのに好きだって言うの?迷惑じゃない?そもそもテオが私を好きとも限らないよね??……テオはなんで私にキスをしたんだろう……。

この間から同じ考えが堂々巡りしている。思考に進展はないし、私たちの関係もギクシャクしたままだ。


「こういう時に仁君が居てくれたらなー。」

「きみ、ジルを探しているのかい?」

「へ!?」

私に声をかけてきたのはこのゲームの攻略キャラの1人、リーンハルト第二王子だった。

「ジルに用があるなら呼んであげようか?」

にっこりと王子様スマイルを浮かべるイケメンにどぎまぎする。

「え、あ、その。ジルじゃなくて、ジンって言ったんです。その、ジルベスター先輩じゃないです。」

「ジン?……知らない名だな。どうやら私は力になれないようだ、すまないな。」

どもりながら答えたが確実に貴族が王族に向ける言葉遣いとしてはマイナス点だ、なのに律儀に私みたいな平民上がりにも頭を下げる王族とか丁寧すぎる。

「いえ!私の方こそ紛らわしい言い方ですみませんでした。」

急いで頭を下げて謝るも、くすくす笑いながら顔をあげるように言われる。

「勝手に声をかけたのは私だよ。それで?随分悩んでいたように見えたけど、なにか悩み事でもあるのかい?よければ話を聞くよ。」

キラキラ輝く王子様フェイスでそう言われつい顔から血の気が引く。これ、スチルイベントじゃない??

正直テオへのこ、恋心を自覚してからはイケメンとの恋愛を進めようって気にはなれないのよ!!

「え、あ。だ、大丈夫です!」

「しばらく前から見ていたけどずっと眉間にシワがよっていた。生徒が安心して学校生活を楽しめるようにサポートするのも生徒会の役割なんだよ。」

つんとおでこをつつかれて、いたずらっぽい笑顔を向けられる。

はい、でこつんいただきましたー。間違いなくイベントですね、困ります。このあと相談するかしないかを選ぶんだけど、好感度をあげたくないなら相談しないを選ばなければならない。

でも、このまま1人で悩むのがしんどくて初期イベントの一つだしこれくらい良いかなと思い相談することにした。

「あの、じゃあ、相談しても良いですか?」

「もちろんだよ。」


優しく笑いかけてくれるリーンハルト様に誰とは名前を出さずに好きな人がいること、その人にキスをされたこと、今その人に距離を置かれてしまっていることを恥ずかしさ混じりに話した。

「ふむ、なるほど……。で、君はどうしたいんだい?」

「え?」

「君は率直に、その彼とどうなりたいのか考えてごらん。」

テオと、どうなりたいか…。

「迷惑じゃないなら、きちんとお付き合いしたい、です……。」

「私がアドバイスをするまでもなく君の中でもう答えは出てるようだな。思うに、君は相談相手が欲しかったんじゃくて話を聞いてくれる相手が欲しかったんだろう?」

にっこりと微笑んでそういうリーンハルト様になんとなく納得してしまう。確かにそうかもしれない、例えばここでリーンハルト様に諦めろと言われても私は絶対にうだうだ言って諦められなかっただろう。ならなぜ相談したのか?誰かに聞いてもらって自分の考えをまとめたかったんだ。

「ありがとうございます、リーンハルト様。私きちんとお話してみます。また、悩んだ時は話を聞いていただいてよろしいですか?」

「いいよ。これも生徒会の役目だからね。」

そう言ってウインクをしてきたリーンハルト様は正直マジでほんとにイケメンだった。テオがいなかったら危うく恋に落ちそうになるくらいイケメンだった。


リーンハルト様とわかれた後はテオを探し歩いていたのだが、急に背後から襲われた。人気のない廊下の片隅で、後ろから口を抑えられおそらく空間魔法だろうか?急な浮遊感とともに私は薄暗い教室に連れ込まれた。

いやいやいや!!!え、変態!!?変態!!?!?!?

この貴族様が通う学校でこんな襲撃あるの!?と必死に振り解こうとすると、頭をぺしっと叩かれた。

「俺だ。暴れるなめんどくさい。」

「じ、ジル君!!?」

力の緩んだ手から抜け出し後ろを見ると他でもないジル君がたっていた。

「ちょ!もおっ!!!!ほんとにもう!すっごいびっくりしたんだけど!!?!?」

「お前が空間魔法使えないんだからしょうがないだろう。」

「理不尽!!」

さもお前が悪いと言わんばかりのジル君の発言に思わず叫んでしまう。

「で?なんのようなんだ?」

「いやそれ私のセリフなんだけど!!?」

唐突にこんなところに拉致されたのは私の方なのにジル君にそんなことを聞かれる。

「お前がチラチラこっちを見てただろ。気づかないとでも思ったのか?」

どうやら私の視線に気づいていたらしい。騎士様のスペックやばいな。

「いや、実はね。テオと、き、キスを……するに至りまして……。」

顔を赤らめてそう言うとあからさまに顔をしかめられる。

「……身内の恋愛を聞いてる気分になるな……。」

私は身内に自分の恋路を話してる気分だよ。

「まあいい。良かったんじゃないか?これでバッドエンドは回避できるだろ?」

「あーいや、でもイベントらしいイベントはテオとの間には起きてないんだよね。」

「……いろんなイベントすっ飛ばしてキスイベントまで飛んだのか……。」

そう。ゲームの中でもテオとキスをするイベントはあるのだが、それまでに私は危機管理能力どうした?と聞きたくなるほど攫われたり襲われたりするのだがそういったイベントが全く起こっていないのだ。

「それ以外になにか変わったことは?」

そう言われてふと先程のリーンハルトイベントを思い出したのだが、まあそのくらい言わなくていいや。そこまで重要じゃないし。

「うーん。あとはマティアスルートのイベは今のところ起こってないし特にないかなー。」

「そうか、なら今のところルートが進んでるのは俺とテオドールのルートだな?とりあえずこれ以上俺のルートに関わらないように全力でそっちの従者と仲良くしてくれ。くれぐれも俺とアイリーンに関わるな。」

「アイリーンちゃんのこと好きすぎかよ!まあわかってたけどー。了解!」

当たり前だろう。さも当然のように言うジル君は羞恥心がないのか?その後しばらく今後どのようにジル君とのイベントを回避するか作戦を立ててジル君とはわかれた。


時間がかなりたっていたようで寮に帰ったらテオが駆け寄ってきてすっごい心配された。そういえば途中からテオのこと忘れてたなったそこで思い出したの。

ジルはアイリーン以外には結構理不尽です。

ちなみにこの後度々ハイスペックジル様は人気のないところにいるミシェリアを空間魔法でさらって作戦会議します。

完全に人がいない所でさらう完璧犯罪←

まあミシェリアちゃんが凡才なので周りにバレないようにしようとしたら仕方ないんですけどね……。

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