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乙女ゲームの攻略キャラだけど許嫁を愛でたい。  作者: 籠の中のうさぎ
乙女ゲームの攻略キャラに転生しました。
19/99

満たされませんでした。

後半でまたジル様がやらかしてます。

原作が始まって早半年、あの雨宿りイベント以来俺とミシェリアはたまに会ってはあいつのキャラ攻略の手伝いをしている。

そしてアイリーンは相変わらずゲームの"アイリーン・フュルスト"と同じようなことを繰り返している。仮にこの状態をツンデレと呼ぶとしよう。

ツンデレアイリーンは休み時間の度に俺を呼びだし、俺のあらを探しそこを非難する。正直週末しか会ってくれなかった時より一緒に過ごす時間は増えるし、あらを探すために必死に俺だけを見てくれるので嬉しい。

だが、今までしょっちゅう抱きしめたり偶にキスをいていたのにそれが拒否されるのは辛い。

そんな中長期休暇がやってきた。マーキス家もフュルスト家も俺達が結婚すればいいと思っているし、何より俺の気持ちを応援してくれているので、休暇中俺はアイリーンと共に過ごすことが出来ることになっている。


今日はマーキス家でアイリーンと休暇の予定を立てる。

「アイリーン。休暇中何かやりたいことはないか?」

「あら、私に予定を立てさせるおつもりですの?」

「いくつかプランはくんであるがもしアイリーンに何か希望があればと聞いたんだ。」

キッとこちらを睨みつける彼女に苦笑いを浮かべる。

「貴方の立てたプラントやらがどのようなものか見ものですわね。」

腕をくみそっぽを向くアイリーンは今日も相変わらずツンツンしている。

「とりあえずいくつか遠乗りで行けそうな場所はリストにしてある。」

「まあ!遠乗りなんて私嫌よ。ドレスが汚れるわ。」

「だと思って馬車も手配もしてある。」

ツンデレアイリーンが指摘するであろう点を予測し対策を立てるのは嫌いじゃないが、俺の考えを否定するためだけに彼女の本当に行きたいところややりたいことをさせてやれないのが心苦しい。


「……アイリーン。俺は、そんなに頼りないか?」

「な、急になんですの?」

信じてほしい。頼ってほしい。貴女の望みを叶えてあげたい。貴女を悩ませるものを全て取り除いてあげたい。

「最近のアイリーンは無理をしているだろう。俺では、助けにならないか……?」

「あ、なたにっ!!何がわかりますの!!?」

アイリーンが突然立ち上がり怒鳴り声をあげる。興奮からか顔を真っ赤にし、我慢ならないと怒鳴り散らす。

怒ている彼女が傷ついているように見えて思わず自分も立ち上がり彼女を抱き寄せる。

「離してっ!!」

俺の胸に腕を叩きつけ必死に離れようとする。俺の服の胸に付く飾りで彼女の手が傷つかないように右手一つで彼女の両手を俺の胸の上に拘束する。空いた左手で逃げられないように頭を抱き寄せる。

「離してっ!……離しなさいよぉ……。」

次第に抵抗する力が弱まりすすり泣く声に変わる。


「なんで、どうしてこんなわたくしに優しくするのよ……。面倒臭いでしょ。こんな、こんなヒステリックでわがままな女の子なんて……。」

力が抜けずるずると床に座り込みそうになる彼女をそっと抱き上げてソファに座らせる。

「どんなアイリーンでも好きだよ。」

彼女の目の前に跪き、拘束したままだった彼女の手を俺の両手で包み込む。

「貴女が望むなら忠誠だって誓う。俺には貴女だけだ。」

「なら、証を見せてちょうだい……。私から、離れたりしないって……。」

涙で濡れた若菜色の目を伏せる彼女は痛ましい。

騎士が誓を立てるのは生涯でただ1度だけ。一般兵ならその土地の領主に、近衛騎士なら王族に誓を立てるのだ。なんの制約もないが騎士の誇りの全てをかける誓は軽々しく行っていいものではない。

それでも貴女がそれで安心できるなら王子のリーンハルトや王でも国でもない、ただ1人貴方に誓おう。


そっとアイリーンの右の足から靴を取り去る。

彼女が息を飲んだのがわかった。

「私、ジルベスター・マーキスは騎士の誇りにかけて、我が生涯をアイリーン・フュルストに捧げることを誓う。」

静寂の包む部屋でアイリーンが小さくなぜ、と問いかける声が聞こえる。理由はいつだって決まっている。あの日初めて貴女に会った時から俺の心は貴女に囚われているんだ、貴女を愛しているから。

俺は跪いたまま手を彼女のドレスのスカートの中に滑り込ませる。俺の指が足に触れる度小さく押し殺したような声を出す彼女から靴下を抜き去る。

空気に晒された彼女の小さなつま先にキスをする。次いで足の甲、脛と徐々に上へ上へと唇を滑らせる。

「や、あ……ジルさまぁ……っ!」

懇願するような声を出すアイリーンを見上げ、声を出さないように口元を抑える彼女の腕を取り払い唇を重ねる。

「俺のすべてを貴女に捧げる。何があっても、貴女を離さない。……離したく、ない。」


「私も、離れたく、ない……。」

そう言って俺の首に腕を回す彼女に飽きるまで口付けをする。

それでも彼女の涙で濡れた若菜色には不安がこびり付いており、久しぶりの触れ合いも愛の言葉も、俺を満たすことは無かった。

つま先へのキスは崇拝、足の甲は隷属、脛なら服従。

ジル様は立派な恋の奴隷です。

アイリーンが望むなら嬉々と自ら首輪しそうですね。アイリーン限定の変態です←

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[気になる点] 「貴方の立てたプラントやらがどのようなものか見ものですわね。」 「貴方の立てたプランとやらがどのようなものか見ものですわね。」
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