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アブノーマル完了。その2

「それじゃ、ここに名前とクラス書いてね」


「はい」


職員室にいた先生に言われ、差し出された台帳に名前とクラスを書いてから、お目当てのものを返してもらった。


「よかったな」


職員室を出るドアを開けながら横にいる柊に話しかける。


「うん……!!」


本人も心からほっとした様子で満面の笑みで微笑んでくれた。


「……!!」


その表情を見てオレは危うく、倒れそうだった。

かっ……わいい!!!!


なんだ今の笑顔!!天使か、こいつ!!?

教室で見た笑顔をとは比べ物にならなかった。


杉原とは違う可愛さが…………って、あいつは男だよ!!

たまらず、心の中で自分自身に突っ込む。


「ど、どうしたの……?」


オレが突然、顔を背けてしまったため、柊は少し不安げな様子だった。


「い、いや……なんでもないから、気にしないで」


慌てて、手を振りながら平静を装う。

まさか、あなたの笑顔にクラっときました。

何て言えるわけない。

先程知り合ったばかりの男にそんなこと言われたらどんな女子だって引くだろう。


それにしても、本が見つかって無事によかった。

オレの読み通り、柊の大切な本は職員室の遺失物BOXに保管されてあった。

教室を出る際、クラスメイトの一人が落ちてあった柊の本を職員室に届けてくれたらしい。


オレの横で柊は本を大事そうに両手で抱き抱えている。

本にはご丁寧にカバーまでかけてある。

本当に大事な本なんだなと改めて思う。


「なぁ、その本ってどんな内容の本?」


なんとなく、気になったことを率直に聞いてみた。


「……!」


すると、歩みを止め、柊は途端にその場で俯き、身体を強ばらせた。


あれ?

聞いちゃまずかったのかな。

柊の突然の変わりようにオレは少し驚いた。


「驚かない?」


やや経ってから柊は顔を上げ、恐る恐るそう聞いてきた。


「あ、ああ……」


オレは少し戸惑いつつも、ゆっくりと頷いた。

一体、どんな本なんだと思わず、喉をごくっと鳴らしてしまう。


「……」


オレの反応を見てから、柊はゆっくりと本の一部を開いて中身を見せてくれた。


そこには。


「……」


それを見た瞬間、オレは絶句するしかなかった。

本には美男子二人が視線を交差させながら抱き合っている絵が写っていたのだ。

これは、挿絵の横のページに活字ががあるからラノベか。

いや、そんなことは今はどうでもいい。


それより絵の内容が……

しかも、これが大事な本って……


まさか、まさかとは思うが、柊はその……つまり…………BL好き……

ということは、俗に言う腐女子……!?

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