ペアになりました。
俺とアイリーンが占星学の教室について2人で席に座った時、俺は教科書が増えていることに気がついた。
確認してみるとミシェリア・アールの名前が書いてある。おそらく先ほどヒロインを助けた後間違って持ってきてしまったのだろう。
面倒臭いが教科書がなければ困ることになるので届けに行ったほうがいいだろうな。
そう思い立ち上がって教室前方にいるオレンジ頭に近付いていく。
「ミシェリア・アール。お前の教科書だろう?」
「あ、ああっ!ありがとうございます!助かりました!」
吃るのはこいつの標準装備らしい。何はともあれ無事渡せたのでアイリーンの元に帰ろうとした時、大きな音を立て教室の扉を開けた教師が入室してくる。
「御機嫌よう!!占星学という素晴らしき学問を選択した同志たちよ!!!私は君たちの教師であり、また同士でもあるアノーイ・ラーラレンである!!!ふむ、皆の者着席したまえ!」
呆気に取られているすきに教授の魔法により俺の身体はそばにある椅子、つまりヒロインの隣に縫い付けられた。しかも全然動けねぇ!!
「今日は今君たちの隣に座っている同士たちと占星学はなんぞやということを語り合ってもらう!」
おい待て、俺はアイリーンとペアになりたいんだよ。何でヒロインなんだっっっ!!!
脳裏に先ほどの涙を流していたアイリーンの姿がよぎり、思わず自分でも眉間に皺が寄っていくのがわかった。隣のヒロインからは小さく悲鳴が上がる。失礼なやつだ。
「さあ!お互いの占星学に対するパッションをぶつけ合ってくれたまえ!!!」
やっと動けるようになってアイリーンの方を見ると、既に他の男子生徒とペアを組んでいた。
おい貴様、デレデレ鼻の下を伸ばすんじゃない。
「あ、あの、話し合い、しません、か?」
ヒロインがビクビクしながら話しかけてくる。
……ここまで怯えられると逆にかわいそうな気持ちになってくる。
俺は始終不機嫌な顔で見知らぬ男子生徒を睨みつけながらビクビク話をするヒロインに耳を傾ける。俺?パッションも何もあるわけがないだろ。
講義が終わってすぐアイリーンを例の空き教室に連れ込んで抱きしめた。酷いとか女ったらしとか暴言を吐くくせに俺の腰に回した手を緩めることのない彼女をぎゅっと抱き締めてごめんと繰り返すのだった。




